どれだけ穴を掘って隠しても 村上春樹インタビューから
2019年 05月 22日
けさの東京新聞に「村上春樹さん特別インタビュー」の4回目が載っている。
ここで村上が語っている言葉はこのところ僕がブログに書いたりしている、歴史修正主義に対する批判でもあると思うのでその部分を引用する。
騎士団長は「歴史的な繋がり」「過去からのメッセンジャー」かもしれない? きのうは嵐の収まるのを待ち切れず、まだ小雨が降る中を傘もささずに歩きだした。
虫や鳥みたいなものだ。 公園で遊ぶ小さな姉妹があまりに可愛いので後ろ姿を撮って歩き始めたら、その母親が追いかけてきて、今何撮った、見せろ、消せ、全部消せ、とずっとついてくる。
ぜんぶ見せて上げて顔は映ってないことを確認しても、ぜんぶここで消せの一点張り。
僕の心の闇が動き出して「消します!」と言って、そのまま歩いてきた。
いい写真だけれど見せられないのが残念。 けさは大量の洗濯、干し方にひと工夫。
ルンバのブラシを替えたら吸い取る埃の量がぐっと増えた。
ルンバの会社に電話したら新しいのに買い替えを薦められたが、アマゾンで部品の交換ができることを知ったので1500円くらいで済んだ。
僕はそういうことに疎いのだが、今回はよくやったね。
ここで村上が語っている言葉はこのところ僕がブログに書いたりしている、歴史修正主義に対する批判でもあると思うのでその部分を引用する。
騎士団長は「歴史的な繋がり」「過去からのメッセンジャー」かもしれない?
どれだけ穴を掘って隠しても、出てくる時には出てくるんです。僕らは歴史というものを背負って生きていて、それはどれだけ隠しても必ず外にで出てくる。歴史は、自分たちが背負うべき集合的な記憶なのだと、僕は考えています。村上さんは、戦後の1949年生まれですね。
国家の論理によって大きな戦争がおこなわれ、人々が殺し合った生々しい記憶が、まだ空気に残っていた時代でした。戦争が絵空事ではないという意識は強くあります。僕らが固い地面だと思っているのは、実は軟らかな泥にすぎないのかもしれないです。そして戦争のような人間が持つ暴力性が
僕が小説の中で、手探りで用心深く扱ってきた、心の底の魑魅魍魎や闇の世界が、今のSNSとかのインターネットの仕組みの裏から、我々の表の世界にじわじわと忍びだしてきている気がします。心の底の闇の世界のしるしのようなものを、日常的なものごとの中に感じないわけにはいかないのです。過去から、そんなものがよみがえってくるような恐ろしさを感じることがあります。ツイッターを始めてみると、今まで知らなかったことをたくさん知ることができて有難いが、気をつけないと自分も闇の世界の踊り手囃し手になってしまうような危惧を感じるのは事実だ。
虫や鳥みたいなものだ。
ぜんぶ見せて上げて顔は映ってないことを確認しても、ぜんぶここで消せの一点張り。
僕の心の闇が動き出して「消します!」と言って、そのまま歩いてきた。
いい写真だけれど見せられないのが残念。
ルンバのブラシを替えたら吸い取る埃の量がぐっと増えた。
ルンバの会社に電話したら新しいのに買い替えを薦められたが、アマゾンで部品の交換ができることを知ったので1500円くらいで済んだ。
僕はそういうことに疎いのだが、今回はよくやったね。
Commented
by
eblo at 2019-05-22 08:38
ネット記事は、自分が知っていることは内容に違和感を感じることができますが、知らないことは、原因から現状までの辻褄があっていると信じてしまうことが多いです。その時は必ず作者を調べるようにしています。
ツィッターだと、有名人以外これができないので、何度も読み返して違和感のあるなしを確かめます。
写真消せに時代を感じました、通報されなかったということは善人とは思われたんでしょうね、そう考えて諦めるしかない?
ツィッターだと、有名人以外これができないので、何度も読み返して違和感のあるなしを確かめます。
写真消せに時代を感じました、通報されなかったということは善人とは思われたんでしょうね、そう考えて諦めるしかない?
