菅総理は小心?&「山地酪農」のこと

夜のNHKのインタビューで、菅が日本学術会議の新メンバー拒否の件を問われて、とつぜんメンバーの偏りをあげ、「(現メンバーに)民間(大学出身)が極端に少ないじゃないですか」といったとき、彼の顔は紅潮して感情が高ぶっているように感じられた。
出身大学がメンバー選定基準になるなんて、学問の業績で選ぶという法律にも違反するスガワンマン基準だが、苦し紛れに側近たちとひねり出したタワゴトにしては、あんがい彼の本音(旧帝大コンプレックス?)が噴出したのかもしれない。

外遊先の演説で「アセアン」を「アルゼンチン」と読み間違えたり、きのうの所信表明演説でも「重点化」を「ゲンテン化」といったのをはじめ、6か所の読み間違いが指摘されている。
自らの思いを聴く者に伝えたいという気持ちがあれば読み間違いは少なくなるのに、文字を追うことだけに夢中になったのではないか。

この人は、小心の人ではないか。
首相になって40日とか国会も開かず所信表明演説を避けてきたのは、単に「いやだった、出来るだけ逃げていたかった」からではないか。
「どの写真を撮っても同じになる」とカメラマンを嘆かせる無表情は、じつは慄く内心を隠すために習得した仮面なのかもしれない。

小心の人は物騒だ。
プライドを傷つけられることが我慢できない。
え?そんなことで?と思われるような些細なことに対しても、絶えず鋭く震えているアンテナは反応するのだ。
状況が許されれば極端な反撃を行い、あいてを完膚なきまでに叩きのめさないと気がすまない。
いったん我慢しても、執念深く反撃のチャンスをうかがい、時至らば躊躇なく復讐の刃をふるう。
どうか菅さん、あなたの注意深い、用心深いという為政者にとって大切な資質を国民を守るために活かしてください。
自分を守るためのみにではなく。
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きのうの歯科医院では百合の香に迎えられた。
モグラ叩きのようにあちこちに不具合が出てくる僕の義歯について、「この義歯は世の中普通一般の義歯としては格段によくできている」、それなのに「駄目というのは、義歯として必要な基本的な要件を満たしていないから」で、世の中普通一般の義歯はほとんどそういう義歯だという。
原理原則に適合していないということですか?
と、利いたふうなことをいったら、そうですと頷いた。
治療もその場主義で、とりあえず症状を失くすだけを目的にちょこちょこと処置をしておしまい、と言うことが多い由。
僕の歯根炎の消毒もすでに、きちんと治して壊れた骨の再生を待つために10回を超えているが、ふつうは1~2回やって穴を埋めておしまいにしているそうだ。
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学生時代の友人が季節ごとに出している「ガーデン植物園便り」が届いた。
小岩井農場の近くで自宅の庭を植物園にしているのだ。
8ページのパンフレットの冒頭に「「豊かな自然」って何?」が載っている。
山林は木材価格が低迷している時代には、人間にとって豊かな自然とはいえない。
それが「山地酪農」という思想・技術が出現して牛乳生産地として利用されるようになると、豊かな自然に変わったという。
まいとし9000Kgの牛乳を生産しても、ストレスで疲れ果てて5~6年で死んでしまう牛が、「山地酪農」によれば、牛はのびのびと15年15年以上も生きて、牛乳は3000kgしか生産できなくても、うまくて健康的だ。
「山地酪農」では、基本的に牛が農地を維持していて、人はそれを注意深く観察して要所要所で必要な手立てを施すだけである、という画期的な手法を見出したのである。
長年の注意深い観察と試行によってようやくたどり着ける技法であり、その底にあるものは自然への信頼感であり、だから思想でもある。
このような事例を見ると、自然の豊かさというものは、人間がどれだけ自然を知っているかということに大きく依拠していることが分かる。
「豊かな自然」は、誰に対しても同じように存在しているのではない。
と友人は書いている。
歯科医のいう「原理原則」というものも、長年の注意深い観察と試行によってようやく習得されたものかもしれないなあ。
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「山地酪農」について、友人の文章にも紹介されているが、引用が面倒なので、ネットを調べたら、こんなのがありました。
山地酪農って何だろう?
https://nakahora-bokujou.jp/yamachi/

Commented by waku59 at 2020-10-27 12:13
>この人は、小心の人ではないか。小心の人は物騒だ。

確かにその通りかもしれませんね。
かえって扱いにくいタイプかも。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-27 13:14
> waku59さん、もっとも扱いにくいかと。
Commented by りんご at 2020-10-27 17:32 x
「ガーデン植物園便り」を感謝します!

