海図なきアベ政権の新型コロナ対策

現役時代、大きなプロジェクトに取りくむときは「絵を描く」ということをした。
チームのみんなが集まって、リーダーが白紙を持ち出す。
まず、プロジェクトの目的をはっきりさせて真ん中に大書する。
目的によっては、幅を設けることも必要だ。
これが大事、あんがいないがしろにされて、「やればいい」「○○(たとえば本社)がいうから」「年度計画にあるから」、、そんな感じで漫然と取りかかってしまうと途中で何をやっているのか分からなくなってしまう。
次に目的を達するための手段・方法をとりあえず思いつく限り書き上げ、相互の関連も議論して図解する。
それを行うために障害となっている・なりそうな事柄を思いつく限りリストアップする。
それらを打開するためにやらなければならないことを明らかにして時系列のスケジュールに落とし込む。
やらなければならないことが多くて、すべてを解決できそうもないときは(ほとんどがそうなのだ)、なすべき優先順位を決める。

そのうえで事態の進展をさまざまにシュミレーションして多様かつ具体的なスケジュールを作っておくことが求められる。
相手があったり制約の多い中でやる場合、難航することが多いけれど、当初の「絵」がよく考えられて、それをチームのメンバーが共有していれば、なんとか目的を達することができるのだ。
想定外の進展に見舞われても、どこが想定外で、それをどういう手順で打開すべきかがワンチームで取り組める。

プロジェクトの内容が緊急性を帯びていたり事態の進展の予想がつかないような場合、このような絵を描くいとまのないまま、とりあえず何かをしなければ手遅れになるようなことがある。
その場合であっても、僅かな時間であっても、現状(判明していること)をチームで把握して、とりあえず行うことの目的を明らかにすることは絶対に必要だ。
そして、とりあえずのことをしながらであっても、今後の展開を想定して大きな目標を設定し、そのための「絵を描く」ことが急がれる。
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横浜に停泊中のクルーズ船に対する政府の対応は、まったく「絵」を描かないままに、場当たり的に、いわば「海図なき航海」に乗り出したかのようである。

コロナウイルスで発症した人が下船したあと、横浜沖で数日客たちはダンスをしショーを見て、マージャンも楽しんでいた。
それぞれが14日間自室を出ることを禁じられて、すでに一週間近くなって、客たちの「薬が切れた」「熱があるのに診て貰えない」「情報がない」「パニックになりそうだ」などの悲鳴や怒りが伝えられる。
きのうの首相動静を見ると安全保障関係のトップたちとの会議が二度にわたって行われたようだ。
一部の客を下船させるという方針転換も仄聞する。
3700人という客すべての検査ができるかどうか、やるつもりがあるのかどうか、今だに明らかにならない。

いっぽう国内では、高熱などで医師すら新型コロナ罹患を疑う人たちが、湖北省縛りという頑な国の規制によって、検査すら受けられない。
ぼくが新型コロナにかかっても、それを知ることも出来ないというわけだ。
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「なんのためにクルーズ船の客が上陸することを拒否したのか」「14日間の自室隔離の目的は」「隔離したらどういう問題が生じるか、それにどう対処するか」、、大きな目標から派生した小さな問題ごとにやるべきことおよび責任箇所を明らかにして仕事を進める。
3700人の検査が必要になるということすら予想もせずに14日の隔離を決めたなんて信じられない。

なんだか、国内における日本人の発症者の数(公表される)を抑え込むことだけが目的とすら思えてしまう。
または、敢えてドタバタして、だから憲法を改悪して「緊急事態条項」を新設しなければならないという世論を喚起しようとしているのか。
憲法の条文をどういじっても無能・怠惰な政府が突然変異するはずもない。
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和泉という君側の肝と官費で不倫海外旅行をしたことがばれた大坪なる厚労省幹部が「医師としてコネクティングルームに泊った」とバカげた弁明をする、四回だぜ、外務省の役人が国会でそんな答弁をする日本!。
パニックよりも暴動を恐れないのか!アベ政権。

