アベや専門家会議は狂時性の世界の住人なのか&「共時性の深層」(2)
2020年 04月 23日
ふたたび、共時性について「共時性の深層」(老松克博)から。
唯識論の啓もう書を読んだときには、寄せる海の波が喩えに使われていたような記憶がある、どのような意味合いであったかを思いだせないけれど。
永遠と無辺が折り込まれているから、そこに超常現象も起きるし、臨死の肉親が枕元に立ったりもする。
因果律の世界観では説明できない不思議な現象。
不思議だけれど、「just―so-ness」、「だってそうなのだもの」「まさにそうであるほかはない」「非因果的な秩序性」があるのだ。 どういう人に共時性現象が発生しやすいか。
「心的水準の低下(ユング))」=意識の無意識に対するコントロールが弱まった状態、「感情が強まっている場合(ボーレン)」、ミンデルは、誕生、転職、死などのライフイベントや心理療法などとの関係が深いといった。
瞑想や祈りによって、意図的に心的水準の低下を作り出すこともできる。
ユング派の行うアクティヴ・イマジネーションという分析技法も瞑想の一種であり、共時的現象が発生しやすい。
筆者は、トラウマを抱えている人、てんかん症、発達系(人格系と対をなす概念・傾向)=「今ここ」に集中する、衝動的、爆発的、本能的、反射的、飛躍的、、宮澤賢治、斎藤茂吉、南方熊楠、ルイスキャロル、ドストエフスキー、ガウディ、田中角栄、、のような人も共時的現象を經驗しやすいという。
そして、共時性の元型的な基盤=神話上のモデルとしてスサノヲをあげる。
どうしてか?以下の赤文字がそれを証する特徴だ。
スサノヲはイザナギによって、海原を治めるように命じられたのに、「鬚が胸元まで伸びるほどになっても、(母イザナミに会いたいと)激しく泣いているばかり」、これは、「母親との密着を見せて発達を拒む」発達系の特徴が濃厚。
スサノヲが姉・アマテラスに会いに行ったときのふるまいで「世界に災厄が満ちあふれる」ことからスサノヲと「世界との融即」「世界との無媒介の関り」がある。
スサノヲの移動に伴って世界が震動するのは「全身の痙攣」を連想させる。
高天原では「吾は邪き心なし」と言い放ち、無垢で無邪気だが、これは「中心気質」とよばれる。
占いに勝ったといって(勝ちさび)、圧倒的な高揚感のなかで激しい破壊活動をして、その衝動性はとどまらない。
屎尿を撒き散らすなど「ぐちゃぐちゃ大好き」、まさに祝祭的、非日常的な状況を生きて、「イントラ・フェストゥム」であり、内界がストレートに下界に表出される、「受け身の外向性」。
スサノヲの性的なふるまいとなった対象であるワカヒルメは、姉アマテラスの像と分化せず、母親イザナミへの強い思慕とも重なる、ここに「原初的エロス」が見られ、同時に母親から見捨てられた「トラウマの存在」も暗示される。 高天原で撒き散らした罪と穢れをいっさいがっさい背負って落ちのびていくスサノヲは、移動が大好きで放浪の旅に出たがる発達系の特徴そのまま(スサノヲは民俗学的には、定住社会の外側にいて、ときに幸いを携えて訪れては罪穢れを持ち去る、漂泊の芸能民や旅の宗教家の原像とされている)。
明日をも知れぬ生とともにあるその特徴的な宗教性は、「今ここ」に集中している発達系のそれである。
葦原中国でスサノヲは巧妙なトリックを用いて八岐大蛇を退治する。
共時性にはトリックスターが活動するのだ。
クシナダヒメを救ったときに詠んだ歌は我が国最初の和歌とされる。
芸術的才能を迸らせることも発達系の特徴、老松いわく「童謡(わざうた)の人」。
その後、スサノヲは行方をくらまし、七世の孫・オホナムヂ(のちのオオクニヌシ)が送り込まれた根の国で、怪物的な主宰神として君臨していることが判明する。
高天原、葦原中国、根の国(夜の国)と、底知れぬ奈落をやすやすと超え、その前とはまったく異質な状態や境位をもたらす。
まったく別の時空に非因果的に遷移する。
この予測しがたい飛躍が生じる「今ここ」には、あたかも過去と未来、近くと遠くが折り重なっているかのようである。こうした階段状の変貌ぶりは本質的に不合理であり、それ以前の何らかの原因の結果として理解するのは難しい。やはり共時的な性格を持つ変容と考えるべきではなかろうか。 スサノヲをめぐる共時性の話は、クライマックスに向かうのだが、今日はもうここまでにしたい。
ちゃんと10本指のブラインドタッチを身につけておくべきだったとつくづく思う。
ポツリぽつりは疲れます。
慶応病院で、コロナ感染ではない他の病気の入院患者のPCR検査をしたら、67人中4人(5・9パーセント)が陽性だったというニュースは衝撃的だ。
単純に比例計算すれば、、僕の住む世田谷区でも6万人が感染している!
