寄席はアベと花見なんかより楽しいぞ 池袋演芸場11月中席
2019年 11月 12日
池袋演芸場は、いつ以来だろう。
「美松」でお握り弁当を同行の皆さんのために仕入れて行ったことや真夏の小三治を聴くために炎天下で並んだことなど思い出しながら、11時50分にチケットをかう、前のオジサンが「今日は早い、いつもは12時まで売らないのに」と嬉しそうに話しかける。 久しぶりに来たら何だかきれいになった演芸場、若い女性の一人客もちらほら、あっという間に半分ほど席が埋まる、月曜日の12時。 美登里寿司で買った500円の鮨がウマいと感じる幸せ。
開口一番、小はだ「牛ほめ」に続いて小はぜ「たらちね」、ずいぶん達者になった。
大家がお清さん(長いようだが、じつはこれが嫁さんの名前)を連れて八五郎のところに輿入れに行くときに、浮かれている八五郎を遠望して「そんなにがっかりすることはない」という。
初めて聴くようだが可笑しかった。
つくし「漫談女子会」
池袋に来たのは、pcで見たら川柳川柳の名前があったのも理由の一つだったが代演なのにはガッカリ、モギリの女性に川柳のことを尋ねたが、私たちは知りませんとすげない。
つい高座のつくし(弟子)に、訊きたくなるほどの近さがここの魅力だ。
つくし、という名前を覚えてもらうためにと、つくしの「せ~の!」で会場が一斉に「つくし~!」と声を合わさせられるのも、ほかの寄席ではありえないかもしれない(まだ、会場が温まっていないのに)。 ダーク広和・奇術
大正時代の奇術、トランプやハンカチ、手玉などが自在に出たり消えたり増えたり減ったり、、地味だが奇術の王道というべきか、「公園の手品師」のメロデ―が頭に浮かんだりして、なんとも楽しいショーだった。
文蔵「手紙無筆」
不愉快そうな顔で出てきて「見ての通りの二日酔いです」。
無筆の兄貴のうろたえぶり、虚勢、ごまかし、前に見た時よりマンガチックで面白い。
圓太郎「うどん屋」
小三治のうどん屋とは違った、野太い味わいのあるうどん屋。
ミイ坊が「サテこの度は」と挨拶したのを、こんな言葉が使えるのは、よほどの学問があるか、綱渡りの口上か、足袋やの小僧しかない、、こんな軽口がポンポン出る。
こんな軽口がポンポン出るのは、うどん屋の客か、すれっからしの噺家しかいない。 (演芸場の壁に貼ってあった)
おしどり・漫才
アコーディオンを弾きながら突っ込みのミコちゃんと針金細工のケンちゃん夫妻、初めてだ。
オシドリを針金細工で作って、いちばん遠くから来た方に上げるといったら、高知と北海道がいた。
トランプ、キムジョウン、文大統領、ルイヴィトンのロゴ、、イキのいいミコちゃんと頭のてっぺんから声を出すケンちゃん、リクエストに応えて「南アフリカのラグビー」に苦戦しながらも、喝采を浴びた。
燕路「辻占の独楽」
どちらかというと地味な芸風で嫌いじゃなかったが、すっかり明るく陽気な高座に変わっている。
貧相とさえ言えたあの顔がすっかり丸顔の百面相で見せる面白い顔が活きていた。
小里ん「長短」
渋い芸はいつもの通りだが、ちょっと物足りなく感じたのは、それまでのみんながあまりにも好調にとんとん拍子で沸かせてきたのを渋さだけで受けきれなかったのか。
でも会場の皆さんはウケていた。
のだゆき・音楽パフォ―マンス
とぼけた語り、ピアニカで救急車やコンビニの音などを演じる。
(池袋)
雲助「家見舞い」
ご無沙汰していたが、イナセないい形が健在だった。
芸達者、油の乗った人が揃った今日の寄席でも、抜群の存在感でバッチイお噺を聴かせてくれて大満足。
古道具屋との衝立や時計のやり取りも丁寧に演じてくれた。
中入り後、文菊「湯屋番」
妙な歩き方で登場したから、またあの嫌味なマクラを聴かされるのかとヘキエキしたら、それなしにすぐネタに入る。
そうか、道楽若旦那が十分に嫌味な気障を見せてくれるのだった。
湯屋番をしながら妄想にふける若旦那を顔面、仕草、総動員で、特に女性客が腹を抱えて(見たわけじゃないが)笑っていた。
下っ腹が膨らんでいるのはなにか詰め物をしているかのようでちょっと不自然だ。
小さん「親子酒」
帰りに銭湯に入ろうと思ったのは「湯屋番」、熱燗をやろうと思ったのはこの「親子酒」だった。
というのは嘘、どっちにしてもそうするつもりだった。
過不足ない高座、欲をいえばもう少しウマそうに酒を飲んで欲しかった。 ロケット団・漫才
四文字熟語、まあ、いつものように笑う。
こみち「得ちゃん」
オバサンからも「待ってました!」の声、そういえば昨日はずいぶん「待ってました」があった。
ハハハと笑って、真打ち興行以来のトリ(池袋)です、と言って池袋の思い出を語る。
きょうはスタンダードな古典か、マニアックなのにするか、皆さんの要望をお聞きしてというと、圧倒的に「マニアック!」うしろのオバサンの声がひときわ高い。