0
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-22 09:34
Commented
by
antsuan at 2019-05-22 12:04
歴史隠蔽主義者が歴史修正主義者を非難すればするほど真実が明らかになって来ていますので、村上春樹の云うとおりです。
パル判事の判決文にある「時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、その時こそ、正義の女神はその秤を平行に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう」の予言通りになりました。
闇の世界の怨霊の気持ちを汲み取ることこそ、日本の文化ではないでしょうか。
パル判事の判決文にある「時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、その時こそ、正義の女神はその秤を平行に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう」の予言通りになりました。
闇の世界の怨霊の気持ちを汲み取ることこそ、日本の文化ではないでしょうか。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-22 12:34
> antsuan、ほんとに従軍慰安婦はいなかったと思っているのですか?
東京裁判が勝者による裁判であることは別に時を経なくとも公知の事実でしよう。
東京裁判が勝者による裁判であることは別に時を経なくとも公知の事実でしよう。
Commented
by
jarippe at 2019-05-22 13:48
世の中が恐ろしく感じてしまいます
隠されていたものがあらわになったり
大切な事が隠されて行われてしまったり
結果長閑な暮らしがやってくるのならいいのですが
写真の件のように疑心暗鬼になって堅い殻で
小さく自分を囲ってしまうようになるのでしょうか
写真って人物が入っていた方が生き切して雰囲気がいいのにね
私も人がいるととても気を使います
先日綺麗な景色を写していたら私有地だから写さないで
って言われました
隠されていたものがあらわになったり
大切な事が隠されて行われてしまったり
結果長閑な暮らしがやってくるのならいいのですが
写真の件のように疑心暗鬼になって堅い殻で
小さく自分を囲ってしまうようになるのでしょうか
写真って人物が入っていた方が生き切して雰囲気がいいのにね
私も人がいるととても気を使います
先日綺麗な景色を写していたら私有地だから写さないで
って言われました
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-22 15:26
> jarippeさん、じやあどかすか、塀で囲っておいたら、とでもいいたくなりますね。
Commented
by
sweetmitsuki at 2019-05-22 21:39
反政府運動家を別件逮捕するには充分過ぎる案件ですよ。
アベアソが国会で通そうとしている共謀罪とは、そういう人をそういうふうに捕まえるための法律なのですから。
ちょっと迂闊でしたね。
警察沙汰上等むしろ勲章だとお考えなのでしたら話は別ですけど。
アベアソが国会で通そうとしている共謀罪とは、そういう人をそういうふうに捕まえるための法律なのですから。
ちょっと迂闊でしたね。
警察沙汰上等むしろ勲章だとお考えなのでしたら話は別ですけど。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-22 21:50
> sweetmitsukiさん、やっぱりね、さっき「はじめ」でも女性たちにこんこんと諭されました。時代が違うって。
Commented
by
rinrin1345 at 2019-05-22 22:12
部品交換、こういう成功は、大変よく出来ました。ですね。
Commented
by
そらぽん
at 2019-05-23 01:42
x
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 05:37
> rinrin1345さん、工作音痴不器用な私にしては大殊勲です。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 05:40
> そらぽんさん、理屈では私が悪いのでしようが、どうも居心地が悪い、なにか見知らぬ世界にさ迷いこんだ感じがしました。
Commented
by
福
at 2019-05-23 06:37
x
ある若い男が言いました「ムラカミハルキはすごい、僕みたいに小説なんか読んだことないヒトでも魅了するんだから」
村上作品の本質をよく言い表わしていると感じます。
村上作品はインターネットと同じく、同時代性、相互性を持っていて・・・
そして、僕も村上作品のファンです。
村上作品の本質をよく言い表わしていると感じます。
村上作品はインターネットと同じく、同時代性、相互性を持っていて・・・
そして、僕も村上作品のファンです。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 06:43
> 福さん、じつは私はあまりいい読者ではなかったのですが、騎士団長は読み返したいと思いました。
Commented
by
ikuohasegawa at 2019-05-23 09:06
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 09:24
> ikuohasegawaさん、「好い」世の中になりました。
Commented
by
antsuan at 2019-05-23 11:49
佐平次さん、東京裁判は勝者による裁判と云うだけでなく、歴史の真実を隠蔽する為の裁判であったことが、パル判事の言わんとするところであります。
朝鮮人の慰安婦が嘘をでっち上げて騒ぐ理由について、ドイツ兵と関係を持ったフランス女性がどういう仕打ちを受けたかをありのままに撮った、ロバート・キャパの写真で一目瞭然でしょう。
朝鮮人の慰安婦が嘘をでっち上げて騒ぐ理由について、ドイツ兵と関係を持ったフランス女性がどういう仕打ちを受けたかをありのままに撮った、ロバート・キャパの写真で一目瞭然でしょう。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 12:54
> antsuan、わかりません。
Commented
by
cocomerita at 2019-05-23 15:29
Ciao saheiziさん
、、私は子供の後ろ姿(後ろ姿でしょ?)を撮った事が悪いとは全く思わないのです
それを母親が消せと詰め寄る
そしてそれを皆さんはsaheiziさんが迂闊だったとおっしゃる
なんかどこか違うなと思います
私はそのお母さんの反応が過剰だとしか感じないので、、
なんというか、、疑心暗鬼でガチガチの母親と、それが普通だと認める社会は私には逆に薄気味悪いのです。
例えばさ、昔は電車に乗っていると飴とかくれる人いましたよね
きっとそういう事も出来なくなっているのでしょう
社会って、皆が多かれ少なかれ集うところじゃないの?