岩田健太郎氏は
東京都がまいにち公式に発表する累計3439人の世界があって、6パーセントが感染している世界があって、アベや専門家会議が今ごろ10の注意などとのんびりしたことを言っているけれど、あいつらは、累計350人くらいのもう一つの世界に住んでいるのだろうて。
狂時性だ。
時間と空間が相対化される共時性現象はいつ現れるか。この「皺が寄るかのように集められて畳みこまれる」という表現が、なんとなく量子論「的」な感じがする。
それは「今ここ」への集中に現れる。
永遠と無辺、過去と未来が、遠くも近くもが、今ここに収斂する。
時空の痙攣発作にも譬えられ、深い宗教性を帯びる。
「今ここ」という一点に皺が寄るかのように永遠と無辺が集められて畳みこまれていく。
そこでは、いっさいがっさいが一つのネットワークを成し、意味の網の目をかたちづくる。
唯識論の啓もう書を読んだときには、寄せる海の波が喩えに使われていたような記憶がある、どのような意味合いであったかを思いだせないけれど。
永遠と無辺が折り込まれているから、そこに超常現象も起きるし、臨死の肉親が枕元に立ったりもする。
因果律の世界観では説明できない不思議な現象。
不思議だけれど、「just―so-ness」、「だってそうなのだもの」「まさにそうであるほかはない」「非因果的な秩序性」があるのだ。
「心的水準の低下(ユング))」=意識の無意識に対するコントロールが弱まった状態、「感情が強まっている場合(ボーレン)」、ミンデルは、誕生、転職、死などのライフイベントや心理療法などとの関係が深いといった。
瞑想や祈りによって、意図的に心的水準の低下を作り出すこともできる。
ユング派の行うアクティヴ・イマジネーションという分析技法も瞑想の一種であり、共時的現象が発生しやすい。
筆者は、トラウマを抱えている人、てんかん症、発達系(人格系と対をなす概念・傾向)=「今ここ」に集中する、衝動的、爆発的、本能的、反射的、飛躍的、、宮澤賢治、斎藤茂吉、南方熊楠、ルイスキャロル、ドストエフスキー、ガウディ、田中角栄、、のような人も共時的現象を經驗しやすいという。
そして、共時性の元型的な基盤=神話上のモデルとしてスサノヲをあげる。
どうしてか?以下の赤文字がそれを証する特徴だ。
スサノヲはイザナギによって、海原を治めるように命じられたのに、「鬚が胸元まで伸びるほどになっても、(母イザナミに会いたいと)激しく泣いているばかり」、これは、「母親との密着を見せて発達を拒む」発達系の特徴が濃厚。
スサノヲが姉・アマテラスに会いに行ったときのふるまいで「世界に災厄が満ちあふれる」ことからスサノヲと「世界との融即」「世界との無媒介の関り」がある。
スサノヲの移動に伴って世界が震動するのは「全身の痙攣」を連想させる。
高天原では「吾は邪き心なし」と言い放ち、無垢で無邪気だが、これは「中心気質」とよばれる。
占いに勝ったといって(勝ちさび)、圧倒的な高揚感のなかで激しい破壊活動をして、その衝動性はとどまらない。
屎尿を撒き散らすなど「ぐちゃぐちゃ大好き」、まさに祝祭的、非日常的な状況を生きて、「イントラ・フェストゥム」であり、内界がストレートに下界に表出される、「受け身の外向性」。
スサノヲの性的なふるまいとなった対象であるワカヒルメは、姉アマテラスの像と分化せず、母親イザナミへの強い思慕とも重なる、ここに「原初的エロス」が見られ、同時に母親から見捨てられた「トラウマの存在」も暗示される。
明日をも知れぬ生とともにあるその特徴的な宗教性は、「今ここ」に集中している発達系のそれである。
葦原中国でスサノヲは巧妙なトリックを用いて八岐大蛇を退治する。
共時性にはトリックスターが活動するのだ。
クシナダヒメを救ったときに詠んだ歌は我が国最初の和歌とされる。
芸術的才能を迸らせることも発達系の特徴、老松いわく「童謡(わざうた)の人」。
その後、スサノヲは行方をくらまし、七世の孫・オホナムヂ(のちのオオクニヌシ)が送り込まれた根の国で、怪物的な主宰神として君臨していることが判明する。
高天原、葦原中国、根の国(夜の国)と、底知れぬ奈落をやすやすと超え、その前とはまったく異質な状態や境位をもたらす。
まったく別の時空に非因果的に遷移する。
この予測しがたい飛躍が生じる「今ここ」には、あたかも過去と未来、近くと遠くが折り重なっているかのようである。こうした階段状の変貌ぶりは本質的に不合理であり、それ以前の何らかの原因の結果として理解するのは難しい。やはり共時的な性格を持つ変容と考えるべきではなかろうか。
ちゃんと10本指のブラインドタッチを身につけておくべきだったとつくづく思う。
ポツリぽつりは疲れます。
単純に比例計算すれば、、僕の住む世田谷区でも6万人が感染している!
