出来るうちが花 映画「リチャード・ジュエル」

天気予報があたった、さっきまでの小雨が雪に変わったようだ。
つい二三日前にやったばかりと思うが、一週間が過ぎて大掃除の日だ。
時の過ぎるのは早くても埃はちゃんとタンスの下、トイレの奥、本棚、、一週間分溜まっている。
家事は目に見えないような細々したことの積み重ねだと云うことを身にしみて感じる。
亡き人たちが、こういうことを何十年もやってくれたことに今頃気づいて恩返しのつもりで頑張っている、テオクレだけど。
身体がいうことをきかなくなったら、こんなことができなくなるからと、せいぜいストレッチや筋トレもやるのだ。（高校生たちが日体大のまわりを走っている。真面目に走る子、友だちと喋りながら走る子、歩いている子もいる）

きのうは、こんどは自分の病院に行ってペースメーカーのチエック、１１年過ぎたのに、まだ３～４年は大丈夫という。
ぼくとペースメーカーの寿命くらべだ。
（病院の前庭）

二子玉川で映画「リチャード・ジュエル」を観た。
ことしは映画の年になるか、能や落語のように想像力をそれほど必要としないで短い時間を楽しめるから、劣化＆家事老人には向いている（入場料千円の魅力もあり）。



アトランタオリンピックで起きた爆弾テロ、○がつくほど真面目な警備員・ジュエルはおかれた爆弾に気づいて人々を必死になって避難させたために、死者はふたりにとどまった。
英雄になりかかるが、「最初の発見者」「落ちこぼれのへんな白人」「認められたい願望」、、ＦＢＩは浅薄な推理で、彼を容疑者として内偵を始める。
野心の塊のような女性記者が、色仕掛けでＦＢＩ幹部からジュエルの名前を訊き出し、スクープを放つ。
英雄は一転、容疑者として、プライバシーが暴きたてられ、自宅のガサでは母親の下着まで押収される。
正義漢の強い、優秀な弁護士と知り合いであったことが幸いして、ジュエルの無罪を確信する弁護士・ワトソンとジュエルと母親が権力と戦う。

もともと法執行官になりたいと思っていた、権力を正しいと思いこみ、疑うことのないジュエルは打ちのめされる。
その怒りを掻き立てて、反撃に導くワトソン。

「国が有罪と言ったら、無実なのよ」、日本の特捜がアメリカ仕込みだという話が頷ける。
不法な捜査に気づかず、彼らのシナリオの餌食になりそうなジュエルを救うワトソン、やがて自らもそれに気づき、ガツンと反撃するジュエルと母親が実にいい。

権力の不正、それに従い煽るメデイア、負けるな反撃できるうちが花と言わんばかりのクリント・イーストウッド、またやったね！晩飯はことし初「しろいし」。
台風１９号で酒蔵がやられたという飯山の「水尾」に会えて、マスター夫妻と乾杯。
なんと１・１７は店の創業の日、きょうから９年目だという。
そういっていると、来店したタレントの○○吾ちゃんが、この近くで娘さんを交通事故で亡くした日でもあるという。
となりに座った人は、佐平次を自称する落語好き、「落語の話をしたくってたまらないけれど、なかなか話せる人がいない」そうで、馬生の話に始まり、佐平次一号と二号の語らいが盛り上がる。
自制してあまり飲まずに引き揚げようと思いつつ、もう一杯もう一杯、もう半分とビール（なら堪えないだろうと）のお代わりをする。
まあ、これも出来るうちが花、ということにしておこう。