コロナと日米安保

突飛なようだけれど、スガやアベが「ガースーです」とにやけたり、アベノマスクを配って犬と戯れて見せたりして、メルケルのようにほんきで国民の命を心配しないのは、日米安保条約のせいじゃないかと思う。

朝鮮戦争のさなかに米軍によって立案された日米安保は、見せかけの独立の裏で基地の自由使用・自由出撃が約束されていた。
戦時に占領軍によって認められた条約に、日本人の命と安全を優先する精神などあるはずもない。
岸信介は、日米対等の新時代などと耳障りのいいことをいって、安保改定に臨んだが、それは、「実行可能な場合」は事前協議をする、すなわち「実行可能ではない」→「できない」とアメリカが考えれば、なんでもできるという密約をもって締結された。
日米地位協定は「結ばれるけれど、守られない協定」と沖縄の人たちは観念している。
そりゃそうだ、守れないと判断するのはアメリカだもの。

岸は密約のことを後任の池田に言わず、まして国民は蚊帳の外に置かれ続けてきた。
国の主権、安全の基本について国民を欺き通してきた岸信介と、それを誰よりも尊敬しているという孫たるアベ（政治家は嘘をついてもいいと、祖父に教えられたと、どこかで云っていた）、それを煮詰めたようなスガ、彼らの金魚の糞たる者どもにコロナ禍の日本人を救おうという気持ちなど望む方が無理なのだ。
ＤＮＡに刷り込まれたのは、「アメリカと経済がすべて」なのだ。
戦争責任を始めとして、大事なことについての責任をあいまいにしてきた権力者たち、見て見ぬふりが習い性となってしまった国民が営々として作り上げてきたのが、この日本の現状ではないか。
日本、とくに沖縄の人たちの自由と安全を犠牲にして、今は幻想と化した経済繁栄（上級国民の）に縋りつく新自由主義者に突き動かされる知性無き権力者はメルケルの真似すらできない。
そういう権力者に今も40％もの支持率を与える良き民。
宗主国・アメリカの鼻息を気にして、眼前の浮利を追い求めてきた日本は、台湾のようなコロナ対策を実行するどころか考えることすら不可能な薄っぺらな国に成り下がってしまったのではないか。
スガ政権の暴走は、日本のホントの重大問題である主権不在を覆い隠すがごとくだ。
僕たちはときどき立ち止まってそのことを確認しなければなるまい。
ＩＮＦ条約廃棄後、対中を軸とするアメリカのグローバルな核戦略の「一部」となりつつある日本列島（沖縄だけではない）の基地の実情、矢部宏治と布施祐仁が岸信介の罪などを解き明かす動画と対談をご覧あれ。

『知ってはいけない』の矢部宏治さんが今日、「沖縄・米軍基地観光ガイド（動画/ダイジェスト版）」公開。私の米軍機の動画を使用していただいています。
沖縄にある26の米軍基地を紹介しています。
9:49〜13:21は核や安保・事前協議制度に関する密約についての内容です。https://t.co/agWrKMmc8K

— アキノ隊員　米軍機用アカウント (@beigunkiwatch) December 5, 2020

ちょっと長いけれどこれも是非！

10年前のデビュー作『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』がこの度、文庫化された矢部宏治さんにインタビュー。この秋、10年ぶりに沖縄の全ての米軍基地を回り映像に記録した矢部さんと、10年前からの変化とそれが意味することについて語り合いました。https://t.co/FXiZNJEwdd

— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) December 12, 2020