アメリカ大統領選が10倍分かりやすくなる 「地図で読むアメリカ」
2020年 09月 27日
どんよりした空だけど洗濯物はベランダに干す。
長男一家が山梨の墓参りに行くそうで、自分が行ってないから有難い。
それを知らせてきた孫娘は、大学の指定校推薦とかいう制度で合格したと嬉しそうだ。
コロナ禍での受験勉強というストレスに加えて先日祖父がそのコロナで急逝、さぞかし堪えているだろうと、心配していた矢先の朗報を伝える声がいつもの明るさを取り戻していた。
「おめでとう、よかったよかった、だけどせっかくの自由になった時間、ほっとして来年までをぼーっと過ごさず、本をたくさん読むなど、有効に過ごしてね。」
というたらば「パパとおなじようなことをいう」と笑う。
「そうさ、パパはお祖父ちゃんの子供だから、そんなことを言われて育ったのだ。悪く思うなよ。ウザイと思ったら後ろのお祖父ちゃんが言ってると思ってくれ」と言ったら、また笑った。
受験が済んで無為に遊び暮らした我が身を悔いているのよ。
アメリカを、地理、自然、歴史、文化、宗教、経済、どういう人たちがそこにやって来たか、などによって、10の地域に分けて説明する。
260ページに地図やその地域の人の好む食べ物まで載せながら、たとえばハートランド地域では、先住民との相克について、アンドリュー・ジャクソン大統領の「インディアン移住法」、チェロキー族「涙の道」において4千人の犠牲者が出たことや、ウーンデッドニ―の大虐殺、アルカトラズ島占拠事件のこと、ヴァイン・デロリア・ジュニア「カスターはあなたの罪のために死んだ」、ディ-・ブラウン「わが魂を聖地に埋めよ」などに触れるなど、勘所では、通り一遍ではない解説があるのだ。
1)個人主義的傾向なのかユートピア的社会改革を目指すのか
2)神の導きへの傾倒なのか、良心と探求の自由に心動かされているのか
3)理想的なアングロサクソン・プロテスタントへの同化を目指すのか、民族的、宗教的な多元主義を希求するのか
4)伝統的な貴族主義的秩序への服従を求めるのか、平等と民主的な参加を促すのか
5)地球温暖化などの環境破壊に対する危機感を抱くのか、雇用と経済優先主義でいくのか
をあげている。
10の地域とは下の図のとおり。
たった一日、本書を読むだけで、あの広大なアメリカ大陸とハワイ諸島(近年増えているホームレスの姿まで)を見聞きしたような気になる。
アパラチア地域をはじめとして、前途に希望を見いだせない人々の嘆きが聞こえないところがないような、アメリカは嘆きの大陸なのだろうか。
大統領選挙報道を見るときの参考書として最適かもしれない。
孫娘には、もう一冊「母の遺産」(水村美苗)を勧めたのだが、それは勘違いで、同じ水村の「日本語が亡びるとき 英語の世紀のなかで」を勧めるべきだったことに気づいた。
訂正したけれど、すでにアマゾンしたらしい、こっちの方が楽しんで読めるかもしれないな。
僕はいまだに本は本屋で買うのが基本に刷り込まれている。
それなのに、足が痛くなったこと、おこずかいが少なくなったこと、図書館を基本にしたこと、などで本屋で新しい本を物色する喜びと離れつつあるのが寂しい。
朝日新聞出版
さすが!
ウチの高3孫娘は推薦受けれるほど出来がよくないのかも、、
大学4年の方も、リモートで入社試験受けているようですが、
いまだに合格の一報はない。。
出来が悪いと大変な世の中です(^^;