百歳翁が恋に狂い、弁財天が舞う
2018年 10月 26日
その上、右肩右腕が痛く、ガマンシイシイダイソン。
箸より重いものを持たない毎日だから、たまの掃除ごときで「変形した骨」が存在を主張する。
能「竹生島」に
竹生島も見えたりやという詞章がでてきた。
緑樹影沈んで
魚木に上る景色あり、月海上に浮かんでは兎も浪を走るか
面白の浦の景色や
役者たちが僕のために歌ったり舞ったりしてくれたぞ。
「女体」という小書きで後シテが龍神とならず弁財天となって(井伊直弼の演出という)、ほがらかに盤渉楽を舞う。
それもよかったが、後ツレの龍神も勇ましくて気持ちが高揚した。
きのうは狂言「枕物狂」の方が面白かった。
百歳の祖父(千作、前の千作かと思うほど似てきた)が、恋に狂う。
片肌抜いて笹を左肩に、右手に扇子という物狂いの姿でフラフラと泳ぐように登場、松のところで眠れない恋の悩みをうたう。
笹の先には枕が結び付けられていて、恋人が来てくれれば膝枕、来なければ手枕なんて色っぽい歌をうたう。
二人の孫が噂がほんとなら爺ちゃんの思いを遂げさせようと、告白させようとするが、とぼけて年甲斐もなく恋なんかするものではないと、先人の例を引いて説教するうちに、ついつい自分が主人公になってオイオイ泣き出してしまう。
小鮎の山椒炊き、一袋買って来て晩酌のつまみにしたら、うまいのなんの、おつもりのはずが、小さなグラスにもう一杯酒を追加してしまった。
東京ラーメンショーのイベント、素人のカラオケ大会だった。
機械の採点は、ウマイより正確が求められるから、あの人は優勝しないかもしれないな。
いつもの木もなんだかスカスカしているけれど、少しずつ色づいてきた。
(土屋)先生の人商人に対抗できるシテはあまりいないと思うのです。友枝昭世さんだって弱いと思うんです。といっている。
(宝生)昭世ちゃんは芸尽くしの方に重点がいっちゃってるから、懸命に子供を取り戻そうっていうふうにはならないんだよね。冷えちゃってるって感じがするんだよね。
厳島で友枝昭世と宝生閑の「自然居士」を観たのに、先日の観世清和の方がワクワク感があって楽しかったのは、そういうことかもしれないと思った。