それを、なんだか寄ってたかって、人を疑う事が当たり前、だから防御の一点張りで知らない人を知ろうともしないし、知らない人の災難も見て見ぬ振り
だから孤独死とかが頻繁に起きるのです
私はそして、そういう社会に合わせたくないなと、死んでも合わせたくないなと思います
だから、saheiziさんの行動が迂闊だったなどとは私は思いませんけどね
、、私は子供の後ろ姿(後ろ姿でしょ?)を撮った事が悪いとは全く思わないのです
それを母親が消せと詰め寄る
そしてそれを皆さんはsaheiziさんが迂闊だったとおっしゃる
なんかどこか違うなと思います
私はそのお母さんの反応が過剰だとしか感じないので、、
なんというか、、疑心暗鬼でガチガチの母親と、それが普通だと認める社会は私には逆に薄気味悪いのです。
例えばさ、昔は電車に乗っていると飴とかくれる人いましたよね
きっとそういう事も出来なくなっているのでしょう
社会って、皆が多かれ少なかれ集うところじゃないの?
それを、なんだか寄ってたかって、人を疑う事が当たり前、だから防御の一点張りで知らない人を知ろうともしないし、知らない人の災難も見て見ぬ振り
だから孤独死とかが頻繁に起きるのです
私はそして、そういう社会に合わせたくないなと、死んでも合わせたくないなと思います
だから、saheiziさんの行動が迂闊だったなどとは私は思いませんけどね
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 16:17
> cocomeritaさん、おっしゃる通り!私も倫理的にも法的にも何も悪いことをしたとは思いません。
ただそういう人を見たら疑えの社会になっていることを軽く見すぎていたということです。もし通報されてブタ箱に入れられたら!決して大袈裟でなくあり得る社会になっているのです。
その点で迂闊な失敗をした私が悪いのです。
こんなことで死にたくはないですよ。
昨日「はじめ」で、僕は「あんまり可愛いから写真を撮りたくなつた、と言ったらお母さんが喜んで楽しい会話ができる」そんな展開が真逆になったので意地になって、その場で消去することを拒絶したのだと言ったら「よく分かるけどアウト、それが今のお母さんたちが受けている教育なんだと言われました。寂しい社会になりました。
ただそういう人を見たら疑えの社会になっていることを軽く見すぎていたということです。もし通報されてブタ箱に入れられたら!決して大袈裟でなくあり得る社会になっているのです。
その点で迂闊な失敗をした私が悪いのです。
こんなことで死にたくはないですよ。
昨日「はじめ」で、僕は「あんまり可愛いから写真を撮りたくなつた、と言ったらお母さんが喜んで楽しい会話ができる」そんな展開が真逆になったので意地になって、その場で消去することを拒絶したのだと言ったら「よく分かるけどアウト、それが今のお母さんたちが受けている教育なんだと言われました。寂しい社会になりました。
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-05-23 16:23
> cocomeritaさん、追伸、子供がイタズラしても他人から注意されたら感謝するなんて考えられない社会があんな丸山議員とかアベとか忖度官僚などを作り出しているような気がします。
本当の危険はそういう社会そのものにあるってことに気がつかないのか、問題にしたくないのか、腹立たしくもなります。
本当の危険はそういう社会そのものにあるってことに気がつかないのか、問題にしたくないのか、腹立たしくもなります。
by saheizi-inokori
| 2019-05-22 07:46
| 原発はいらない
|
Trackback
|
Comments(21)