雨でもいい、紅葉が終わっていてもいい、と書いたけど、実際に紅葉を見ると、ああ、晴れていればどんなにかきれいだろうと思う。
その思いを会津の神は叶えてくれて、湯西川温泉を過ぎるあたりから素晴らしい秋晴れとなつた。
そらさんが教えてくれた「ひつじだ」もばつちり。
田島のホテルで銭湯を訊いたら、代わりにアドバイスされて急きょ会津線で湯野上温泉に向かった。
半世紀前に亡妻が初めて会津にきたときにここに来た、それ以来だ。
駅近くのえびす屋で露天風呂にはいる。
独占する極楽。
ふうつ。
はあっ。
身も心も暖まって夕闇の湯野上温泉をあとに田島に戻る。
ぶらりと入った店で、会津ミシラズ柿ならぬ生牡蠣を食う。
酒は男山の燗。
会津生まれで浜松暮らしが長かった職人と語りながら飲み食うとBGMは「メモリーズオブユー」、出来すぎ。
大きな椎茸、あら汁うまし。
方言を聞きたくなって、店を出る。
誰にも会わずうろつく。
あの灯りは?
そそられたが通過。
あった。男鹿出身、田島に30年という陽気なママの方言をたっぷり、カラオケもして、ああ、酔っ払った。
会津はいいなあ。