国内向けの問題として語られてきた朝鮮・中国問題 「天皇と軍隊の近代史」

なんで分かるのかな。
カミさんがおもちゃを買ってきて、消毒して棚の上においてあるのを背伸びしてガリガリして取ろうとする（見えないはずなのに）。
今まであるのとどう違う？咬んでガシガシするだけなのに、もう夢中だ。尻尾をつかんでも「っるせえなあ」見向きもしない。
トリミングに行ってないから、ぼさぼさ姿が可哀そうだ。
まあ、僕もだが（そうか僕はこんなに毛がないな）。
散歩していたら、ウグイスの鳴き声を聞いた。
ケキョ、、なんともヘタクソな。
足が弱まったこともあって、しばらくサンチを散歩に連れて歩かない。
マンホールの蓋があると、「ほら、ピョンしてみろ」と飛ばしてみたことなどを思い出して、サンチもいっしょに歩きたいだろうなと思う。
「天皇と軍隊の近代史」（加藤陽子）から。

天皇を戴く古代国家は、「唐を隣国、新羅を蕃国（冊封された諸侯の領地）」との対外認識（フイクション・僕注）を前提に、国内支配に臨んでいた。しかも、日本が唐に不定期な朝貢使を送りながらも、冊封体制に入らないようにした理由が注目される。それは、中国の冊封体制に入れば、中国の冊封を受けている朝鮮（新羅）と日本が同等ということになってしまい、それでは、日本が新羅を服属させているとの虚構が崩れるからであった。

天皇とはその本質において、朝貢国を従えてはじめて成り立つ称号であり、天皇が天皇たるためには、朝鮮の服属が不可欠の前提となっていた。

木戸孝允が、１８６８年１２月１４日の日記において、朝鮮が（天皇とではなく）幕府と外交関係を結んできたことを、無礼だとして征韓論を唱えている。
１８７３年時点で、西郷隆盛が下野する契機になった征韓論争においては、征韓論を斥けて内治派を代表になる木戸がである。この時の木戸に必要だったのは、明治初年の新政府が置かれた困難な政治状況を脱するための論理であった。

時の政府は、在野の攘夷派から、早く欧米列強を日本から追い払うべきだとの強い攻撃にさらされていた。その国内反対派からの強い批判をかわし、王政復古の理念によって国内輿論をまとめる手段として、朝鮮の服属という古代以来の虚構が必要とされたと考えたい。新国家としてのアイデンティティ確保のため、古代の神話に依拠した立国の理念で国民をまとめる必要があった。これまで見てきたように、日本の朝鮮観・中国観の特徴として挙げられるのは、通商上の利益や領土の獲得といった体外関係上の問題としてではなく、国内向けの問題としてそれが語られていたということである。国内統治上の権威づけのため、あるいは、国民を新国家へと結集させるためのアイデンティティ確保のため、朝鮮や中国のイメージが国内統治上の便宜として用いられていた。

古代日本の立国のための虚構が、いまだに日本人の多くの心底に伝わりつづけて、それをアベなどが煽りたてて、己が権力維持を図り、その結果日本の国としての冷静な判断が阻害されてはいないだろうか。



歌もいいけれど、この映像を見ていると胸がきゅんとなるな。
映画を見ていないのに。



元気を出して！（誰にいってんだ？）