楽しくよませる雲助の「私の東京物語」@東京新聞
2020年 08月 19日
今朝は暑さがちょっとゆるんでさわやかといってもよい。
窓を大きく開けた。
もっとも8時過ぎには閉めて冷房だ。
食器洗い、水が気持ちいいのだが、指先にキズができて痛い。
夜は手袋をはめて洗うのだが、朝とか昼、ときどきの茶碗やコップなどは面倒だから素手で洗ってしまう。
一回づつはわずかなようだが、一日となると結構な量を洗う。
そのときも洗剤を使うこともあって、老人のヤワなお肌にキズができるのだ。
立っている時間が長くなると夜には膝が痛くなる。
口の中の違和感がある日は、ふがふがする。
ふがふがしていると唾がたまって、涎が垂れることもある。
やれやれ、なのだ。
東京新聞の「私の東京物語」、こんかいは五街道雲助だ。
こういう連載は意識して必ず読むということはないけれど、こんどは待ちかねるように読んで切り抜いたりしている。
切り抜いてどうするでもないのだが。
居残り会のメンバーと会わなくなってずいぶんだが、グループのラインはまいにちにぎやかに通信しあっている。
僕は読む専門にちかいのだが、たまに茶々を入れる。
その茶々で、この連載のことを知らせたら、まいにち記事を送ってたもれ、とのご下命があった。
全10回と紙数が限られているせいもあるのだろう、くだくだしい話がなく、生れた本所割下水のことを「文七元結」の話や志ん生のなめくじ長屋のことなどを引きながら軽妙に語って、あたかも志ん生の落語を聴くかのごとくだ。
阿部昭が『短編小説礼讃』で、志ん生の「文七元結」の一節を引いて、極上の短編を読むようだと、その省略の妙を褒めていたことも髣髴する。
きょうで4回目だが、とつぜん「本所以外で馴染みになった土地は弟子入りした十代目金原亭馬生の住まいのある日暮里でした」とあって、落語家になった動機とかユクタテなどはないのだ。
馬生が、毎朝10時ごろ「手水を終えて神棚にお灯明をあげます」、お手水、切り火、べらぼうに酒癖の悪い旦那、百匁の豚カツ、などの言葉も楽しい。
馬生はお灯明を上げた後、座卓の前に座って、一升瓶からちびりと飲み始めると料理上手のおかみさんがちょっとした肴を小鉢に作り、少し酔いが回ると藤の枕でその場でとろとろと寝てしまい、昼下がりに「風呂をたてておくれ」、さっぱりしたら、またちびり。
寄席に出る時は、おかみさんが切り火を切って、住み込みの弟子(雲助たち)も一斉に「行ってらっしゃまし」。
雲助は、その粋と気楽さに憧れたという(僕もだ)。
(娘の池波志乃と中尾彬の結婚会見、馬生宅で)
窓を大きく開けた。
もっとも8時過ぎには閉めて冷房だ。
夜は手袋をはめて洗うのだが、朝とか昼、ときどきの茶碗やコップなどは面倒だから素手で洗ってしまう。
一回づつはわずかなようだが、一日となると結構な量を洗う。
そのときも洗剤を使うこともあって、老人のヤワなお肌にキズができるのだ。
立っている時間が長くなると夜には膝が痛くなる。
口の中の違和感がある日は、ふがふがする。
ふがふがしていると唾がたまって、涎が垂れることもある。
やれやれ、なのだ。
こういう連載は意識して必ず読むということはないけれど、こんどは待ちかねるように読んで切り抜いたりしている。
切り抜いてどうするでもないのだが。
居残り会のメンバーと会わなくなってずいぶんだが、グループのラインはまいにちにぎやかに通信しあっている。
僕は読む専門にちかいのだが、たまに茶々を入れる。
その茶々で、この連載のことを知らせたら、まいにち記事を送ってたもれ、とのご下命があった。
全10回と紙数が限られているせいもあるのだろう、くだくだしい話がなく、生れた本所割下水のことを「文七元結」の話や志ん生のなめくじ長屋のことなどを引きながら軽妙に語って、あたかも志ん生の落語を聴くかのごとくだ。
阿部昭が『短編小説礼讃』で、志ん生の「文七元結」の一節を引いて、極上の短編を読むようだと、その省略の妙を褒めていたことも髣髴する。
きょうで4回目だが、とつぜん「本所以外で馴染みになった土地は弟子入りした十代目金原亭馬生の住まいのある日暮里でした」とあって、落語家になった動機とかユクタテなどはないのだ。
馬生が、毎朝10時ごろ「手水を終えて神棚にお灯明をあげます」、お手水、切り火、べらぼうに酒癖の悪い旦那、百匁の豚カツ、などの言葉も楽しい。
馬生はお灯明を上げた後、座卓の前に座って、一升瓶からちびりと飲み始めると料理上手のおかみさんがちょっとした肴を小鉢に作り、少し酔いが回ると藤の枕でその場でとろとろと寝てしまい、昼下がりに「風呂をたてておくれ」、さっぱりしたら、またちびり。
寄席に出る時は、おかみさんが切り火を切って、住み込みの弟子(雲助たち)も一斉に「行ってらっしゃまし」。
雲助は、その粋と気楽さに憧れたという(僕もだ)。
第三回には、子供のころ連れて行ってもらった浅草のことが書いてあって、国際劇場のSKDのレビューの幕間(まくあい)に、まだ朝太という名前の志ん朝が出て「欠伸指南」を演っていたという。
それで思い出したのが、中学の修学旅行で国際劇場に行ったこと。
「アトミックガール!」とかなんとか大声で叫び脚を上げる、その足が脇からみているとピタッとそろっていて、なんともカッコイイとぶったまげた。
幕間には映画で、伴淳三郎の出る「糞尿譚」だったと思う。
火野葦平が芥川賞を受賞した作品が原作でクサイ映画だった。
修学旅行では、宿泊した宿に東京の親戚が面会に来てもいいことになっていて、本郷の機山館に伯母が大学生の従兄ときてくれた。
面会と言っても、玄関で立ち話じゃなかったかと思う。
そのころ、母が内職で毛糸のネクタイを織っていたので、それを二三本、従兄にお土産に持って行って渡したら、その場で開いて見て、あまり嬉しそうにしなかったのが悲しかった。
東京に親戚がいて、会いに来てくれるのは、友達にたいして自慢でもあったのだ。
それで思い出したのが、中学の修学旅行で国際劇場に行ったこと。
「アトミックガール!」とかなんとか大声で叫び脚を上げる、その足が脇からみているとピタッとそろっていて、なんともカッコイイとぶったまげた。
幕間には映画で、伴淳三郎の出る「糞尿譚」だったと思う。
火野葦平が芥川賞を受賞した作品が原作でクサイ映画だった。
修学旅行では、宿泊した宿に東京の親戚が面会に来てもいいことになっていて、本郷の機山館に伯母が大学生の従兄ときてくれた。
面会と言っても、玄関で立ち話じゃなかったかと思う。