売れない噺家が、吉原で二人まとめて格安の誘いを受けて、上がってみると、怪談に出てきそうな二畳半の部屋と命の保証のない露天部屋に案内される。
焼き芋を齧りながら現れた女は、書き表すこと自体がセクハラになりそうな化け物のような、それでもこみちが演じるから、どこか可愛げのある女だった。
「おらとチュッチュすべえ」、嫌がる男の腕をつかみ首を太い腕で巻き上げて迫るのだ。
激しい演技に半ば呆れながらも爆笑の会場。
「お客様のせいですよ、スタンダードだってやれたのに」とこみち。
初日につき、ボーナストラックとして「こみちの落語道」を歌った。
(銭湯に貼ってあった教訓の数々)
跳ねると小雨の池袋、寄席はいいなあと思いつつ、ガードなど懐かしい道を歩いてバスで上池袋一丁目に出て、近くの稲荷湯を探しあてた。
二人しかいない先客と会釈を交わして熱い湯。
上がると、ちょうど御嶽海が負けたところ、客のお爺さんが相撲のことなど話したそうだったが、失礼して「はじめ」に電話。
土曜日、ママが不調で休んでいたので、心配したら、今日は元気にやっているというので、桜新町に帰る。
ちぢみほうれん草の、赤い根っこのところの甘さが得も言われぬ。
はじめ常連高齢トリオが揃って、大声で笑い話。
寄席よりも笑ったかも。 税金を使っての後援会接待が、ようやく東京では一面、朝日四面などメデイアでも大きく報じられている。
昼飯を食いながら6チャンネルTBSをみると、鳩山由紀夫の花見の映像を意図的に長く映して、アベになってからの不自然な経費増とか900人近い後援会招待などの、もはや常識の範囲を逸脱した脱法的公選法違反の非を糾弾しない。
5700万円の税金を費消しての「花見」の実態はもっと公明正大に明らかにされなければなるまい。
「美松」でお握り弁当を同行の皆さんのために仕入れて行ったことや真夏の小三治を聴くために炎天下で並んだことなど思い出しながら、11時50分にチケットをかう、前のオジサンが「今日は早い、いつもは12時まで売らないのに」と嬉しそうに話しかける。
開口一番、小はだ「牛ほめ」に続いて小はぜ「たらちね」、ずいぶん達者になった。
大家がお清さん(長いようだが、じつはこれが嫁さんの名前)を連れて八五郎のところに輿入れに行くときに、浮かれている八五郎を遠望して「そんなにがっかりすることはない」という。
初めて聴くようだが可笑しかった。
つくし「漫談女子会」
池袋に来たのは、pcで見たら川柳川柳の名前があったのも理由の一つだったが代演なのにはガッカリ、モギリの女性に川柳のことを尋ねたが、私たちは知りませんとすげない。
つい高座のつくし(弟子)に、訊きたくなるほどの近さがここの魅力だ。
つくし、という名前を覚えてもらうためにと、つくしの「せ~の!」で会場が一斉に「つくし~!」と声を合わさせられるのも、ほかの寄席ではありえないかもしれない(まだ、会場が温まっていないのに)。
大正時代の奇術、トランプやハンカチ、手玉などが自在に出たり消えたり増えたり減ったり、、地味だが奇術の王道というべきか、「公園の手品師」のメロデ―が頭に浮かんだりして、なんとも楽しいショーだった。
文蔵「手紙無筆」
不愉快そうな顔で出てきて「見ての通りの二日酔いです」。
無筆の兄貴のうろたえぶり、虚勢、ごまかし、前に見た時よりマンガチックで面白い。
圓太郎「うどん屋」
小三治のうどん屋とは違った、野太い味わいのあるうどん屋。
ミイ坊が「サテこの度は」と挨拶したのを、こんな言葉が使えるのは、よほどの学問があるか、綱渡りの口上か、足袋やの小僧しかない、、こんな軽口がポンポン出る。
こんな軽口がポンポン出るのは、うどん屋の客か、すれっからしの噺家しかいない。
おしどり・漫才
アコーディオンを弾きながら突っ込みのミコちゃんと針金細工のケンちゃん夫妻、初めてだ。
オシドリを針金細工で作って、いちばん遠くから来た方に上げるといったら、高知と北海道がいた。
トランプ、キムジョウン、文大統領、ルイヴィトンのロゴ、、イキのいいミコちゃんと頭のてっぺんから声を出すケンちゃん、リクエストに応えて「南アフリカのラグビー」に苦戦しながらも、喝采を浴びた。
燕路「辻占の独楽」
どちらかというと地味な芸風で嫌いじゃなかったが、すっかり明るく陽気な高座に変わっている。
貧相とさえ言えたあの顔がすっかり丸顔の百面相で見せる面白い顔が活きていた。
小里ん「長短」
渋い芸はいつもの通りだが、ちょっと物足りなく感じたのは、それまでのみんながあまりにも好調にとんとん拍子で沸かせてきたのを渋さだけで受けきれなかったのか。
でも会場の皆さんはウケていた。
のだゆき・音楽パフォ―マンス
とぼけた語り、ピアニカで救急車やコンビニの音などを演じる。
雲助「家見舞い」
ご無沙汰していたが、イナセないい形が健在だった。
芸達者、油の乗った人が揃った今日の寄席でも、抜群の存在感でバッチイお噺を聴かせてくれて大満足。
古道具屋との衝立や時計のやり取りも丁寧に演じてくれた。
