一茶はルノーと仲がいい ルノー・ガニュー メモリアル・コンサート
2019年 01月 15日
小学校の友達、池田充君から恵比寿日仏会館のコンサートへの招待状が届いた。
昨年亡くなったフランスの作曲家、ルノー・ガニューを偲ぶメモリアルコンサートだ。

(雲ひとつない恵比寿)

昨年亡くなったフランスの作曲家、ルノー・ガニューを偲ぶメモリアルコンサートだ。

ガニューは、信濃町野尻湖に来て一茶の俳句を知り、ジャコメッテイを思わせる、無駄をそぎおとした世界に魅せられて、句に合わせた曲を作った。
また、その地に住む池田君の一茶の句を描いたみごとな版画に接し、その版画にも曲をつけた。
酒飲みの音楽家は面倒見のよい池田君と親交を深めずいぶん世話にもなつたようだ(ピアノの末高明美さんの話)。
会場について池田君と久闊を叙す。
病気と聞いていたのに元気そうでほつとする。

日本語、フランス語それぞれ二回づつ句を読んでピアノを弾く。
フランス語の響きが詩的だ。
一句はぴたり一分(残響を除く)とガニューの言葉が遺されている。


ひぐらしや、の句ではピアニストが小さな鈴をかそけく鳴らす。
中勘助が、野尻湖の弁天島宇賀神社に籠って「銀の匙」を構想したとか書いたとか、池田君とモーターボートで神社に行ったのは数年前のことだ。
間奏曲「宇賀神社」を聴き、日本の歌メドレ―(フルート、フアゴット、ピアノ)で「浜辺の歌」「七つの子」「故郷」と畳みかけられると涙腺が緩んでくる。
70年前からのいろいろ忘れられない思い出のある野尻湖を詠んだ句と音楽と絵が渾然となっているのだもの。

池田君と長野での再会を約して帰った。
また、その地に住む池田君の一茶の句を描いたみごとな版画に接し、その版画にも曲をつけた。
酒飲みの音楽家は面倒見のよい池田君と親交を深めずいぶん世話にもなつたようだ(ピアノの末高明美さんの話)。
会場について池田君と久闊を叙す。
病気と聞いていたのに元気そうでほつとする。

フランス語の響きが詩的だ。
一句はぴたり一分(残響を除く)とガニューの言葉が遺されている。
山寺や 雪の底なる 鐘の声先日みた狂言「鐘の音」の鎌倉の極楽寺の鐘の音に負けないぞ。
三弦(しゃみせん)の ばちで掃きやる 霰かなこれと次の句は池田君の版画に作曲したものだ。
一番に 乙鳥(つばめ)のくぐる 茅の輪かな
赤馬の 鼻で吹きたる 蛍かな

ゆう然として 山を見る 蛙かな俳句のもつ視覚的聴覚的イメージ、さらに思弁的イメージを音と絵で表し、その絵(版画)にまた音をつける、ややこしくも楽しい曼荼羅。
しずかさや 湖水の底の 雲の峰
ひぐらしや 急に明るき 湖の方
しばらくは 湖いっぱいの 玉火かな

中勘助が、野尻湖の弁天島宇賀神社に籠って「銀の匙」を構想したとか書いたとか、池田君とモーターボートで神社に行ったのは数年前のことだ。

70年前からのいろいろ忘れられない思い出のある野尻湖を詠んだ句と音楽と絵が渾然となっているのだもの。


心から溢れ出てしまいそうな幸福感に浸った時間・・・・・
趣きのあるコンサートですね。
趣きのあるコンサートですね。
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> hisako-baabaさん。肩の凝らないコンサートでしたよ。
近所も背の高い梅の木、お日様に近いから日当たりもいいのかな。
近所も背の高い梅の木、お日様に近いから日当たりもいいのかな。
> jarippeさん、ナウマン象とか、ね。
ええ時間でしたねぇ〜
> takoomesanさん、はい、別世界に遊んだ半日でした。

> j-garden-hirasatoさん、他にもソナタを聞きましたが、これは難解な現代音楽でした。
> 福さん、嫌らしさや欲望を含めて人間臭く、自然や小動物への眼差しも親しみやすいから幅広いファンがいるのではないでしようか。
大分前に似たような企てに参加したとき、フランス人は芭蕉に劣らない一茶愛好者がいる、アニミズムに親近感を抱くのだというような話を聞いたような記憶があります。
大分前に似たような企てに参加したとき、フランス人は芭蕉に劣らない一茶愛好者がいる、アニミズムに親近感を抱くのだというような話を聞いたような記憶があります。

こんな世にも稀な芸術があるのですね。
saheiziさんがだんだん別世界の人になっていくような。
saheiziさんがだんだん別世界の人になっていくような。
by saheizi-inokori
| 2019-01-15 10:16
| 能・芝居・音楽
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Comments(14)