ぼくも行きたくなった 「なぜかいい町 一泊旅行」(池内紀)
2020年 01月 15日
きのうは自分のために医科歯科大学とさくらクリニックのかけもち。
足の爪が三層剥離(といったか)で途中から割れているのを切ってもらった。
新しい爪切りで風呂上りに切るようにと言われたが自分で切るのは難しい。
けさはカミさんの付き添いで医療センターへ。
カミさんはそのあとさくらクリニックへ、ほんとに二人そろって病院通いの日々だ。
いささか嫌になるなあ。 昨年78歳で亡くなったドイツ文学者が2006年に上梓した旅行エッセイ集、お借りして読んだ。
北海道から九州までの、小さな町16か所への一泊旅行が軽妙な文章で活写されて、さながらぼくもいっしょにその町に行ったような気分になる。
気楽な旅だが、ぼくのたまにする「ぶらり旅」と違うのは、それなりの(大まかな)目的意識と方法論があること。
たとえば鳥取の岩美町を訪ねるにあたっては、当該の町出身の仙英禅師、通幻禅師は何ものか、浦富海岸の散策、密航者対策の実際、カニ飯を食べる、といった予定が頭の中にある。
「この町はどうかナ」と日頃から気をつけて、新聞や雑誌で見かけると切り取っておきもする。
ぼくのように、ただなんとなく北のほうへ、と東北在来線に乗り、小山でトイレのために途中下車をして、それならと両毛線に乗って、なんとなく桐生で降りて泊ってしまう、そんなやり方ではない。
仮にも読者を想定した旅行記だから、ある程度の下調べも必要だろう。
しかし、旅の気分としてはまことに自由気ままであって、こうしなければとか何処を見なければというような縛りはない、そこはぼくの旅に似ている。
ただぼくと違って、訪れた町の歴史、現在の産業や人々の暮らし方などについて出来るだけ大きな視野で総括的に捉えようという意識を感じる。
そして町の人たちがその町ならではの魅力を作り維持する創意工夫や努力を見つけては嬉しそうに報告する。
深い愛情がある、大合併を嫌悪する。 (神保町で、「クール里山スポット『おもてなしベンチ』)
とくに前半「北から南へ」に収録された、斜里町、上川町、岩内町、金山町(山形)、登米町(今は市)、三春町、大多喜町など、ぼくもそこに住みたくもなったし、せめても一日足を運びたいと思った。
方法論というのは、たとえば、筆者は原則として午後旅に出る。
早朝の出発でバタバタしたくない、ゆっくり家を出てその日は(できれば早めに)宿について一泊する。
病院通いはそれとしてやむを得ないとしても、もう少しぶらり旅の回数を増やそうと思った。
方法論はぼく流で。 「はじめ」、春菊の辛し和え、油揚げの袋焼き(中に刻んだ野菜が数種類、シソのほかは忘れてしまった)、スガキ、鰯の焼いたの、いずれもうまく、隣の客人と川柳談義に興じた。
知らない町でこんな居酒屋にぶち当たったら楽しいだろうな。
足の爪が三層剥離(といったか)で途中から割れているのを切ってもらった。
新しい爪切りで風呂上りに切るようにと言われたが自分で切るのは難しい。
けさはカミさんの付き添いで医療センターへ。
カミさんはそのあとさくらクリニックへ、ほんとに二人そろって病院通いの日々だ。
いささか嫌になるなあ。
北海道から九州までの、小さな町16か所への一泊旅行が軽妙な文章で活写されて、さながらぼくもいっしょにその町に行ったような気分になる。
気楽な旅だが、ぼくのたまにする「ぶらり旅」と違うのは、それなりの(大まかな)目的意識と方法論があること。
たとえば鳥取の岩美町を訪ねるにあたっては、当該の町出身の仙英禅師、通幻禅師は何ものか、浦富海岸の散策、密航者対策の実際、カニ飯を食べる、といった予定が頭の中にある。
「この町はどうかナ」と日頃から気をつけて、新聞や雑誌で見かけると切り取っておきもする。
ぼくのように、ただなんとなく北のほうへ、と東北在来線に乗り、小山でトイレのために途中下車をして、それならと両毛線に乗って、なんとなく桐生で降りて泊ってしまう、そんなやり方ではない。
仮にも読者を想定した旅行記だから、ある程度の下調べも必要だろう。
しかし、旅の気分としてはまことに自由気ままであって、こうしなければとか何処を見なければというような縛りはない、そこはぼくの旅に似ている。
ただぼくと違って、訪れた町の歴史、現在の産業や人々の暮らし方などについて出来るだけ大きな視野で総括的に捉えようという意識を感じる。
そして町の人たちがその町ならではの魅力を作り維持する創意工夫や努力を見つけては嬉しそうに報告する。
深い愛情がある、大合併を嫌悪する。
とくに前半「北から南へ」に収録された、斜里町、上川町、岩内町、金山町(山形)、登米町(今は市)、三春町、大多喜町など、ぼくもそこに住みたくもなったし、せめても一日足を運びたいと思った。
方法論というのは、たとえば、筆者は原則として午後旅に出る。
早朝の出発でバタバタしたくない、ゆっくり家を出てその日は(できれば早めに)宿について一泊する。
見知らぬ町の朝はいいものだ。観光名所とされるところでも、人かげがない。建物や風景から頭上の空までも、ひとり占めできる。係の人も、朝はみんな機嫌がいい。特製のお茶をふるまわれたりする。分かるなあ、同好の士だ。
そんな機会に、とっておきをおそわっておく。裏山の見晴らしがいい、といったことでもかまわない。土地の人の体験が選びとった一点があるものだ。
病院通いはそれとしてやむを得ないとしても、もう少しぶらり旅の回数を増やそうと思った。
方法論はぼく流で。
ぶらり旅はしませんが、朝早くにその町を歩くのは好きです。散歩の途中で眺めのいい場所を探して、毎朝うちでやっているラジオ体操と八段錦をするのが朝ごはん前の楽しみ。あっちこっちでラジオ体操をやったなぁと思い出すのもいいものです。
それぞれに「ぼく流の楽しみ方」がありますね。「はじめ」みたいな居酒屋にぶち当たったら帰りたくなくなるのではないかしら。
それぞれに「ぼく流の楽しみ方」がありますね。「はじめ」みたいな居酒屋にぶち当たったら帰りたくなくなるのではないかしら。