今年は森の栗が豊作で拾っているさきから 頭上にホイと
落ちてきます 半分に切り込みを入れ蒸してワインと毎夜の
最高の前菜です 小さいのは森に埋めにいつかの誰かへ

下記は今夏に急逝した若い俳優へのTribute 動画です 
6つの言葉が胸に響きました もしよろしければ
  Kinky Boots Haruma Miura Tribute movie
Commented by たま at 2020-10-27 18:12 x
 かつて同業者仲間にて小岩井農場を訪れ、トウモロコシ栽培、酪農を通じた堆肥化、耕土・施肥などの一連の環境サイクルを確立する一方、「年次林」(毎年植林を繰り返して定点観察するための演習林)を延々と整備・維持している真摯な姿に接することができました。かの小(?)・岩(岩崎)・井(井上)の3氏による「山地農林」の慧眼に頭が下がる思いでした・・・。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-27 22:02
> りんごさん、栗の豊作いいなあ。
何年か前に旅行中に栗をたくさん拾って勇んで帰ってきたら、ほとんど虫食いでがつかりしたことを思い出します。
春馬、あとで拝見します。ありがとう。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-27 22:04
> たまさん、友人は小岩井でも働いていました。
台湾の公園を設計もしたそうですが、見に行けていません。
Commented by byogakudo at 2020-10-27 22:42
菅義偉の上目遣いは、ダイアナ元妃のそれを思い出させます。
二人ともどれだけ得ようと根本的に満たされない心、僻みっぽく、妬み深い心から解放されることがない。
また菅義偉の権力志向は、麻原彰晃のそれも思い出させます。破壊しないと気がすまない。
ダイアナ元妃も、イギリス王室に亀裂を入れて復讐心を満たしたのですが。
Commented by at 2020-10-28 06:40 x
素十に「蜘蛛の糸 一筋よぎる 百合の前」があります。
いわゆる写生句なんでしょうが、
「蜘蛛の糸」=浮気男「百合」=乙女
なんていうように思えてなりません。

Commented by saheizi-inokori at 2020-10-28 09:25
> byogakudoさん、なるほど、ダイアナね、それはまったく気づきませんでした。
麻原!こわいなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-28 09:27
> 福さん、百合の香りは濃厚にすぎて時に葬式の供花を思い出させることもあります。
Commented by ikuohasegawa at 2020-10-28 10:15
「山地酪農」を検索して読みまくりました。
そういうところの牛乳を毎日飲みたい。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-28 13:57
> ikuohasegawaさん、我が家は豆乳ですが、こんなのだったら飲んでみたいです。
Commented by jyon-non at 2020-10-31 08:39
やはり、生い立ちや氏素性に極端なコンプレックスがあるように思います。
それなのに、それを悟られまいと、あえて、高卒で出て来て段ボール工場で働いたんだ。でも今の俺を見てくれ、総理大臣だぞ。

立派な事なのに、本心から自分を肯定しきれていない。

政界という何でもありのところで、どこか自信を見いだせない胸の内。

如実に表れているのが顔。今までの生き方、周りの人々に感謝があれば、もっと穏やかな温かな顔になると思います。

そう、ムヒカさんのような。
Commented by saheizi-inokori at 2020-10-31 10:17
> jyon-nonさん、この人は秋田で割と裕福な農家の息子ですよ。
大学も出ています(法政)。
わたしなどから見たら恵まれた育ちだと思うなあ。
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by saheizi-inokori | 2020-10-27 12:04 | よしなしごと | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori