「天、共に在り」ペシャワール会報が届いた

朝、ベランダに出ると「ちゅちゅぴ~ちゅちゅぴ~」とはしゃいだ歓迎の声、あれは四十雀かな。
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きのう、横断歩道を渡ろうとしたら、左側から身体をかすめるように自転車が走り抜けた。
右側通行の自転車、僕が右を見て左を見て、もう一度右から来る車がちゃんと止まるのを確認して歩きはじめるまでの、老人特有のまだるっこしい時間に、どこかから飛び出してきたのだ。「ごめんなさい!」大声で叫んで過ぎ去ったのは大柄な白人だった。
あ、飛沫!思わずマスクと帽子と眼鏡と長袖の「装備」と白人がマスクをしていたことを確かめた。
道を渡り終えてしばらくしてから、自転車とぶつかったらエライことになっていたということに気づいた、渡る世間は鬼ばかり。
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40年近く前に書かれた「色即是空の研究」に、「日本人の発展途上国に対するボランティア活動は世界全体から見ると、いちばん消極的だといわれている」とあって「山西省のものすごい山の中で、25年間医療伝道をつづけていた神父が獲得した信徒はわずかに二名だったが、これを大変に神に感謝していた」話などを書いて、それに続けて
日本人にはまずそういう人はいない。なぜか、こういうことに意義を見出す人はあまりいないのである。ただし、日本人はいわゆる縁のあるところでは、この種の活動を一生懸命やっている。いわば「会社内ボランティア」というべきものだが、同じ会社の人間どうしは、さまざまな助け合いをするのが当然だとするのがこれだ。
とある。
たしかに、そういうところはあるなあ、でも中村哲さんのような人もいるし、会社社会の在り方も40年前とはだいぶ違ってきたかもしれない。
引っ越し手伝いとかはやらなくなったなあ、などと考えて、この話にきのう書いた「恩返し」の話をくっつけて書こうかと思っていたら、中村哲さんのペシャワール会報が届いた。
共時性である。
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ペシャワール会の活動は「中村先生の希望を引き継いでいきます」とペシャワール会の会長とPMS(平和医療団・日本)総院長を引き受けた村上優氏の巻頭挨拶に、これから困難に直面した際には、中村先生のこれまでの対応から学ぶところから始めます、とあって、先生の著書『天、共に在り』のなかの、ガンベリ砂漠に水を引いたあとに書かれた一節をかみしめているとある。
小高い丘から望むと、砂漠に囲まれる緑の人里は、壮大な天‣地・人の構図だ。厚い防砂林の森が、砂漠と人里とを、くっきりと分けている。過酷な自然の中で、人間は身を寄せ合って生きている。生殺与奪の権を持つ大自然を前に、つつましく生命を営む様子に、改めて「天、共に在り」という実感と、安堵を覚えるのである。自然は喋らないが、人を欺かない。高く仰ぐ天が、常にあることを実感させる。絶望的な人の世とは無関係に、与えられた豊かな恵みが在ることを知らせる。
間違えながらポツポツと入力していると、目で読み過ごしていた文章の力、中村哲の自然と人間を観る思念のスケールの大きさを感じることができる。
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会報の最後に、中村哲が2019年9月に川崎市で行った講演の記録①が載っている。
そのなかの一節も紹介しよう。
私たちが35年間守ってきた一つのガイドラインは、その地域の文化や宗教につきましては、それを良い悪いということで裁かないということでした。私たちの方針として守ってきました。私たちは決して現地に社会改革に行ってるのではありません。人々の命をいかにして守るかということに苦心してきたのです。
外国人が犯しやすい過ちは、自分たちが見慣れないものを見ると、つい自分たちの物差しでもって、違いがあるものを良い・悪い、それから遅れている・進んでいる、劣っている・優れているという目で裁いてしまう。このことが現地で外国人が住みにくい条件を作ってきた。トラブルも起きやすい。私たちとしましては、命ということを中心として、仕事を進めてきました。
淡々とした言葉だが、その背後には、タリバンを悪いもの、遅れているもの、劣っているものとしてテロと断定するアメリカやその手先になっている日本に対する怒りが沸々と湧いているのを感じる。


Commented by doremi730 at 2020-05-08 13:00
危なかったですね~!
私が2年半前に自転車にぶつかられて
外傷性急性くも膜化出血と硬膜下血種と
頭蓋骨骨折やって、半年近い療養でしたもの!
亡くなった方もいますので、コロナと同様
お気をつけくださいね。
Commented by りんご at 2020-05-08 13:13 x
こういう観点を把持し実践された中村哲氏が眩しいです
私は無意識に瞬間に「裁く」をして生きていると思います
読ませて頂く間は心が平らになるのに 小鳥の声が可愛い
朝夕は庭で食事をしますが、必ず何方かが来て歌ってくれます

Commented by Deko at 2020-05-08 13:29 x
こんにちわ
暴走してくる自転車が時々あり他人は右車は左を守っている人も少なく決まりでは自転車は車線走行、車道を走行するのも危険自転車も人もルールを守って共存ですね。ぶっかったりしたら大変なのでご用心くださいね。日本人の大多数は宗教とは無縁 キリスト教信者の方も少数 宗教=冠婚葬祭 奉仕の精神が育めない土壌なのでしょうか。
Commented by tsunojirushi at 2020-05-08 13:51
とても大事なことが引いてくださった箇所に沢山書かれています。ありがとうございます。
前半の中では、「自然は喋らないが、人を欺かない。」という言葉。
後半の部分に思うのは、最近ずっとかんがえている「独善」ということ。「よかれとおもってやっている」が実はもっとも性質が悪いと感じます。悪意は持っていないかもしれないが、基準を押し付ける。純然たる悪気は確かに無い、ので、問題に気づけない。悪意よりもこいつは難敵です。
引いてくださった部分は、それが看破されている言葉でした。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-08 14:15
> doremi730さん、奇跡的に助かったのでしたね。
だから、強いのですね。
若い人も亡くなりますよ。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-08 14:18
> りんごさん、やあ、いいなあ!
鳥の声を聞きながらの庭ごはん。
私は遠くで揺れる木を見ながらの朝飯、それでも窓があって外が見えることに感謝です。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-08 14:20
> Dekoさん、たしかに私も知っている人に出すお金のほうが惜しくないです。
ケチでもあるけれど。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-08 14:22
> tsunojirushiさん、大きな心と核心を見抜く力がある人の言葉ですね。
Commented by たま at 2020-05-08 17:13 x
 始終カラカラと鳴くから「シジューカラ」という説もあるようです。ちょうど付近の巣箱の中では、卵からヒナがかえって騒々しい頃かと。
 紫の花でも白の花でも、名前は同じ「シラン」(紫蘭)かしら?
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-08 18:18
> たまさん、そうかしらん、いつも外にいるから始終空というのは漫才のネタでした。あれは誰だったか?
Commented by at 2020-05-09 07:02 x
『雑排』に初五は忘れましたが、私のサイフは しじゅうから、ってありましたね。
可愛い鳴き声。それでいて威容を誇るふうもあります。
生きとし生けるもの、すべて尊厳があるんでしょう。
Commented by よっしー at 2020-05-09 08:18 x
天国の中村さんは、今の日本をどう思っているでしょうね(嘆)
Commented by j-garden-hirasato at 2020-05-09 08:50
都会でシジュウカラですか。
近くに、緑地帯があるんですね。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-09 09:09
> 福さん、しじゅう鳴いてもいるのですね。
道端の小さな花もよく見ると尊厳を感じます。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-09 09:10
> よっしーさん、この大事なときにちっともしゃんとしないなあ、とがっかりしてるのかな。
Commented by saheizi-inokori at 2020-05-09 09:13
> j-garden-hirasatoさん、わりに樹の多いところです。
私のマンションの前の家にはウグイスが棲んでいたそうです。
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by saheizi-inokori | 2020-05-08 12:27 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(16)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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