誤解とともに
2020年 06月 20日
雨降りの午後、届いたばかりのキース・ジャレットの「The Melody At Night.With You」を聴いて過ごした。
maruさんのブログで知って注文したのだ。
キース・ジャレットが長い闘病生活の末に復帰して弾いたピアノソロ、maruさんもつらい熱と闘って音楽を聴く意欲すらなかったのに、このCDを小さな音でなんども聞いているうちに世界が音や色を取り戻してきたそうだ。
僕もちょっとヴォリュームを絞って聴いてみた。
ああ、懐かしい、ここはどこだっけ、窓の向こうに灰色の雲がす~っと流れていく山は、あれは八ヶ岳だろうか。
ちろちろと火が残っている暖炉があって、そのわきのテーブルで、僕はこれから晩飯をとろうとしている。
なんども泊まった八ヶ岳のふもとの宿に流れていたピアノのCDがこれだったか。

こうして生きているということを、少しづつ確かめるのだ。
雨にぬれた樹々にそよぐ風、薄日がさすかのような青葉の照り、耳をすませてみれば、雨の音にまじって生きている者たちの息も聴こえるようだ。
静かに、思い出をなぞるように、愛しむように、大切な薄物を丁寧に開いてみて、その香りを聴いて、再び時間をかけて畳みなおす。
二回、堪能して、傘をさして歩いた。
「誤解」と言う言葉が、とつぜん去来した。
僕はどれだけ多くの誤解を与えてきたことだろう。
誤解であることは歴然としているのだから、ほんの一言、誤解であることを説明すればよかった。
今でも、たとえばコメントをめぐる誤解がもとで、それきりになっているブログの友だち、もっと深刻な状況で、僕の事情・真意が分からず(説明していないから)に、絶対許せないと思っている人が(何人か)いる。
人違いで僕を憎んでいる人も知っている。

なぜ、誤解を解こうとしなかった・しないのか。
めんどくさい?
誤解していたことを認めるのは、その人にとって必ずしもよいことではないのかもしれない。
誤解したままでいるほうが楽なことだってあるはずだ。
誤解を解こうというのは、「そんな悪い男じゃないってことをわかってくれ」という僕のエゴだ。
「良い誤解」だってあるはずだけれど、そのことは気にならないもの。
考えてみれば、自分の心でさえ捉えどころがなく、きのう考えたことなんてすぐ忘れるのだから、どれが誤解でどれが正解であるかなんて、初めから、その境目ははっきりしてないのだ。
誤解でも六回でも、過ぎたことは過ぎたこと、これからも何回でも誤解を生みつつ生きていくしかない。
僕は誤解製造機なのだ。
驕慢?そうかもしれない。
でも僕は諦めている。
けさは嘘のような青空、ベランダで干し物をしている首筋が痛いほどだ。
張り切って大掃除、この埃は現実、掃除をすればしたなりに綺麗になって気持ちがよくなるのも事実だ。
maruさんのブログで知って注文したのだ。
キース・ジャレットが長い闘病生活の末に復帰して弾いたピアノソロ、maruさんもつらい熱と闘って音楽を聴く意欲すらなかったのに、このCDを小さな音でなんども聞いているうちに世界が音や色を取り戻してきたそうだ。

ああ、懐かしい、ここはどこだっけ、窓の向こうに灰色の雲がす~っと流れていく山は、あれは八ヶ岳だろうか。
ちろちろと火が残っている暖炉があって、そのわきのテーブルで、僕はこれから晩飯をとろうとしている。
なんども泊まった八ヶ岳のふもとの宿に流れていたピアノのCDがこれだったか。

雨にぬれた樹々にそよぐ風、薄日がさすかのような青葉の照り、耳をすませてみれば、雨の音にまじって生きている者たちの息も聴こえるようだ。
静かに、思い出をなぞるように、愛しむように、大切な薄物を丁寧に開いてみて、その香りを聴いて、再び時間をかけて畳みなおす。

「誤解」と言う言葉が、とつぜん去来した。
僕はどれだけ多くの誤解を与えてきたことだろう。
誤解であることは歴然としているのだから、ほんの一言、誤解であることを説明すればよかった。
今でも、たとえばコメントをめぐる誤解がもとで、それきりになっているブログの友だち、もっと深刻な状況で、僕の事情・真意が分からず(説明していないから)に、絶対許せないと思っている人が(何人か)いる。
人違いで僕を憎んでいる人も知っている。