NHKの世論調査で、政府の支持率がわずかながら上り、その新型コロナ対策を評価する人も多かった。
政府のやってる感だけを前面に押し出し、問題点を指摘しないNHKの報道だけを見ていれば、そう思うのも当たり前だ。
昔は「民法はいい加減で、NHKだけが中立でほんとのことを報道している」と信じ込んでいる人が多かった。
今でもそういう人がいるのかと思うとなんだか力が抜ける。
北村大臣みたいな人を「だけどあの人はいい人」といって投票するような人、「古き善き日本人」がいまだに多いのだ。

Commented by eblo at 2020-02-11 13:45
現政権は、村や小さな町と同じ程度のことばかり。顔役が集まって酒盛りで楽しんで、災害が起きればアタフタ自分たちだけ逃げ出す。後のことはお上にお任せ、国にお上はいないのに。
一億以上の国民がいる国で5000人弱の検査が何故さっさとできない。何を隠していることやら。国民の健康より大切なことがあるのでしょう、彼らだけが知っている大切な悪事が。
Commented by saheizi-inokori at 2020-02-11 14:21
> ebloさん、やろうとして出来ないのではなく、なにも考えてなかったというのが恐ろしい真実です。
Commented by soymedica at 2020-02-11 17:07
PCRやる病院や検査会社って限られていますからねえ。そして検体の取り方いかんでは偽陰性が結構でるし。
PCRできるところの数はCTやMRI撮れるところの数よりずーーーっと少ない…。
Commented by そらぽん at 2020-02-11 17:25 x
「当初の絵がよくできて メンバーに共有されていれば。」

微調の感覚で日本本社から飛んできたトンデモ戦略を 既に
始動の海外の社員に説明した日の ばかジャパ~ンの合唱。。
佐平次さんのような上司の元で鍛えられた社員は幸せですね!

「コロナウィルスの迅速検査キット開発に成功。8-15分で検 査結果が出る。米国CDCの検査キット開発より5日早い」

 25年前だったら これは日本のことと思ったかも 
 世界の常識CDCさえ作らない 犯罪者政府はオール廃棄だ!  
Commented by saheizi-inokori at 2020-02-11 17:34
> soymedicaさん、そういうことは今に始まった話でないはずではないかな。
クルーズの3700を隔離した後、どのように事態を収拾するつもりだったのか、国内にこれから蔓延するかもしれない検査対象にどう対処するつもりなのか、なんだか自然に収束することを神頼みしているみたいです。

Commented by saheizi-inokori at 2020-02-11 17:37
> そらぽんさん、CDCどころか、感染研の予算や人員を削減してきたというのですから!
その一方で加計を設立、ちぐはぐですね。
Commented by soymedica at 2020-02-11 18:01
クルーズ船のことは知りませんが、市中に蔓延してしまった時にはこの前の新型インフルの時と同じ方法で行くのだと思います。(幸いなことに結局実行に移すところまでは行きませんでしたよねえ)。

最終的にはとても悲しいことに、自然終息を神頼み、というのは(日本に限らず)当たっているのじゃないかな、と思います。
Commented by saheizi-inokori at 2020-02-11 22:36
> soymedicaさん、この前の新型インフルのときの方法というのを知りません。
過剰反応も含めて日本がパニックにならなければいいのですが。
Commented by tona at 2020-02-12 09:58 x
「古き善き日本人」・・善いがついても古いが問題ですね。
お金で繋がっている地方政治家と選挙民の延長。決して民主的ではないとも思ってしまいます。
時々個人的に楽しいことを考えなくては。
Commented by saheizi-inokori at 2020-02-12 15:07
tonaさん、村八分を恐れ異説を吐くことをしない、集団のためと称して個人の権利をないがしろにするのが、イイ人と見なされるのは民主主義とは遠く離れていますね。
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by saheizi-inokori | 2020-02-11 12:38 | 責任者を出せ! | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori