銀座で居残り会

きのうは、かつてのブログ仲間の田中みづほさんの「孵化・最初の嘆息」という個展を観に銀座奥野ビルに行った。手動のエレベーターに乗って、ガチャガチャと二重のドアを開け閉めして、さあ降りようとしたら、地下には行かないのでがっかり。
小さな部屋がみっつ、あとで訊いたら先にこの部屋を見てから作品の構想ができたという。
入口手前の小部屋の奥にちょっと穴倉のようなスペースがあって、そこで何かが孵化していた。
座ると立ちあがるのに一苦労する黒い椅子にすわって、動いていない蠢きを観た。次の少し広い、明るい部屋の床一面に別の孵化が見られた。やっと生まれてきても、食べるものを探さなくてはならないし、敵の襲撃をかわさなくてはならない。
あ～あ！最初の嘆息だ。
みづほさんの話に「そうだね、環境悪化もあるしね」とぼく。
奥の小部屋には貝や木片など埋蔵されていたものをモチーフに小さな作品が壁に数点飾られていた。ブログを始めた頃、みづほさんや酔流亭夫妻や髭さん、ナオちゃんなど数人とオフ会を作って、なんどか飲み食い（主として蕎麦）したのは、楽しかった。
お互いに長い長い、それをぼくはフンドシと呼んだのだが、コメントが応酬されて、それが励みになってブログを続けられたのではないかと思う。
来る人あれば去る人ありで、長い交流のあった人がブログをやめたり、気が変わったりして（なかには誤解もあったりして）、行き来がなくなるのはやむを得ないことではあるが、寂しくもある。
それだけにみづほさんが、以前より元気のある作品をエネルギッシュに製作しているのを知って嬉しかった。そのあとは、歌舞伎座の裏の「球磨川」で居残り会の新年会。
少し時間があったので、歯ブラシ屋を丁寧に見たり、洋服やは敬遠して、とてもソソラレル寿司屋を撮ったりして、歌舞伎座の向い側の道をぶらぶら。弟が大学受験のときに、僕の寮の部屋に泊った。
よくもあんなに汚い部屋に、と思うほどの古い部屋だったが、シーツだけはクリーニングに出してパリパリ、たしかぼくが押入れに寝て弟は畳に寝かせたように記憶しているけれど、もしかすると逆だったかもしれない。
それで、無事合格したので、お祝いに二人で歌舞伎座の一幕を観たのだが、そのときに、弟がお礼の気持ちだろう、歌舞伎座の前にあったパイプ屋でパイプを買ってくれた。
そのパイプやを探すともなく探したのだが、みつからない、やめてしまったのだろう。
岩手県のアンテナショップに入って、鮭や牡蠣などの燻製のサンプルセットを六つ買って、新年会の皆さんにお年玉とする。６時ぴたりくらいに全員そろって乾杯。
マスターがずいぶんサービスしてくれて賑やかに飲み食い。

特筆すべきことは、ラインに居残り会のグループ登録を完成させた。
出来てしまえば簡単なのだが、忖度ということを知らないスマホ、とくにＩさんのスマホが格安のせいかみんなが招待しても、許諾する場面にいたらないので、「どれどれ貸してみて」「そんなはずはない」などと手伝うけれど、強情に云うことをきかない。
とうとう、というほどのことでもないが、Ｉさんのほうからグループを登録してみんなを招待する。
するとこんどはぼくの方がヘンなことになって、、まあ、子どもみたいにスマホ騒動。

映画「パラサイト　半地下の家族」の話題より、ラインが主役になってしまったが、まあ、なんでもいいのだ、楽しく飲んで食べて笑えば。
けさは、ツイッターが昨日から動かない代わりに、皆さんのラインが賑やかだ。