そのころ、母が内職で毛糸のネクタイを織っていたので、それを二三本、従兄にお土産に持って行って渡したら、その場で開いて見て、あまり嬉しそうにしなかったのが悲しかった。
東京に親戚がいて、会いに来てくれるのは、友達にたいして自慢でもあったのだ。
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pallet-sorairo at 2020-08-19 16:35
saheiziさん、修学旅行で国際劇場のラインダンス見たんですか@@!
いやはや時代を感じますねぇ(^^ゞ
そういえば子どものころ、修学旅行で東京へやってきた親戚の誰彼に会いに
両親に連れられて宿泊先へ行ったことがあったの思い出しました。
>その場で開いて見て、あまり嬉しそうにしなかったのが悲しかった。
悲しいですね、なんだか涙が出てきちゃいました。
いやはや時代を感じますねぇ(^^ゞ
そういえば子どものころ、修学旅行で東京へやってきた親戚の誰彼に会いに
両親に連れられて宿泊先へ行ったことがあったの思い出しました。
>その場で開いて見て、あまり嬉しそうにしなかったのが悲しかった。
悲しいですね、なんだか涙が出てきちゃいました。
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at 2020-08-19 18:19
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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jyariko-2 at 2020-08-19 18:26
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saheizi-inokori at 2020-08-19 18:57
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saheizi-inokori at 2020-08-19 18:58
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saheizi-inokori at 2020-08-19 19:02
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doremi730 at 2020-08-20 00:55
「私の東京物語」五街道雲助さんの記事を楽しく拝見し
もっと読みたくて、ネット検索して、いろいろと前の
記事を読めました。ありがとうございます。
山本寛斎さんの「私の東京物語」も追悼で載っていて
楽しめました♪
もっと読みたくて、ネット検索して、いろいろと前の
記事を読めました。ありがとうございます。
山本寛斎さんの「私の東京物語」も追悼で載っていて
楽しめました♪
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maru33340 at 2020-08-20 05:19
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福
at 2020-08-20 06:43
x
馬生のおかみさんのつくる小鉢の肴、どんなものだったんでしょう?
そこで思い出したのが、中尾さんが「アレ食べたい」というと、志乃さんがさっと作って供するという話です。
二代続いた家の習いなんでしょう。
>牡丹散って
美学者、矢張り画家なんですねぇ。
そこで思い出したのが、中尾さんが「アレ食べたい」というと、志乃さんがさっと作って供するという話です。
二代続いた家の習いなんでしょう。
>牡丹散って
美学者、矢張り画家なんですねぇ。
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j-garden-hirasato at 2020-08-20 07:04
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saheizi-inokori at 2020-08-20 09:36
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saheizi-inokori at 2020-08-20 09:37
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saheizi-inokori at 2020-08-20 09:40
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saheizi-inokori at 2020-08-20 09:43
> j-garden-hirasatoさん、起きるとガラス戸を大きくあけて朝の空気を取り込みながら、洗濯や掃除をします。
ほんとに90分ほどのわずかな時間、すぐエアコンをつけないと大変です。
長野にいたころ、軒の物干しにご飯の残りをつるして冷蔵庫の代わりにしました。
朝晩涼しいのが魅力ですね。
ほんとに90分ほどのわずかな時間、すぐエアコンをつけないと大変です。
長野にいたころ、軒の物干しにご飯の残りをつるして冷蔵庫の代わりにしました。
朝晩涼しいのが魅力ですね。
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ikuohasegawa at 2020-08-20 10:00
修学旅行の泊まりが本郷だったことを思い出しました。
あの頃は、本郷にそういう宿が幾つもあったようですね。
あの頃は、本郷にそういう宿が幾つもあったようですね。
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saheizi-inokori at 2020-08-20 12:36
> ikuohasegawaさん、今も機山館はあるようです、ホテルになって。
by saheizi-inokori
| 2020-08-19 11:55
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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