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そらぽん
at 2020-01-15 17:48
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あぁ この町々。 もう訪れるのは叶わぬ夢ですが
ここで読ませて頂き写真を楽しませて頂きます
岩内は 亡母の勧めで木田金次郎が目的で行きました
北の漁村で南仏の光色のキャンバスに驚愕。日本から
一歩もでなかった画家。援助者の白樺有島を感じたり
ここで読ませて頂き写真を楽しませて頂きます
岩内は 亡母の勧めで木田金次郎が目的で行きました
北の漁村で南仏の光色のキャンバスに驚愕。日本から
一歩もでなかった画家。援助者の白樺有島を感じたり
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Deko
at 2020-01-15 19:10
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此処に書いてある大多喜町は千葉?両親が通った旧制中学女学校が母は大多喜に下宿10万石の城下町でした。 百万石最中という美味しいお菓子も有名です。友人と旅をすると計画的に1日目2日目3日目と計画してくれます。私はついてゆくだけですが旅から帰ってから何時も几帳面な計画だなあと感心しています。
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saheizi-inokori at 2020-01-15 21:24
> テイク25さん、私も若い頃、わずかな経験でしたがソウルとかニューヨークなどで早朝ジョギングとか僕流気功をしたことが忘れられません。
ホテルがわからなくなって焦ったりしました。決まった日程では見られない町の光景を見ました。空気の味も違うのですね。
ホテルがわからなくなって焦ったりしました。決まった日程では見られない町の光景を見ました。空気の味も違うのですね。
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saheizi-inokori at 2020-01-15 21:27
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saheizi-inokori at 2020-01-15 21:30
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olive07k at 2020-01-15 22:59
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at 2020-01-15 23:38
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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福
at 2020-01-16 06:37
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油揚げといえば、TVで観た正蔵宅の大皿に盛られた焼いたものを思い出します。「ウチは人数が多くてこうなっちゃうのよ」とおかみさん。
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j-garden-hirasato at 2020-01-16 07:02
ぶらり旅、イイですねえ。
泊りでは、なかなかできません…(涙)。
泊りでは、なかなかできません…(涙)。
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saheizi-inokori at 2020-01-16 10:20
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saheizi-inokori at 2020-01-16 10:28
>鍵コメさん、シンクロ!
貧しい漁師だった。後押しする人も現れ、60歳にして初めて札幌で個展をひらいたそうですね。こうなったらもう一歩、木田のほうに近づきたい気持ちです。
「落暉」、彼が好んで付けた画題、その輝きの先端が私に届きました。
貧しい漁師だった。後押しする人も現れ、60歳にして初めて札幌で個展をひらいたそうですね。こうなったらもう一歩、木田のほうに近づきたい気持ちです。
「落暉」、彼が好んで付けた画題、その輝きの先端が私に届きました。
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saheizi-inokori at 2020-01-16 10:29
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saheizi-inokori at 2020-01-16 10:30
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nenemu8921 at 2020-01-16 20:25
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saheizi-inokori at 2020-01-16 23:01
by saheizi-inokori
| 2020-01-15 14:42
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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