平成最後の食事

火曜日、雨が降っているが燃えるゴミの収集日、大きな袋を二つ持つと傘をさせない、春雨じゃ濡れてまいろう。
「牡丹華」、牡丹花咲く、雨に濡れている牡丹も悪くないか。ＮＨＫ衛星は、地上波に総動員なのか、再放送で手抜き？
おかげで、左手だけのピアニストたちの物語と音色、引き続いてフイリピン・セブのスラム街の子供たちに音楽の楽しみを教える日本人の物語と子供たちの笑顔を見ることができた。

水道も電気もない、あるのはゴミとぬかるみ、子供たちはゴミの山に登って（危ない！）ペットボトルを探して一日１０円稼ぎ、盥に洗濯板で洗濯して家計を助ける。
そういう子供たちにしてあげられることは？大阪の音楽大学を出てプロの音楽家をめざしていた永田青年は現地に飛び込んで子供たちに呼びかけてオーケストラを作る。
音楽を通じて友だちができ、自信を得て生きていける、なかなか会えない父や母にも届けと演奏する。
諦めていた大学に音楽特待生で進学できそうな男の子もいる、親を助けるために大学に行きたいのだ。
「地の塩」というのとはちょっと違うかもしれないが、こういう人はまだ存在しているのだ。きのうの駒沢公園、さすがに子供連れの家族が多かった。普段とは違う道を歩くと、ああ、これはこんなにおっきな木だったことを発見する。大きな木のまわりで遊ぶのっていいね。医療センターは休みだけれど、入院患者たちの便宜のためにファミマが営業していることを宿直の男性が教えてくれた。
電話をつないでくれたけれど、「接客中なのか出ません、もう一度かけましょうか」「いえいえ、今から行ってみます」。
用というのは、二日の内視鏡検査に備えて検査食を買うのだ。
３０日１日と二日間検査食、普通のコンビニにはないし、薬局は休みだし、病院の中のコンビニならと思ったのが当たり。
そういう訳で、平成最後の日と令和最初の日は検査食、酒もダメ。一日１１７７Ｋｃａｌ、ちゃんとクッキーやジュースもついている。
カミさんが病院の指示を守って三食作ってくれると言ったが、この方が面倒がないし、ちょっと節食してみたかったのだ。
そもそもイマサラ内視鏡（大腸と胃腸）検査などやる気はなかったのだが、心臓の先生と二年前にポリープが見つかったことなどを話しているうちに、隣の部屋の光学科（そんなのがあるんだ）の先生に話をしてくれてついつい、「８０まではやった方がいい」と若い光学科医師も言うしよ。
「はじめ」で、つまらないことをやることになっちゃった、といったら、「少しでもお酒をやめられるのはいいことよ」とＴさん。
けさ食った鮭フレーク入りの和風粥と乾燥豆腐の味噌汁（カツブシ粉末と浅利エキス）は、まあまあ、そんなに不味くはなかった。ときどき行く酒屋、秋田横手の「阿櫻」を買って、これは燗が断然ウマイ。
昨夜は二日間のダイエットに備えてチョイと飲みすぎた。「翁寿司」、親方が間質性肺炎でずっと休業。
たまにお母さんと逢えると「元気は元気だけど、吸入器が離せない」。
僕の一つ下だから、回復しても（遠くなった）豊洲まで仕入れに行くような真似はできない。
義母や孫たちやいろんな人たちと、ここに来るときのワクワク、「お楽しみはこれからだ」の感じを思い出しながら店の前を歩くのだ。
昭和ならぬ平成は遠くなるのだ。