難しいけれど マーク・リラ「リベラル再生宣言」
2018年 12月 29日
はあちゃんがケルヒャーのスチーム清掃機で大掃除を手伝い、夜はチャーハンを作ってくれて、釣りに行ってはワカサギをたんと釣って、僕に貰った図書券で「恋するせつない歴史人物事典」 を買って、きょうはサッカーの「蹴り納め」、サエはひとりで長崎のパパを訪ねて『鯨の刺身」と「牛かん」を食べたことなどラインをくれて、二人の兄姉は受験勉強真っ盛り、ヨカヨカ、みんな元気に年を取れ。
昼下がりはFMをBGMに本を読むのが日々の習わしだが、きのうは子供の頃の我が手伝い風景を思いだした。
窓拭き、田作りの下ごしらえなど手伝いながら、真空管ラジオから聞こえてきたのは「聴取者が選ぶ世界の映画音楽、ベスト○○」みたいな特集番組、「リオ・ブラボー」だの「風と共に去りぬ」だの、自分が好きな曲がいつかかるか、わくわくして七輪の上のフライパンをかき混ぜた。
今のラジオはおしゃべりが多くて邪魔だ、テレビが仕事のじゃまをするのよりはましだけれど。
おしゃべりが邪魔といえば、テレビの旅番組で異国の人がしゃべる場面で日本語の吹き替えはほんとに無粋だ。
知らない言葉をどんな声でどういう語り方をするのか、人や風土を知るだいじな手がかりを、みんな同じような・日本人でもありえないようなしゃべり方にしてしまう。
トランプやアベの言葉を聴いて愉快にはならないが、あの話し方を聞けば彼らの人物がはっきりわかるというものだ。
きのうだったか、衛星の海外ニュースで同時通訳をしている人たちの話を特集していて、アメリカの放送を担当している女性が、「トランプは文法的な間違いや、とても考えられないような言葉遣いをするから、訳すのが難しい」と云っていた。 そういうトランプがリベラル再生のチャンスを用意しているのに、このままではリベラルはそのチャンスを活かせないと、コロンビア大学政治思想史教授が明快に語る。
彼の処方箋は 右のレーガンの時代にリベラルもアイデンティティ政治という「疑似政治」に陥り、「私たち・市民」ではなく「私」が関心事となって、市民たちの全般的な(差別反対など、その運動の関係者を除く)共感をうしない実際に国を動かす力もなくしてしまったと、様々な事例をあげつつ説く。
リベラルが大学の中の知的人物たちだけのものになって、広く国民、とくに労組など、から遊離してしまった。 (青森・横浜のナマコ、カミさんが割いてくれて僕がラップにくるんで冷凍、楽しみに頂こう)
人種、ジェンダー、LGBTにこだわる、妊娠中絶に反対する教会を排除することで、民主党支持者になるはずのかなりの票を失った。
そういうことの積み重ねがトランプを大統領にしたのかもしれない。
日本でも市民連合の動きは、野党統一候補擁立に見られるように、簡単ではないようだ。
市民としての立場を大事にするということは、反対意見の人をも受け入れることであり、それは自分の意見を無化することにも繋がる(場合が少なくない)。
「寛容」こそ民主主義なのだ。
夏目大 訳
早川書房
窓拭き、田作りの下ごしらえなど手伝いながら、真空管ラジオから聞こえてきたのは「聴取者が選ぶ世界の映画音楽、ベスト○○」みたいな特集番組、「リオ・ブラボー」だの「風と共に去りぬ」だの、自分が好きな曲がいつかかるか、わくわくして七輪の上のフライパンをかき混ぜた。
今のラジオはおしゃべりが多くて邪魔だ、テレビが仕事のじゃまをするのよりはましだけれど。
知らない言葉をどんな声でどういう語り方をするのか、人や風土を知るだいじな手がかりを、みんな同じような・日本人でもありえないようなしゃべり方にしてしまう。
トランプやアベの言葉を聴いて愉快にはならないが、あの話し方を聞けば彼らの人物がはっきりわかるというものだ。
きのうだったか、衛星の海外ニュースで同時通訳をしている人たちの話を特集していて、アメリカの放送を担当している女性が、「トランプは文法的な間違いや、とても考えられないような言葉遣いをするから、訳すのが難しい」と云っていた。
彼の処方箋は
①運動による政治よりも、政府機関、議会による政治を優先せよ。そうして、リベラルの共通の目的は
共和党・右派が実質的な力を握り続けてきたのは、この民主政治の基本原則を(リベラルとは違って)直感的に理解していたからだ。
②目的のない自己実現よりも、民主的な手続きを通じて自分たちの意見を通すことを優先すべきだ。それは、
③集団や個人のアイデンティティよりも、誰もが市民であることを優先すべき、ということだ。
④国が個人主義的になり、細分化が進んでいる時代だからこそ、全体を一つとみる市民教育が緊急に必要となる。
国民を鼓舞する前向きなビジョンを提示できるような位置に立つこと。
アメリカとは現在どういう国であり、リベラルの政治的行動によってどういう国になり得るか、というビジョンを提示できるようにならなくてはいけない。
リベラルが大学の中の知的人物たちだけのものになって、広く国民、とくに労組など、から遊離してしまった。
人種、ジェンダー、LGBTにこだわる、妊娠中絶に反対する教会を排除することで、民主党支持者になるはずのかなりの票を失った。
そういうことの積み重ねがトランプを大統領にしたのかもしれない。
日本でも市民連合の動きは、野党統一候補擁立に見られるように、簡単ではないようだ。
市民としての立場を大事にするということは、反対意見の人をも受け入れることであり、それは自分の意見を無化することにも繋がる(場合が少なくない)。
「寛容」こそ民主主義なのだ。
夏目大 訳
早川書房
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urontei at 2018-12-29 22:50
「寛容」 こそ民主主義。
ホントにそうですね。
しかし自分にそれが出来ているかどうか、自問する日々。
なかなか受け入れられないんですよね、アベさんのこと・・・(^^;
ホントにそうですね。
しかし自分にそれが出来ているかどうか、自問する日々。
なかなか受け入れられないんですよね、アベさんのこと・・・(^^;
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saheizi-inokori at 2018-12-30 06:24
> uronteiさん、あはは、アベを受け入れたら民主主義は終わりですものね。
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j-garden-hirasato at 2018-12-30 07:03
外来種らしき鳥が柿に群がっていますね。
植物だけでなく、鳥まで…。
植物だけでなく、鳥まで…。
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saheizi-inokori at 2018-12-30 10:22
by saheizi-inokori
| 2018-12-29 12:03
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(4)