中入り後、文菊「湯屋番」
妙な歩き方で登場したから、またあの嫌味なマクラを聴かされるのかとヘキエキしたら、それなしにすぐネタに入る。
そうか、道楽若旦那が十分に嫌味な気障を見せてくれるのだった。
湯屋番をしながら妄想にふける若旦那を顔面、仕草、総動員で、特に女性客が腹を抱えて(見たわけじゃないが)笑っていた。
下っ腹が膨らんでいるのはなにか詰め物をしているかのようでちょっと不自然だ。
小さん「親子酒」
帰りに銭湯に入ろうと思ったのは「湯屋番」、熱燗をやろうと思ったのはこの「親子酒」だった。
というのは嘘、どっちにしてもそうするつもりだった。
過不足ない高座、欲をいえばもう少しウマそうに酒を飲んで欲しかった。
四文字熟語、まあ、いつものように笑う。
こみち「得ちゃん」
オバサンからも「待ってました!」の声、そういえば昨日はずいぶん「待ってました」があった。
ハハハと笑って、真打ち興行以来のトリ(池袋)です、と言って池袋の思い出を語る。
きょうはスタンダードな古典か、マニアックなのにするか、皆さんの要望をお聞きしてというと、圧倒的に「マニアック!」うしろのオバサンの声がひときわ高い。
売れない噺家が、吉原で二人まとめて格安の誘いを受けて、上がってみると、怪談に出てきそうな二畳半の部屋と命の保証のない露天部屋に案内される。
焼き芋を齧りながら現れた女は、書き表すこと自体がセクハラになりそうな化け物のような、それでもこみちが演じるから、どこか可愛げのある女だった。
「おらとチュッチュすべえ」、嫌がる男の腕をつかみ首を太い腕で巻き上げて迫るのだ。
激しい演技に半ば呆れながらも爆笑の会場。
「お客様のせいですよ、スタンダードだってやれたのに」とこみち。
初日につき、ボーナストラックとして「こみちの落語道」を歌った。
跳ねると小雨の池袋、寄席はいいなあと思いつつ、ガードなど懐かしい道を歩いてバスで上池袋一丁目に出て、近くの稲荷湯を探しあてた。
二人しかいない先客と会釈を交わして熱い湯。
上がると、ちょうど御嶽海が負けたところ、客のお爺さんが相撲のことなど話したそうだったが、失礼して「はじめ」に電話。
土曜日、ママが不調で休んでいたので、心配したら、今日は元気にやっているというので、桜新町に帰る。
ちぢみほうれん草の、赤い根っこのところの甘さが得も言われぬ。
はじめ常連高齢トリオが揃って、大声で笑い話。
寄席よりも笑ったかも。
昼飯を食いながら6チャンネルTBSをみると、鳩山由紀夫の花見の映像を意図的に長く映して、アベになってからの不自然な経費増とか900人近い後援会招待などの、もはや常識の範囲を逸脱した脱法的公選法違反の非を糾弾しない。
5700万円の税金を費消しての「花見」の実態はもっと公明正大に明らかにされなければなるまい。
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eblo at 2019-11-12 13:55
「被災者の生活支援をさらにきめ細かく迅速かつ強力に進める」
寄ってたかって自分が議員であり続けるために税金を使う与党。
俺の金は俺の金、他人の税金も俺の金。
被災者支援をきめ細かく・・・できる訳がないでしょう、やる気も無いくせに、やれるものならやってみろ。
寄ってたかって自分が議員であり続けるために税金を使う与党。
俺の金は俺の金、他人の税金も俺の金。
被災者支援をきめ細かく・・・できる訳がないでしょう、やる気も無いくせに、やれるものならやってみろ。
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saheizi-inokori at 2019-11-12 14:37
> ebloさん、この人たちはトランプと同じ精神異常者です。善悪の観念がないのです。
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kanekatu at 2019-11-12 16:10
トリのネタは『徳ちゃん』だと思います。初代の柳家三語楼作で白酒や一之輔がよく演じていますが、女流では珍しいですね。こみち、唯一のママさん落語家として頑張っています。
「アベの花見」は権力の腐敗の象徴です。
「アベの花見」は権力の腐敗の象徴です。
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saheizi-inokori at 2019-11-12 17:25
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そらぽん
at 2019-11-12 19:25
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サクラの会なぞやめっちまえ!