なぜ、誤解を解こうとしなかった・しないのか。
めんどくさい?
誤解していたことを認めるのは、その人にとって必ずしもよいことではないのかもしれない。
誤解したままでいるほうが楽なことだってあるはずだ。
誤解を解こうというのは、「そんな悪い男じゃないってことをわかってくれ」という僕のエゴだ。
「良い誤解」だってあるはずだけれど、そのことは気にならないもの。
考えてみれば、自分の心でさえ捉えどころがなく、きのう考えたことなんてすぐ忘れるのだから、どれが誤解でどれが正解であるかなんて、初めから、その境目ははっきりしてないのだ。
誤解でも六回でも、過ぎたことは過ぎたこと、これからも何回でも誤解を生みつつ生きていくしかない。
僕は誤解製造機なのだ。
驕慢?そうかもしれない。
でも僕は諦めている。

張り切って大掃除、この埃は現実、掃除をすればしたなりに綺麗になって気持ちがよくなるのも事実だ。
とても良くわかります。
このアルバムには、聴くものの心に静かに沁みこみ生きていることのささやかな(でも確かな)喜びを思い出させてくれるような力があるようです。
このアルバムには、聴くものの心に静かに沁みこみ生きていることのささやかな(でも確かな)喜びを思い出させてくれるような力があるようです。
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とてもとても共感しました。私を「嫌い」と評価した人に、「その評価を覆せ」と迫ることはどだい無理であろうと思うのです。
いつか、ずっと先に、わかってもうことも、あるかもしれないし、ないかもしれない。そうやって諦めようと努めています。
いつか、ずっと先に、わかってもうことも、あるかもしれないし、ないかもしれない。そうやって諦めようと努めています。
若いころキースジャレットの「ケルンコンサート」を聴いて以来のファンですが、このCDのことは知りませんでした。私も買います.
saheiziさんは言葉で意志を表現することを大事にしています、言葉の力を信じている、とても良いことだと思います。その言葉が時として誤解を生むのですが、あまり気になさらずにsaheiziさんのままで。
saheiziさんは言葉で意志を表現することを大事にしています、言葉の力を信じている、とても良いことだと思います。その言葉が時として誤解を生むのですが、あまり気になさらずにsaheiziさんのままで。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
> Hana3131Hさん、ありがとう。
言葉足らずということもままありますね。
逆説とか比喩がそのままに受け止められることも。
省略するのもよくないな。
独りよがりも!
いずれにせよ、もう手遅れです。
言葉足らずということもままありますね。
逆説とか比喩がそのままに受け止められることも。
省略するのもよくないな。
独りよがりも!
いずれにせよ、もう手遅れです。
> 鍵コメさん、人間関係というものは、不思議で面白いですね。死ぬまで一緒と思っていても、ちょっとした一言で壊れたり、ほんのお付き合いと思っていたのに何年も続いたり。
でも。。誤解されたままなのもちょっと気になる?
反対意見をいうと。
その人までを嫌いになるのは不思議な気がします。
意見は意見。好き嫌いは別なのになあって。
何かがあって、「そうよそうよ」と同調ばっかりなら。
発展がない。違う意見があって。
でもそれはこうじゃないのと話し合うのが民主主義だと思ってましたが。
反対意見をいうと。
その人までを嫌いになるのは不思議な気がします。
意見は意見。好き嫌いは別なのになあって。
何かがあって、「そうよそうよ」と同調ばっかりなら。
発展がない。違う意見があって。
でもそれはこうじゃないのと話し合うのが民主主義だと思ってましたが。
キースは、難病と闘っていた時期がありました。キースのあの声はいただけませんが((笑)でも、味があります。ほっとします。彼の演奏は。
> fusk-en25さん、ご意見ありがとう。
その人を嫌いになる、それは私が、おそらく誤解に基づいて嫌われている、ということです。
その誤解を解くのは、今となっては簡単なことではないかもしれないし、簡単かもしれない。
でも誤解が解けたからといって何が変わるか?
その人も今さら、そうかと誤解を解いたから胸のつかえがとれてよかったということになるとは限らない。
忘れていたようなことを蒸し返されて、不愉快かもしれないし、その過程でさらに誤解の再生産があって深みにはまるかもしれない。
さらに考えてみれば、世の中には、私の気づかない誤解もたくさんあるでしょう。
しょせん人間関係は多少に関わらず誤解を含んでなりたっていると、諦めて生きていくしかないかなあ。
そんな感じを書いてみたのでした。
