親子が泣いた 狂言「ぬけから」&能「夜討曽我」
2019年 01月 31日
アベノミクスの成果が上がらないのを、統計のインチキ操作で胡麻化していることを分かりやすく暴露した本だ。
今回、毎月勤労統計のインチキが表に出ても厚労省は、賃金上昇があったと喧伝された2018年の実質賃金の本当の伸び率(減少率)を示そうとはしなかった。
実質賃金は大幅にマイナスだった!

その瞬間、
野党議員たちの間から「ウォー」と どよめき が起きた。長妻昭元厚労大臣は「これは凄い」と感嘆の声をあげた。と、田中龍作ジャーナルは伝えている。
今ごろ、「ウオー」もないもんだとは思うけれど。

狂言「ぬけから」
主(アド・深田博治)にお使いを頼まれた太郎冠者(シテ・野村萬斎)は、いつもならお使いを頼むときは酒を飲ませるのに、今回は忘れている、これが前例になっては困ると、遠回しに催促する。
正面切っていいにくいことを、似た言葉を使ったり、他の事例を言挙げしたりして気がつかせよう、僕も身に覚えがある。
これって、こっちの下心に気がつかれるとキマリが悪い、気がつかないふりをしてくれても、それもキマリが悪い、なんか催促したみたいで、なんちゃって。
めでたく主は気がついて酒を飲ませてくれた(そこまでのやり取りが面白い)のはいいけれど、太郎冠者は飲みすぎてしまう。
お世辞を言いながら、意地汚くもう一杯を欲しがる太郎冠者は、若い頃の僕みたいだ。
足をとられふらつき歩く、舞台から落ちないかと心配になる。
とうとう寝てしまったのを見つけた主は鬼の面をかぶせて知らん顔。
目覚めた太郎冠者は、水を飲もうとして清水に写った自分の顔にびっくり仰天。
鬼は使えないから出ていけと言われた太郎冠者が座り込んで泣く姿が可哀そうだ。


幽霊も出なければ和歌もない面もつけない。
富士の巻狩りの場を利用して父の敵を討った曽我兄弟の秘話とでもいおうか。
とても分かりやすい言葉で、普通の新劇を見ているようだ。
曽我五郎(シテ・辰巳満次郎)が上背もありいかつい顔の表情豊かに(ふつうの能は、素面でも表情を変えない)侍を演じてお子ちゃまも喜ぶ能、こういうのも必要だったのだろう。
アイ狂言の野村万作と石田幸雄が、面白かった。
卑怯にも女装して曽我兄弟から逃げてきた大藤内という臆病な神主、万作が「助けて下され」と幕から転げでてきた、その姿になんともいえないオーラがあって、万作さんが出ていることに気がついた。
狂言で萬斎が泣き能で万作が泣いた。

辰巳満次郎氏なら、面は無い方が迫力ですね(^O^)
いつも拝見していて 興味が湧き見たくてたまらなくなってしまいました