病院に着いたのは7時20分、受け付け番号一番、血液検査をすませて、朝飯をとデニーズまで歩いたら、なんと閉業、隣接の空き地とともに商業施設ができるようだ。
ちぇっ、ついてない、急に腹が減ってきたのは孤独のグルメだ。
病院の駐輪場で松葉杖のおばさんが乗ってきた自転車をおくスペースがなくて困っている。
重い電動車をヨッコラサ、スペースを作ってちやんと容れてあげる。
助かりました!僕もいい気分、空きっ腹を忘れた(いいね!)。
待合室に戻ると待つ間もなく呼ばれる。
いつもなら小一時間は待たされるのだが、受け付け番号が早いのを見てちょうど検査結果もでたのだろう、先生やさしいな。
朝飯を食べないで帰ってきてよかった(いいね!)。
診察室から出てきたおじさん、ぼくに向かってニッコリ「初めて誉められた!ぜんぶオーケー」。「よかったですね、今日は飲めますね」「いや、酒なら毎日のんでるけど、でも大変だった」と去っていく(いいね!)。
僕はまいにち飲んでいる酒を四日間絶ったのだ。
夏の引きこもり中、ちよっと飲み過ぎたようなので、アンダーコントロールしたのよ。
「中性脂肪が70下がったけれど、まだ高いな。ほかは異常なし」ひそかに心配した肝臓もオーケー(いいね!)。
「さっき出てきた人が、誉められたといって喜んでいましたよ、先生はえらいなあ、一言であんなに幸せにするんだから」といったら、先生も幸せそうな笑顔になった(いいね!)。
用賀駅のシエルイでサンドイッチの朝飯。
今日やらねばならないこと、三時から医科歯科大学で歯医者と有楽町でパスポートの受け取り。
それだけでは、もったいないな、映画をチェックすると岩波ホールで11時から面白そうなのがある。
ほとんどロスタイムなし(いいね!)で、ひさしぶりの岩波ホールの二時間余の映画を見ることができて(いいね!)、さて神保町でランチになにを食うか。
そうだ、神保町といえばカレー、カミサンにラインで教わった店のなかから、薬膳カレーの店に入ったのが二時近かった。
1から6までの辛さ等級の2(甘い順)、6を頼んでいる隣の男はどういう舌をしているのか。
夫婦でやっている、カウンターのなかで接客する奥さんの笑顔が、とても感じがいい。
カウンターの壁にかかったビュッフエの道化師の絵がよくて、その道化師が奥さんに似ているので、そういったら、「あら、いやだ。私はこれ嫌いなんだけど、主人が好きなもんだから、わたしはあっちが好き」あっちとは、僕のうしろの壁、つまり奥さんは嫌いな絵を見ないで好きな絵を見て仕事をしているのだ。
笑いながら話を聞いていたマスターは好きな奥さんの実物と、その奥さんに似ているから好きなんだろうところの道化師に囲まれて、うまいカレーを作っているというわけだ(いいね!)。
坂をちょっと上がると御茶ノ水駅、医科歯科大学の立派なビルの古い方が歯科だ。
歯磨きコーナーで歯を磨き、20分ほど早く診察室前に行くと、先生と目が合って、すぐに通される(いいね!)。
認知療法ってのだから、雑談すること5分でお終い。
丸の内線で銀座に出て、交通ビルで新しいパスポートをもらったのは三時半、スイスイ過ぎるからどこかでお茶でも飲むかと思えども、まあ、とりあえず目黒まで行こうかと山手線、すんなり座れた、朝のバスから田園都市線など5回乗り物に乗った、そのすべてが、すぐ乗れてすぐ座れた(いいね!)。
目黒で降りて、駅の近くのカフエに入って休みながらブログを更新しようと思ったが、目につく店の何軒かがいずれもなんとなくその気になれない。
と思う内に、我が家の近くに行くバスが目の前で発車待ちしていることに気づく。
乗り込んでPASMOで支払うと「チケット160」という表示が出た。
乗務員に訊いたら、160円分のサービスがついたと云うこと、こんなの初めてだ(いいね!)。
バスが、我が家に近づくころ、さっきから曇っていた空が我慢しきれず土砂降りになった。
目黒で道草食わなくて良かった(いいね!)
というわけで、今日は「いいね!」の連続だったが、それがデニーズがやってなかったという、よくないことから始まっているのが面白い。
持って行った本をほとんど開く間もないほどに無駄のない一日なりき(いいね!)。
そして、実は、最大の「いいね!」は昨日の夕方に起きている。
「はじめ」のマスターが心不全で倒れてから約40日、様子が気になるけれど、ママは大変だろうと思って、メールや電話を控えていた。
とうとうしびれを切らして、おとといショートメールでどんな感じかを尋ねたが、返事がなかった。
さては、悪くなっているのかと暗い気持でリハビリに行くと、常連のSさんに遭遇、なんとバイクに乗っている、まもなく開店するようだと、ウソみたい(いいね!いいね!)。
さっそく、店に行ってみると店の前に自転車が置いてあって、暗いけれど、なにやら人の気配がする。
恐る恐る戸を開けてみたら、マスターがカウンターの奥から「まだ、やってないの」。
飛びつきたい思い、外国人ならハグだ(いいね!いいね!いいね!)。
自分は開けてもいいと思うのだが、ママが、とか医者もまだという。
とうぜんだ、奇跡はそう何度も起きやしない。
早くここで呑みたいと仲間全員が思っているけれど、ぜったい無理は駄目、元気な人でもおかしくなるこの陽気だし、ゆっくり休んで、涼しくなったら会いましょう。
そういって弾む足取りで帰宅したのだった。
きょうの「いいね!」は、昨日の超大「いいね!」の余震のようだ。