連休中日は水炊きで 「チンギス紀四」（北方謙三）

久しぶりにベランダに洗濯物を干して、寝ころがってストレッチを始めるとサンチがリビングにやってきた。
「散歩行く？」小声でいったのに、一目散にかけよってきてぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。
こうこられたら、行くしかない。
ふだんは嫌がる洋服も自分のほうから頭を下げて着ようとする。
それはいいいけれど、気がせくらしく直ぐバックするからかえって手間取る。

このところ、寒いのもともかく、なにやかやとあって散歩に連れて出なかった、医者が小犬は散歩しなくても大丈夫、むしろ歩かせすぎるとよくないというのを奇貨としていた。
「奇貨として」、こういう使い方でよかったっけ、「これ幸いに」くらいが妥当かな。
昔から使っている言葉が思っていたのと違う意味であることを今ごろ教えられることもある。部屋のなかで走り回れば運動量は足りるかもしれないが、外の空気、とくによそのワンちゃんの姿やおしっこの臭いを知ることはできない。
罪もないのに座敷牢に押し込められたようなものだ。
人間の都合でサンチをそんな目にあわせてはならない。
別にゴーンに刺激されたからというわけではない。散歩から帰ってくると掃除のおばさんと遇えて、おばさんのほうが大喜び。
言われて気がついたが今年初めての邂逅（ちょっと大袈裟だね）なのだ。まだカミさんの腹の調子がいまいちなので、飯の算段が一苦労。
外食にも飽きたし、休日にあいている店を探すのもおっくうだし、思い立って二子玉川へ買い物に行った。
鶏の水炊きをしようってわけ。
糠漬け用のカブが二子玉のＦ＆Ｆにないので、等々力の店に電話してみるとあるという。
電車に乗って行く。
こういうところが男の買物のムダなのだ。
分かっちゃいるけど、散歩も兼ねているから許されよ。
スタンプは１０００円以上だよね、というと、ここはサービスだけが自慢なのとレジのオバサン、さっき作ったばかりのカードにポンポン押してくれて、次回これを見せれば５％引き、電車賃が、、そこまではいかないか。長ネギ（太目）一本、白菜8分の一、シラタキ一袋、阿波尾鶏160グラム、豆腐半丁、葱と鶏はあらかじめ焦げ目がつく程度に炒めて、別に野菜サラダ中ボール（モッツアレラチーズと、これは面倒だから出来合いを買って来る）と糠漬け（カミさん手製）。
多いかなと思ったが、きれいさっぱり食った。
酒は秋田の「福の友」しぼりたて生原酒を冷やで二合とクラフトビール「ＹＯＮＡＹＯＮＡ」一本。
このくらいだと後片付けも割と楽、コップ類と流しを磨き上げる余裕あり。
でも終わるとちょっと疲れた（飲みすぎという内なる声もあり）チンギス・ハーンの物語は井上靖の「蒼き狼」を読んだことがあるが、中身は忘却の彼方だ。
北方謙三本、４巻が２０１８年８月から１２月までの「小説すばる」連載分、それが単行本になったのが去年の３月、そして図書館の予約の行列に並んでようやく届いたの暮れのこと。
今までの分を思い出して、独特の文体にも慣れて面白くなり出すと、すぐに読了してしまう。
次の５巻は８人待ち、６巻は７１人待ち、案外早く読めるかな、諸君自分の番になったらサッサと読んでさっさと返すんだぞ。