嘘の経済政策で、小さな工場や店の倒産が続いてて 年越しに
寒風の外に立つ人や母子家庭は貧困に、国民は労苦に喘いでる
公費はここへ使うべし アベには 国民なぞそこらの石っころか
嘘の経済政策で、小さな工場や店の倒産が続いてて 年越しに
寒風の外に立つ人や母子家庭は貧困に、国民は労苦に喘いでる
公費はここへ使うべし アベには 国民なぞそこらの石っころか
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saheizi-inokori at 2019-11-12 20:58
> そらぽんさん、桜の会はまだしも、アベの独裁政権こそ消えてなくなれ!
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福
at 2019-11-13 06:39
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この池袋はいい顔付けですね。バランスがまことに。
鈴本の中席は館内設備工事のため、休館となるそうです。
鈴本の中席は館内設備工事のため、休館となるそうです。
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j-garden-hirasato at 2019-11-13 06:41
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ikuohasegawa at 2019-11-13 07:30
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saheizi-inokori at 2019-11-13 08:02
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saheizi-inokori at 2019-11-13 08:03
> j-garden-hirasatoさん、この後の半日たのしんで二千円というのがもっとお得感ありでした。
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saheizi-inokori at 2019-11-13 08:04
> ikuohasegawaさん、近頃出色の寄席二十日までです。ちよっと遠いかな。
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テイク25
at 2019-11-13 10:08
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おしどりマコ・ケン、でしょうか。マコさんは参議院選で立憲民主党の比例代表候補でしたね。我が家にはケンさんが作った金正恩があります。
アベにはほとほと参っています。罪を犯しながら罰せられなかった睡眠障害アマリのアベよいしょも庇ってもらったお礼なのでしょうね。こんな奴らがうようよしているから逆に長く続くのかと思えるアベ政権。
アベにはほとほと参っています。罪を犯しながら罰せられなかった睡眠障害アマリのアベよいしょも庇ってもらったお礼なのでしょうね。こんな奴らがうようよしているから逆に長く続くのかと思えるアベ政権。
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saheizi-inokori at 2019-11-13 10:34
> テイク25さん、そうだった!あの二人でしたね。
風刺は封印して、爽やか、知性も感じさせるいい舞台でしたよ。
なんとかアベを追い詰めたいと、
#アベは辞めろ を投稿しまくっていたら目が冴えて眠れなくなりましたよ。
風刺は封印して、爽やか、知性も感じさせるいい舞台でしたよ。
なんとかアベを追い詰めたいと、
#アベは辞めろ を投稿しまくっていたら目が冴えて眠れなくなりましたよ。
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Deko
at 2019-11-13 14:49
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Deko
at 2019-11-13 14:59
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美登利寿司以前は本店まで足を運びましたが、池袋にも何店舗かでき何時も行列ですね。演芸場新宿にはいきますが、池袋は三菱さんの裏の方ですね。フットワークが軽く彼方此方に行かれて充実されていますね。。。
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saheizi-inokori at 2019-11-13 16:05
> Dekoさん、この期に及んでアベを支持する人がいるのが、わたしの頭がどうかなったのか、どうにも理解できません。富裕層とか既得権益層ならまだしも。
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saheizi-inokori at 2019-11-13 16:08
by saheizi-inokori
| 2019-11-12 13:35
| 落語・寄席
|
Comments(18)