タイ「一時僧」について 「タイの僧院にて」(青木保)

三日前くらいにやった感じの大掃除、一週間の過ぎるのが早すぎて身体、いや心か、がついていけない。
梅雨の始め、大掃除気分ではないけれど、花も嵐も踏み越えてやらにゃあならない。
トイレの床磨き、まいどのことながら腰が痛くなるので、ぺたんと座り込んでゴシゴシ、こんなことをするために年をとったんじゃねえぞ、なんて思いつつもゴシゴシ、これをやらないと毎日嫌な思いをするのだ。
それにしても、疲れた、ルンバのブラシをきれいにしてやりながら、お互いに慰め合う。
タイ「一時僧」について 「タイの僧院にて」(青木保)_e0016828_11455395.jpg
(タイの仏教はセイロンから入った)

禅宗のお寺などの修行というと暗いうちから起きて、作務衣を着ての清掃が中心になる様で、長い廊下を雑巾がけする姿などの映像がつきものだ。
「タイの僧院にて」(青木保)によると、タイの仏教寺院の修行には清掃は組み込まれていないようだ。
僧の身のまわりを世話する小僧・デクという存在がそういうことをするのだろうか。
タイの修行僧は、早朝からピンタバート(托鉢)に出かける。
チーオン(黄衣)を二つ合わせて着て、黒いバアツ(鉢)を胸にだくようにしてもって、裸足で、犬のクソやガラスの破片に注意しながら街を歩く。
一つの鉢に米飯、炒めもの、揚げ物、包んだ菓子、バナナ、などいろんなものをいっしょくたに入れてくれるから、寺に帰ってから、それを分けるのも、デクの仕事のようだ。
原則として寺院では煮炊きしないので、托鉢で貰って来たもので生きていく。
正午前後に二度目の食事を摂るのが、その日の最後の食事なのだ。
タイ「一時僧」について 「タイの僧院にて」(青木保)_e0016828_11461329.jpg
タイの「一時僧」制度のこともうすぼんやりと聞いたことはあったが、本書でより詳しく知ることができた。

制度というより慣行であって(強制されることはない)、二十歳に達して五体満足な男子が、一時的に剃髪し黄衣をまとって僧院生活を送ることは、700年ほど前のスコタイ時代末期に確立された。
一日だけなどというのもあるが、多くは三カ月、働いている人は有給を取って修行する。
タイ社会における通過儀礼のうちで成人式に相当し、僧になってはじめて「全人間」と言われる。
タイ「一時僧」について 「タイの僧院にて」(青木保)_e0016828_11474414.jpg
一時僧になることによって何が期待されているかを、ごく一般的なレベルで捉えてみると、

①両親が息子の僧修行をみて大変幸せに感じること。
②当人も両親が自分に望むことを果たすことに喜びと誇りを感じること。
③親と子が互いに幸福と感じることが家族の紐帯を緊密にし、同時にタイ国の国家的統合を促進するための力となる。
④熱心に修行をした結果、新しい人間に生まれ変わる。確固たる宗教的信念とより鋭敏になった心をもって社会に出てゆくことができる。この新しい資格によってその後の人生を充実して生きることができる。

個人―家庭―国家をひとつのものとして把握する、タイナショナリズムへの期待なのだ。
下村博文のごときが、唱導したという大学入学前の自衛隊入隊体験をちらっと想起する。
ただ、タイの場合、あくまでも自主的なものであり、仏教を学ぶという優れて平和志向・精神修養であることが、戦前回帰の軍国主義とは似て非なるものなのだろうが。

一時修行僧になることが、親とくに母親を喜ばせるタン・ブンということについて、興味深い記述があるのだが、今日はこれでお終い、ふ~っ、疲れたな。
タイ「一時僧」について 「タイの僧院にて」(青木保)_e0016828_11452920.jpg
それでも、小池の都知事選出馬について、一言だけ。
なんとか落選しますように!
彼女みたいなのが威張っている限り、僕は死ぬまで、怖くて居酒屋で一杯が出来そうもない。
夜の町を敵視したと思ったら、次の日はステップアップ、全て解除するのも選挙に合わせてスケジュール通りだ。
あとは、自己責任!

検査なんかしたってしょうがないでしょ、あんたらは7度や8度の熱でジタバタしないで、じっと家で我慢してなさい!
コロナ禍初期となにも変わらない無責任で冷酷な犯罪者集団が権力者であることの恐ろしさ!

Commented by doremi730 at 2020-06-13 15:39
居酒屋は私も怖くてまだまだ無理ですが、
結構広い店で席を離してあるので、
他の客が来る迄ならと、こちらも2人だけで
行ってみました。
食べ飲む時だけずらすも、後はマスクして。
これで感染したら、もう運命!
Commented by りんご at 2020-06-13 15:46 x

親と子の関係、精神修養,仏教を学ぶ,スコタイ以来の伝統

現状をみて,タイに存在するものを羨ましく感じます
「牧獣のごとく同じ場所に棲息してるだけでなく生を共にする
思考や愛談論がいき交う」コロナのお陰で読了したニコマス
倫理学の余韻で尚更か  同志ルンバはわかってる
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-13 16:19
> doremi730さん、その運命が私には致命になるのだから、ちょっと怖いです。
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-13 16:22
> りんごさん、けさのルンバは充電のしかたが悪かったらしく、すぐに真っ赤な顔になってしまうのでした。
掃除して充電しなおしたら、元気に廊下を走って行きました、ウイ奴。
Commented by Deko at 2020-06-13 16:50 x
こんにちわ
お寺さんは何処も手入れが行き届いていますね。近所の広徳寺さんもいつもきちんと手入れを菩提寺のお寺の方丈さんは高齢ですが作務衣をきて毎日のように広いお庭の手入れをしています。日々几帳面にお掃除されておられるsaheijiさんには通じられるものを感じます。雨で紫陽花の花も生き生きですね。
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-13 21:29
> Dekoさん、今日は雨の中を散歩しました。アジサイはやはり雨に合う花ですね。
Commented by ikuohasegawa at 2020-06-14 09:12
私も一言だけ。
山本太郎は出馬してはいけません。票が割れます。
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-14 09:35
> ikuohasegawaさん、シラケる人も出てくるのではないでしょうか。
Commented by j-garden-hirasato at 2020-06-14 10:37
ますます混沌とした世界になりますね。
選挙権がなくて、ヨカッタです。
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-14 11:42
> j-garden-hirasatoさん、あ、冷たい^^。
Commented by takoomesan at 2020-06-15 15:33
タイの坊さんは思いの外、太っていたりするのです。沢山、食べてますよ、彼等!
Commented by saheizi-inokori at 2020-06-15 16:07
> takoomesanさん、修行僧は朝と昼の二回、痩せたと著者は書いています。
いまでも一時僧は多いのですか?
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by saheizi-inokori | 2020-06-13 13:12 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31