滅びの道を行く 「献灯使」(多和田葉子)
2019年 06月 07日
ピンクのシャツを着た麻生がえらそうに『年金は足りないから老後に備えて2000万円くらいの資産を貯めておきなさい』、まるでそういうことができてないのは国民が迂闊であり思慮不足であるかのようにお説教を垂れた。
近所のおばさんたちが寄っては骨折した母親のこと、丈夫なのがありがたいわあの母親のことなど語り合っていた、小さな喫茶店)
贅沢をしないで貯金をしなさい、そう教わった。
今はマイナス金利だし、貯金したら国内消費がますます伸びない。
こまったあげくに投資しろ、証券会社の回し者に成り下がった副総理兼財務大臣。
アベノミクスの壊滅的失敗を認め謝罪して割腹すべきだ。
これこそ、小泉やら竹中たちが先鞭を切って進めてきた新自由主義=自己責任路線の帰結だ。
どの国も大変な問題を抱えているんで、ひとつの問題が世界中に広がらないように、それぞれの国がそれぞれの問題を自分の内部で解決することに決まり日本も鎖国していてカタカナ語は規制ないしは自制されている。
放射能によって一定の年齢以上の者は死ぬ能力を奪われて七十代が「若い老人」、九十になってやっと「中年の老人」になり主人公は百歳を超えて毎朝ジョギング(今は駆け落ちと呼ばれる)を「犬貸し屋」で借りた犬とやって、ひ孫の世話を焼く。
若い者たちがどんどん死んでいったりどこかに消えてしまうので、幼い子供の面倒は「老人」の仕事になっている。
その「無名」という名前の曾孫はカルシュウムを吸収する能力がなく(他の子も同じ)、「苦しむ」と言う言葉の意味が理解できない、自分を可哀想だと思う気持ちもしらない、それが救い。
民営化された警察の主な活動は吹奏楽の演奏、制服を着てお尻を振って町を練り歩く。
平成に終止符が打たれ、社会の変化は坂を転げ落ちるように速度を増し、崩れた墓場の土の中から天保や天明の記憶が蘇ってくると、背の高い男性は喜ばれなくなっていった。食料が不足すれば、背の高い男性から順に弱って死んでいくからだった。滑稽だがシリアス、奇想天外だがリアル、笑いながら哀切、図書館の長い待ち行列の末に届いた短編集、待っただけのことはあった。
フクシマ、環境問題などが通奏低音だ。
キツネ 大都市では、夜になると髪の毛のにおいが強くなります。焦げた髪の毛のにおいではなくて、まだ生きて苦しんでいるんです、その髪の毛は。震え上がってかいた汗、うぬぼれのシャンプー、孤独に吸う煙草の煙、甘い欺瞞の粉ミルクにはガソリンのにおいが混ざっている。髪の毛のにおいがするとわたしは眠れない。キツネは不眠症であることの方が会社に勤めているより健康なので不眠症に専念する。
リス あなたの職業は不眠症ですか。
ネコもアルコールとジョギング依存症かつ会議依存症だった上司の悪口をいう。
動物たちは人間のような暮らしをすることでオカシクなるようだ。
急に2千万なんて…
投資して金がたまるなんて金持ちだけ。
この国の将来はどうなるんだろう?
これが現実だと突きつけられたら、あ、ホントだと納得できるような非現実。
行列に並んで読み切ってしまったのですか?
すごいなぁ。
すごいのは行列の長さか佐平次さんの速読技術か。
・・・・・そういうものに私はなりたい です
しかもすぐ海に墜ちるし、模擬戦では中国のJ20に負けるし、維持費が一機307億円もするというのに。
人類は月についていなかった、そのごのいろいろを読むと、そして現在のトランプとアベのありようを見ると、ほんとにあれはフェイクのような気がします。
今年は独りくらしになって、料理する気になりませんでした。
毎年届くタケノコのお届けもなかったです。(連れ合いの知人ですもの…。当然といえばそうですが)
気楽です。
わかります、到来ものを喜ぶ気持ちと、やれやれと思う気持ち、亡母はカツオが届くと半べそをかいていました。