渋谷で呑む 「志ん生の右手 落語は物語を捨てられるか」(矢野誠一)

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錦華坂、この下にあった錦華小学校(現・お茶の水小学校)に夏目漱石(塩原金之助)が通っていたという。
写真↓の左に見えるのはお茶の水幼稚園。
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いつも通る表通りを一本逸れるだけで、こういうところに遭遇するのが楽しい。
金ちゃんに似た子にも逢わない、ここは白雲なびく駿河台・明治大学のテリトリー、山の上ホテルは工事中だ。
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坂を歩く前に神保町でスマトラカレーなるものを食べてきたから、少しダイエット気分の坂なのだ。
坂を上って御茶ノ水駅を通り過ぎて東京医科歯科大学で月例の診察、予約時間よりかなり早着だけど診てくれた。
診るといっても、雑談を3分ほどの認知療法、相変わらず症状はあるけれど、あの頃のように「死んだ方がまし」という気持ちがなくなったのは、馴れなのか治療効果なのか。
歯が染みる、とか嚙み合わせが気になるという普通の症状については先生が通院している町の医師に紹介状を(無料で)書いてくれた。
僕が以前通っていた歯科医が医科歯科大学に紹介状を書いてくれて、そこで向精神薬による治療を薦められて断り、知人から銀座の別の開業医を紹介され、そこでまた「後輩の」医科歯科に電話してくれて、こんどは薬を使わない治療(日記・メモをつける、雑談する、舌の運動をする、、)を続け、また開業医を紹介される。
なんかおもしろい成り行き、楽しんでいるのが以前と異なる。
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渋谷駅周辺の工事を覗き込みながら桜ヶ丘にでる。
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学生の頃、叔父が丘の上の公団住宅に住んでいて、ゲルピンになったり人恋しくなると押しかけてご馳走になったりあわよくば小遣いをせしめた。
ほろ苦い思い出の地だ。
思い出の団地の跡には大きなビルが建っていて、しばし眺めていたら、管理会社らしき男に「なにかお探しですか」、50年ほど昔の話をしてやった。
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ビルの向かいのカフエで矢野誠一の落語本を読んだ。
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八代目文楽とか圓生の完成された描写力をもたない志ん生の、ある意味では粗雑としかいいようのない言葉が爆笑を誘うのはなぜであろうか。
古今亭志ん生という落語家の藝を支えているのは、綿密な計算による正確な描写ではなく、鋭い感性だけがたよりの発想そのものである。
う~ん、そうかなあ。
たしかに文楽や圓生の噺が楷書だとすれば、志ん生のそれは八方破れハチャメチャな感じもある。
でも、それも天才志ん生が綿密に計算した八方破れなのではないか。
夜、眠れないままに彼のテープを聞いていると、登場人物が生き生きと動き出すようで、その描写の巧みさに感動することがある。
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カフェのレジの女の子に、あそこに昔団地があったんだよといって、新装開店の「三魚洞」で友人二人と酒を飲む。
もっと駅よりにあった店が、新しいビルが完成するまでの5年間、ここで仮営業なのだ。
友人が「消費税を上げてよかった。悪い影響も出ていないし」とアベみたいなことを言うのには驚き「まだ二週間だぜ、俺はそれでも悪影響はでている、そもそも上げる前からアベノミクスで、ひどいことになっていると思う」といい、なぜ消費税を上げてよかったのかと尋ねると、国の借金を返す、国際的な信用を取り戻す、、などという。
大学を出ていい年をした男がそういうことをいうのかい?6兆円の税収増でどれだけの借金を返せるというの?と呆れた。
呆れていささか腹も立ったので、いっそ帰ろうかと思ったが、それも大人げないので、煽るように飲んだら、だんだん気分が良くなって、過去の自慢話をしてしまった。
3時間のあまり、愉快に飲んで帰ったが、朝起きてみると後味が悪い。
いい年こいてるのは、こっちもだ。
つくづく未熟な爺であることを痛感する。

小泉君のカレーなる国会答弁。スマトラじゃないよ。


山岸一生さんの国会中継ダイジエストです。

Commented by suzume-ritu at 2019-10-16 13:17
進次郎大臣は一日一回は笑かしてくれます。その上、他のオジサン大臣よりも答弁書の朗読がお上手。(^^;
Commented by saheizi-inokori at 2019-10-16 13:58
> suzume-rituさん、吉本が食指?
Commented by テイク25 at 2019-10-16 21:28 x
消費税を上げて良かったと本気で考える人がお近くにいるなんて・・・。何をどう考えたらそうなるのか知りたい。希少価値ですね。呆れるし腹も立つけれど、そういう人の考えを聞くのも参考になるかも知れません。

いい年こいてない小泉君はこの先どうなっていくのでしょう。余りにもみっともなくて見ていて可哀想になります。つくづく阿呆だなぁと思うのです。
Commented by saheizi-inokori at 2019-10-17 05:57
> テイク25さん、既得権益層はそうかもしれないです。痛みを感じないのか、なんとなくレイワ的な変化を恐れているのかもしれないです。
Commented by at 2019-10-17 06:32 x
神保町「共栄堂」のカレーは学生時代からのお気に入り、特にチキンを好んで食べています。
「ウチの親父はマッチカク(真っ四角)な芸だったんすよ」と志ん朝が述懐しています。志ん生特有の描写の単純化や言い淀みも噺にコクを出すための緻密な計算だったのかもしれません。
Commented by j-garden-hirasato at 2019-10-17 06:35
御茶ノ水界隈、
そぞろ歩きには最高です。
カレーのお店が多いんですよね。
最近知りました。
Commented by 銀水仙 at 2019-10-17 08:11 x
共栄堂のスマトラカレーと焼きリンゴ!思い出の味です。
そうですか~、今は錦華小学校ではないのですね。
錦華公園はあるのかしら。
スマトラカレー・・食べに行こうかしら・・・。
Commented by saheizi-inokori at 2019-10-17 09:09
> 福さん、私もチキンを選びました、感じのいい店ですね。
前の圓楽も「そりゃあ、たいへんな計算をしてます」と志ん生を評しています。
彼はなぜか志ん生に気に入られてお供をしたり稽古をつけてもらったそうです。
お供は下戸なのを見込まれたようですが。
Commented by saheizi-inokori at 2019-10-17 09:11
> j-garden-hirasatoさん、カレーのほか、天ぷら饂飩なども多いですよ。
歴史のある風景が散在してjgardenさんには魅力があるだろうなと思いながら歩きました。
Commented by saheizi-inokori at 2019-10-17 09:12
> 銀水仙さん、焼きリンゴもあるのでしたか、それは気づかなかったなあ。
私の記事の上から二枚目が錦華公園のようです。
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by saheizi-inokori | 2019-10-16 11:54 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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