現実の方がもっとひどい 映画「新聞記者」
2019年 07月 01日
雨でも日曜日、あちらこちらに人や車の行列が多い。
スターの出待ち、デパートの駐車場、得体のしれないなにか、タピオカ、、。
前に紹介した「官邸ポリス」と同じく、アベ官邸による「政権に不都合な人物」を民間人であろうが罪もない人であろうが、黒い罠をしかけて除去・抹殺する黒い闇の工作活動をテーマにしている。
エリート公務員が内閣府・内調に集められて、汚れた工作に携わる。
政権の安定が国の繁栄に必要だ。国のために、と言われるが、疑問を持ったり指示に従わないと人事でイジメられ、ひどい場合は自殺に追い込まれる。
「国のため」ではなく「家族のため、自分のため」なのだ。
やっていることはヤクザと変わらない。
宣伝文句に
フィクションの限界を超え、《日本の闇》を“告発”する賛否両論エンタメ作!とあるが、終始モノトーンでいかにも地下の悪の指令室という感じにしておどろおどろしい内調に作り上げている割に、その「闇」「悪」が今の僕からみたら、おとなしすぎる。
果たしてこれは“映画”なのか? そして……あなたは“この内容”信じますか?
現実はもっとひどいことを知らされているのだもの。
信じるも信じないも、現実に普通の新聞を読んでいてさえ白日に曝されているのが、アベ・ヤクザ政権ではないか。
新聞記者と内調の役人が、政権によるお友達優遇で特区に作ろうとしている学校の秘密を追いかけ暴露する、その過程も一本道で、もう少しいろいろあってもいいのじゃないか。
たとえば、同業メデイア、記者仲間からの圧力や差別、権力による取材妨害、日本会議の動向など悪の内調を背後から支え、突き動かす大きな闇の存在など。
さらに、二人がそれぞれ内調によって死に追い込まれた父親と上司の仇をとるような話は、面白いが、それだけでは政権の闇と闘い続けるためのモチーフとしては弱いように思う。
家族を人質に取られれば、そりゃ死んだ上司より家族をとるだろう。
観客だってそっちに同情するから憤怒の起爆剤にならない。
悪の政権を安定させていることこそ、日本の不安、国のためにならないということをもうちょっと踏み込んで分からせて欲しかった。
そんな公僕はいないかもしれないが、国のためにならない政権を倒そうとするようなヒーローを見たかった。
フィクションとするならそのくらいにしなきゃ、、この程度では淡々とノン・フイクションにしたほうが迫力があったのではないか。
こちらでは上映していなかったです
きょうYahooで「警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?」の記事を読み
太腿を丸太のように腫らし無言で帰宅をした小林多喜二に、母親が「誰がした かあちゃんに言え なにされた」と取り縋る姿が
重なりました 大学構内で公安に逮捕された京大生は。。。?
映画のもとになったという本の「新聞記者」は図書館で予約中です。
公開前日に映画の公式HPがパンクしたそうですが
今もパンクしているみたいで見ることができません・・・。
一瞬、パンクではなくて誰かが邪魔しているのではないか・・・などと思ってしまいました・・・。
実際には、限界があるのでしょう。
私は思ったほど悪い出来ではないという印象でしたが、確かに現実の酷さはもっと前に進んでいるでしょうね。「安定政権はこの国の平和と繁栄をもたらす。」疑いもなくそう考える彼奴らに牛耳られていることがこの国の悲劇です。大多数の国民もそう考えているのでしょう。
私は殆ど書物に触れない生活をしていますので、「新聞記者」も「同調圧力」も妻から借りて読みはじめました。