人生の御馳走帖、「くじらの刺身」
2020年 06月 12日
牢屋にいる囚人たちが、娑婆に出たら食いたいものをテーマに語ることもあるとか。
ぼくが今、食べたいものは、いわゆる豪勢なご馳走ではない。
人生の時の流れのときどきに、何気なく食った、「うめえ!」と思った食い物なのだ。
そのときは、安いものだったが、今は高価なものになっているものもある。
なにより、あの「場」がもうこの世には存在しなくなっている。
「人生の御馳走帖」というカテゴリを作ってみよう。
そんなことを考えたのは、テレビでコウケンテツが青森の鯨を食うシーンを見て、我が青春の時にも、あんなウマイ鯨を食ったことがあったなあ、と思いだしたからだ。
社会人になりたての頃、東北線・仙台駅の隣に長町という駅があって、その近くで働いていた。
倶利伽羅紋々を彫ったOさんという人に妙に可愛がられて、休みの日など奥松島にネウ(アイナメ)を釣りにつれて行ってくれたりした。
手漕ぎだったと思うのだが、自信がなくなった、二人のほかに船頭が乗ったかどうかも、怪しくなった。
小舟に乗って、静かな内海で、短い竹の棒の先にゴカイだったかミミズだったかを餌にした糸を垂らして、ゆらゆらゆれる水面を見ているとすぐに船酔いしてしまうのだが、それでも二度ほど行って、どっちも大漁だった。
魚は船宿で刺身や天ぷらにしてもらって、冷や酒をグビグビやるのだ。
食いきれない魚は行きつけの居酒屋に持って行った。
いや、そうじゃない、Oさんじゃないのだ、鯨は。
その職場にはOさんのほかにKさんという先輩もいた。
酒が強くて民謡が玄人ハダシでちょっとスケベな先輩だ。
Kさんと僕は同じ独身寮に入っていたから、僕の日勤の時などは「5時過ぎに待ってっから」とKさんが、駅前のホームラン軒という居酒屋に誘ってくれた。
一日汗をかいて、明日のことを思い煩う何ごともない、まだ日が高いうちに、涼しくなった風を背に受けて、暖簾をくぐる。
この快楽を教えてくれたのが、Kさんだった。
壁一面にメニューがいろいろ書きだしてあるのを、ワクワクしながら物色していると、「はいよ、これでまず」と出してくれたのが、鯨赤身の刺身、小丼に大盛りで、どんと、金華山沖で上がったのだろうか、生きがよくて、口のなかでぴくぴく動いて、、は、いなかったが長野の山猿は、これがあの鯨と同じものかと、そのウマさに驚いた。
冷たいビール、キリン全盛だったか、をグイグイ飲んでいるうちに、Oさんも参加して盛り上がることもあった。
そうだ、つながった!
Oさんが、「釣りさ、あえべ」と誘ってくれたのはホームラン軒で呑んでいる時だった。
その後、渋谷の「くじら屋」とか新宿の「樽一」とか、いろんな鯨を食べて、それはそれでうまかったが、あの駅前の、方言が飛び交う居酒屋で、暮れなずむ往来を背中に食った鯨の味には、二度と会えなかった。
懐かしい思い出の後、口汚しになるけれど、東京アラートが解除になったのを記念して、日本のインチキいろいろ。
まずは露払い、お勉強熱心な河野おぼっちゃま。
河野防衛相、2次補正審議中に「勉強」
— 但馬問屋 (@wanpakuten) June 10, 2020
資料には戦闘機や無人機らしき写真も入っており、安全保障関連の資料とみられる。質問者や答弁者に顔を向けたり、配布された議事資料に目を通したりすることは、ほとんどなかった。
…コロナ禍中、国民のことより自分のことだけ💢 https://t.co/5zcr1W2TtZ
勉強なんてしてもしょうがないぞ、東大出なんかみんなバカばっかり、勉強しなかった俺の家来になって俺のご機嫌伺いで懸命だぞ、と首領様のお出まし。
「プロセスはどうでもいい」というスタンスを徹底してますね。
— 布施祐仁 @『日報隠蔽』(集英社文庫)4/17発売 (@yujinfuse) June 11, 2020
コロナ連絡会議の議事概要 首相発言、記載なし - 毎日新聞 https://t.co/W6i5FsPmRO
俺のいうことを聞いていれば、悪くはしないぞ、わかるだろう、ほれ、これみろ。
山口敬之に月80万円支払い「OKWAVE」社外取締役に安倍首相と親密な女性実業家! 経営企業で安倍政権が推進する“性暴力電話相談”を受注 https://t.co/vjFua8M5lk
— litera (@litera_web) June 10, 2020
仲良くして、一緒にウマいもの食おうや、なに、心配するなって、金は国民から吸い上げる、それがグルグル回るってわけさ。
これ・・・マジで。声を大にしていいたいが、日本の皆さん、怒ったほうがいいよ。20億円が中抜きされてたことを隠すための、1日工作だった訳。日本の納税者、議員、メディアが、いかにこの政権とそのオドモダチにバカにされてるが、いい加減気づく良い機会じゃない?皆の命・健康・暮らしに直結してる https://t.co/5hkuENSqcM
— 舩田クラーセンさやか Sayaka Funada-Classen (@sayakafc) June 11, 2020
渋谷の鯨やに小さい頃から連れて行かれて、
生はあの店の味しか知りません。
あ、寿司屋で食べたミンククジラがあったか、、
給食で鯨をたべたのは唐揚げだったかな?
親方がとつぜん亡くなったのがもうずいぶん前のこと、息子があとを継ぎましたが今もやっているかな。
半分ほど融けたところを食べました 真っ赤な血がお更に・・
それとネギなどと煮たもの いま思えばすき焼き風ってことかも
どちらも堅くてどうにもならない太い筋が口に残りました
美味しい印象は無いですねー
そのためか今も食べたいとは思いません
浪江には今でも行くことがありますか?
行けますか?今日の記事のKさんは、原の町の出身、ふたりで海岸の岩の上で波を見ながら一升瓶を傾けましたよ。
うれしいお馳走です シリーズを楽しみにしております
東京都知事の巨大権力の源泉は,埋め立て地などの広大な
不動産、築地の跡地も垂涎の的。 ユリコの「ジョージ
ソロス氏の私邸で寛ぐ二人の写真」を見てぞぞぞ亢進。
給食に出てきたのを食べたくらいですね。
鯨といえば、私も小学校時代の給食をまず思い浮かべますが、昭和40年代でしたが、それなりに私は美味しく食べた記憶があります。家では出なかったので物珍しさもあったかもしれません。
会津も美味しいものがたくさんありますが、やはり浜通りの新鮮な魚類はうらやましいと思います。
夫は子どもの頃、友人たちとワラビを採って大人に買ってもらい、そのお金で近所の店で初めて鯨の缶詰を買ってみんなで食べたそうです。
会津では鯨の脂身の部分をじゃがいもと煮る味噌汁を食べます。
新じゃがの採れる暑い夏の盛り、精もつけるためでしょうね。
後半の「口汚し」との対比が際立っておりますです。ワタクシ、危うくカメレオンになりかけました。シュルルルッ(←舌を巻く音)
町の肉屋さんへ鯨のカツを買いにお使いに行った覚えもあります。嫌いということはありませんでした。