岩田健太郎氏は
東京都の感染者は良いシナリオで23万人以上、悪いシナリオで450万人以上ということになる。布マスク程度の防御で込み合った電車に乗るなどありえない、、、家にいなければならない。とツイートしている。
慶応のPCR6%の意味 https://t.co/1TIY5jCUrz
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) April 22, 2020
東京都がまいにち公式に発表する累計3439人の世界があって、6パーセントが感染している世界があって、アベや専門家会議が今ごろ10の注意などとのんびりしたことを言っているけれど、あいつらは、累計350人くらいのもう一つの世界に住んでいるのだろうて。
狂時性だ。
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doremi730 at 2020-04-23 20:00
スサノヲをこんな解説で面白く読めて感謝!
愛おしくなりました。
義母が臨死と知らず、全く同じ時間に同じ経過と
同じ痛みを経験したのも、共時性?
詳しくお話して、謎を解いてほしくなりました。
慶応の6%は他病院も同じかもっとなのでしょうね。。
愛おしくなりました。
義母が臨死と知らず、全く同じ時間に同じ経過と
同じ痛みを経験したのも、共時性?
詳しくお話して、謎を解いてほしくなりました。
慶応の6%は他病院も同じかもっとなのでしょうね。。
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りんご
at 2020-04-23 20:32
x
渦の中にいる今の時、このような論考を読ませて頂け感謝!
マテラの廃墟や朝4時に気球に乗って別れに来た伯母のことや
別の時空に非因果的に遷移するスケール等をぐるぐる想い乍
(すり抜ける)シッポを掴もうと何度も読み返しております
マテラの廃墟や朝4時に気球に乗って別れに来た伯母のことや
別の時空に非因果的に遷移するスケール等をぐるぐる想い乍
(すり抜ける)シッポを掴もうと何度も読み返しております
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koro49 at 2020-04-23 20:51
私も感染者数だけ発表することは間違いと思っています。
問題は陽性率だと山中教授も話していますし、それもPCR検査が増えればもっと増加するといいます。
ドイツは7%、韓国3%といいますから、東京の危機的状況は明らかだし、それは地方にも波及してますね。
県内は幸い収まっていますが(感染経路は把握)、これが人の移動であっと増えるのは明らか。
動かないことが一番ですね。都会の人たちには大変なことだと思いますが。
↓パンを捏ねるのは、最近は餅つき機でやっているのです。
楽チン^^。
問題は陽性率だと山中教授も話していますし、それもPCR検査が増えればもっと増加するといいます。
ドイツは7%、韓国3%といいますから、東京の危機的状況は明らかだし、それは地方にも波及してますね。
県内は幸い収まっていますが(感染経路は把握)、これが人の移動であっと増えるのは明らか。
動かないことが一番ですね。都会の人たちには大変なことだと思いますが。
↓パンを捏ねるのは、最近は餅つき機でやっているのです。
楽チン^^。
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Deko
at 2020-04-23 21:18
x
こんばんわ
今どきの若い方はスマホに慣れてパソコンのブラインドタッチは苦手なようですね。こんなに長い文章を書かれているのですらすらパソコンを操っておられるのだろうと思っていました。慶応病院の結果は衝撃的 専門家会議は何を話しあっているのでしょう。トツプの顏が?こんな状況でもツツジやサツキがきれいに咲いていますね。
今どきの若い方はスマホに慣れてパソコンのブラインドタッチは苦手なようですね。こんなに長い文章を書かれているのですらすらパソコンを操っておられるのだろうと思っていました。慶応病院の結果は衝撃的 専門家会議は何を話しあっているのでしょう。トツプの顏が?こんな状況でもツツジやサツキがきれいに咲いていますね。
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たま
at 2020-04-24 00:05
x
タバコを辞め、青空に向かって深呼吸したとたんにコロナ肺炎・・・という悪夢。この際、繰下げ中の老齢厚生年金、早速に受給開始手続きを準備しようかと。
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saheizi-inokori at 2020-04-24 07:44
> doremi730さん、それは共時性なのでしょうね。
スサノヲは可愛げがありますね。
スサノヲは可愛げがありますね。
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saheizi-inokori at 2020-04-24 07:48
> りんごさん、私は蛇が嫌いで夢に出てくると悲鳴をあげて目を覚ますのですが、本書を読んでいるあいだに夢でみた茶色の蛇は平然とみて、ああ、これからこれを食うのかなと思っているのでした。なんでしょうかね。
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saheizi-inokori at 2020-04-24 07:49
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saheizi-inokori at 2020-04-24 07:56
> Dekoさん、スマホでも目にも止まらぬ速さで打ち込む若者、天才かとおもっちゃいますよ。
専門家も政治かも間違っていたことを認めないから混乱がひどくなります。
人気のない夕方に散歩するのですが、いつもなら輝いてみえる花が寂しげです。
専門家も政治かも間違っていたことを認めないから混乱がひどくなります。
人気のない夕方に散歩するのですが、いつもなら輝いてみえる花が寂しげです。
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saheizi-inokori at 2020-04-24 07:57
by saheizi-inokori
| 2020-04-23 13:34
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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