「AIの改良に投入するのと同じだけの資金と時間を、人間の意識の向上に注ぎ込め」とハラリはいう

洗濯機の具合が悪くて乾燥ができない、触るのが熱くなるくらい回しているのに、ぼたぼた水が垂れる。
20枚ほどの服やタオルなどを手で絞る。
手袋をしてやったけれど、指の付け根に豆ができて破れた。
洗濯機のないころに二人の子供を育てた母は、こんな温かい日差しの下でなく寒風吹きすさぶ長野の屋外で絞ったのだ。
もっとも今のように毎日洗濯などしなかった、襟や袖口が黒くなるまで着たしセーターなんて一冬洗わなかった。
洗濯機が入ったのはいつだったろう。
ローラーの間に洗濯物を挟んでぐるぐる回すのが嬉しかった。

あしたは直っていることを祈るのみ、マンション作りつけの洗濯機は小さくて国内には売っていないのだ。
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年賀状のあて名書きのために注文したプリンターが発送予定日を過ぎても発送されず、アマゾンは延着でキャンセルすることができるというメールをよこした。
そんなメールより、どこかほかの代替店を手配するくらいのことをしてほしい。
キャンセルすれば年賀状を出さなくてもよくなるわけではなく、出したいからプリンターを買ったのだ。
それにセット売りのインクと延長保証は既に着いているので、これもキャンセルするなんて、そんな面倒なことはできやしない。
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心臓のCT検査の結果が明後日の定期診断の日に告げられる。
そのときに行われる血液検査のためにいつもなら禁酒するのだが、今回はふつうに飲んでいる。
心臓の検査結果の前にはコレステロールだの中性脂肪だのがちっとばかり高くても気にしないのだ。
理屈には合わないけれど。
まして洗濯機がどうなるのか分からないのに、禁酒なんて出来るもんか。
スガの支持率が不支持率を下回ったことと、温かい日差しだけが救いの日曜日だ。
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パン屋の帰りのカフエ、きのうはココアを飲んだ、甘かりし。
バイオテクノロジー革命が情報テクノロジー(IT)革命と融合したときには、私の感情を私よりもはるかにうまくモニターして理解できるビッグデータアルゴリズムが誕生する。その暁には、権限はおそらく人間からコンピューターへと移る。これまではアクセス不能だった私の内なる領域を理解し、操作する組織や企業や政府機関に日々出くわしているうちに、自由意志という私の幻想は崩れ去るだろう。
コーヒーを飲むよりもココアの方がいいよ、とカフェのロボットが教えてくれるようになるのだろうか。
「はじめ」でいい機嫌になって「もう一杯!」と言いたいときに、店のロボットは「もうやめとけ、来週は検査だろ」といい、それを無視すると僕の保険の負担割合が増えるようになるのだろうか。

非有機システムが「意識」を持つようになるだろうか。
何が危険かと言えば、私たちがAIの開発にあまりにも多くを投資し、人間の意識の育成を顧みなければ、コンピューターの非常に高度なAIが、人間の生まれつきの愚かさを助長するだけになるかもしれない。
「AIの改良に投入するのと同じだけの資金と時間を、人間の意識の向上に注ぎ込め」とハラリはいう。
品種改良によって、乳量だけが増大して、その他の敏捷性、好奇心、才覚などでは祖先に及ばない牝牛のように、
私たちは今、厖大な量のデータを生み出し、巨大なデータ処理メカニズムの中の非常に効率的なチップとして機能する、従順な人間を創り出そうとしているが、この、いわば「データ牝牛」が人間の潜在能力を最大限に発揮することはおよそありえない。じつのところ、人間の潜在能力の全貌は、私たちには想像すらできない。なぜなら、人間の心についてはほとんどわかっていないからだ。それにもかかわらず、私たちは人間の心の探求にはろくに投資しておらず、インターネット接続の速度とビッグデータアルゴリズムの効率を上げることに専心している。気をつけないと、ダウングレードされた人間がアップグレードされたコンピューターを誤用して、自らとこの世界に大惨事をもたらすことになる。

ビッグデータアルゴリズムは、自由を消し去りかねないばかりか、同時に、かつてないほど不平等な社会を生み出しかねない。あらゆる富と権力が、ほんの一握りのエリートの手に集中する一方で、ほとんどの人が搾取ではなく、それよりもはるかに悪いもの、すなわち存在意義の喪失に苦しむことになるかもしれない。
いやはや。
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アッという間に葉が落ちて、代わりに白木蓮の蕾が顔を出した。

Commented by unburro at 2020-12-13 13:25
ガンバレ、洗濯機!!

もしも、治らなかったら…
お近くにコインランドリーがあれば、お勧めします。
ふんわり乾燥まで出来て、たまには、良いものです。
(洗濯を待つ間に、読書もできます。)
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-13 17:49
> unburroさん、徒歩六分のところにあるようです。
コロナは大丈夫でしょうかね。
Commented by j-garden-hirasato at 2020-12-14 06:31
AI搭載のロボットに、
接客を受ける時代も来るでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-14 12:10
> j-garden-hirasatoさん、それは既に実現していますね。
近未来に人々はマイチップをどこかに埋め込み、それを張り巡らされたAI監視網が追いかける。
チップにはその人の健康情報、金融情報、趣味嗜好などすべてのデータが紐づけられています。
店に入ればそれが関係の、たとえば銀行や病院などのデータと照合されて、「無駄遣いはやめろ」とか「酒飲むな」という指示が飛んでくる。
無視すると金利が上がったり、保険の負担割合が上がったりする。
そんな状況が決してタワゴトではない、とハラリはいうのです。
Commented by ppjunction at 2020-12-14 12:29
いつか・・・人類は知能を持ったAI に復讐される日が来るような気がします。SFの見過ぎ、読み過ぎかも知れませんがー。
コロナのように細菌やウイルスが人間に牙を剥き、嘲笑う日が来るような、怖さです。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-14 12:55
> ppjunctionさん、SFよりリアルの方が恐ろしいと思います。
人間の意識が問われる!
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by saheizi-inokori | 2020-12-13 12:18 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(6)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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