その人を嫌いになる、それは私が、おそらく誤解に基づいて嫌われている、ということです。
その誤解を解くのは、今となっては簡単なことではないかもしれないし、簡単かもしれない。
でも誤解が解けたからといって何が変わるか?
その人も今さら、そうかと誤解を解いたから胸のつかえがとれてよかったということになるとは限らない。
忘れていたようなことを蒸し返されて、不愉快かもしれないし、その過程でさらに誤解の再生産があって深みにはまるかもしれない。
さらに考えてみれば、世の中には、私の気づかない誤解もたくさんあるでしょう。
しょせん人間関係は多少に関わらず誤解を含んでなりたっていると、諦めて生きていくしかないかなあ。
そんな感じを書いてみたのでした。
> よっしーさん、その難病から復帰したときの作品がこれなのだそうです。
若き日、渋谷の「ジニアス」(今は中野)の暗い中にいました。
キースのスタンダーズの1作目、
最初の曲「The Meaning of the Blues」がかかりました。
空気が詩情に染められてゆくよう・・・鮮明な「音」体験でした。
追記
キースではスタンダーズの1作目がおすすめです。
創意に満ちた「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」も聴きものです。
キースのスタンダーズの1作目、
最初の曲「The Meaning of the Blues」がかかりました。
空気が詩情に染められてゆくよう・・・鮮明な「音」体験でした。
追記
キースではスタンダーズの1作目がおすすめです。
創意に満ちた「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」も聴きものです。
雨でも散歩にお出かけですか。
自分は、買い物以外は籠ります(笑)。
自分は、買い物以外は籠ります(笑)。
誤解 六回も百回も・・・・・
早とちりだったり面倒がったりしてどれだけ人に迷惑を掛けてきたことか
良い誤解ってありますね わかっていてもその方が平和だからってことも
それが人間なのかもしれないですね
解いた方がいい誤解もありますが あえて解かない方が多い気がしています
早とちりだったり面倒がったりしてどれだけ人に迷惑を掛けてきたことか
良い誤解ってありますね わかっていてもその方が平和だからってことも
それが人間なのかもしれないですね
解いた方がいい誤解もありますが あえて解かない方が多い気がしています
私もこのアルバム持っています。
良く聴きました。
慢性疲労症候群という病とキースが闘い、立ち直りのきっかけになったアルバムだったと思ってる・・・記憶違いでなければ。
誤解すること、されること、往々にして起こることですね。
真意が伝わらずもどかしいこともあるけど、私は伝わらなかったらそれで良しかな?
受け取り方も又ひとそれぞれ、お互いの体調も関係してくるし。
最近特に『流す』ことを覚えました。
抱えきれないことはスルー^^。
キースは、いつか一度は聴いてみたいのです。
あの声、苦手な人もいるようですが、私は好き。
彼の奏でる和音も好きなのです。
いつか来たら行きましょう(^^ゞ
良く聴きました。
慢性疲労症候群という病とキースが闘い、立ち直りのきっかけになったアルバムだったと思ってる・・・記憶違いでなければ。
誤解すること、されること、往々にして起こることですね。
真意が伝わらずもどかしいこともあるけど、私は伝わらなかったらそれで良しかな?
受け取り方も又ひとそれぞれ、お互いの体調も関係してくるし。
最近特に『流す』ことを覚えました。
抱えきれないことはスルー^^。
キースは、いつか一度は聴いてみたいのです。
あの声、苦手な人もいるようですが、私は好き。
彼の奏でる和音も好きなのです。
いつか来たら行きましょう(^^ゞ
> koro49さん、慢性疲労?そんなのがあるのですね。
年をとつて過去のいろいろが追いかけてきます。自分では正しいと思ってやったことが、独りよがりのまちがいだったのではないかと思われてきたりもします。
そういうことを考えてもしょうがないのですがね。
そのなかで、誤解したりされたり、も多い。まるで誤解の海を泳いできたかのようです。
スルーするしかないですね。
ありがとう。
年をとつて過去のいろいろが追いかけてきます。自分では正しいと思ってやったことが、独りよがりのまちがいだったのではないかと思われてきたりもします。
そういうことを考えてもしょうがないのですがね。
そのなかで、誤解したりされたり、も多い。まるで誤解の海を泳いできたかのようです。
スルーするしかないですね。
ありがとう。
by saheizi-inokori
| 2020-06-20 12:36
| 能・芝居・音楽
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