振りむかないで 「タンゴ・イン・ザ・ダーク」(サクラ・ヒロ)
2018年 07月 16日
5時半から4時間近く、バタバタやって、コーヒーを淹れる気力がなくなって、50メートルほど離れたローソンにカフェラテを買いに行った。
夜明けなのか夜中なのか、土のなかから出て来て道を横切ろうとして太陽光線にやられて干乾びてしまったミミズを想う。
珈琲を淹れるくらい、食器洗いのかたわらときどきお湯を注いでいればできるのに、こうしてわざわざ殺人光線にあたりに出てくるなんざ、ミミズ並みの思慮のなさ、梟通信~ホンの戯言じゃなくて、みみずの戯言とするか。
帰って、アマゾンで「みみずのたはごと」を注文した、何ごとも縁、ミミズの縁だ。
未知の作家、なんでこの本を図書館に予約したのか見当もつかなかった。
読み終わって「面白そうだから」予約したのだと、了解した。
その予感は正しかったということも。
若い真面目な、ちょっとハルキ風ないしは市役所吏員だというのが、カフカだったかカミュだったか、なんだかその種の雰囲気があって炎熱燃ゆる外をながめながら足をだらしなく伸ばして読むにふさわしい。
チョット変わり者の哲学者の父親が「意味のある漢字を使うことで親の願いを託すなんて野蛮なことだ、なるべく意味のない、簡潔な名前をつけようとしてKと名付けた(戸籍上は惠、一卵性双生児の妹は恵)」、かなり・相当・大いに変わり者のKと結婚、平穏かつ幸せな日々を送っているかに見えたが、、
Kが地下室に籠ってしまう。
夕食につくっていた天ぷらの油が跳ねて火傷をした顔を見せたくないのだという。
といつても、何時までたっても出てこないKは、アマテラスかオルフエウスが救いだしに行った黄泉の国の
エウリュディケなのか、彼女は地下室で何をしているのか、毎日、男が役所に行っている間に天ぷらを揚げて食卓の上においてある。
そのうち、男はKの顔を忘れる。
図書館に行って、人間の記憶についての理論を読んでみたりする。
過去に経験した出来事を脳内に貯蔵して、必要の都度それを取り出すという「コピー理論」は今では時代遅れの理論で、
現在の自分が変われば。記憶は変わる。
つまり記憶は過去ではなく。現在に属するものなのだ。
Kと会って5年になるが、僕はKをどのように思い出せるのだろう。
僕が持っているK像とは、ほとんど僕が勝手に作り上げた虚像に過ぎないのではないか。
(ゆうべの、一人晩飯@アントレアントレ、トマトの煮びたしと(お汁がうまい)野菜サラダのオードブル)
Kは,Kが作ったコンピューター・パズルゲーム「オルフエウス」のユーザーランキングトップテンに入ったら、地下室のカギを開けてやるという。
そのパズルゲームは300万人ものユーザーがいる、先天的なIQと運動神経だけで勝敗が決してしまうような難度の高いもので、男は歯がたたない。
(メインのプロシュート)
地下室の暗闇のなかで、男はフルート,Kはギターで、バッハのシチリアーノを演奏し(ミスするたびに指が切り取られたりする、、あとで見ると元通りになっているけれど)、ようやく完全な演奏が終わると二人は暗闇の中で抱き合う。
Kは、ビアソラを要求し、「ナイトクラブ1960」、、エロテイックなK(ギターを弾いているのに)の無数の指先が僕の身体を愛撫するのを感じる。「タンゴの歴史」、、地下室の闇の中に無数の小さな動物が跳びはねて僕の方に押し寄せる、、あ、Kが蛇になって、、「ブエノスアイレスの四季」、、あとは読んでください。
春琴抄などもちらちら、第33回太宰治賞受賞作。
筑摩書房
僕の持っているビアソラのCDには入ってないかな(ところでビアソラどこに行った?)。
野菜のスパイスグリル、トマトなど野菜の多いメニュー、生ビール一杯つき2300円、買い物も後片付けも不要、ビール一杯だけというのが魅力だ。
プロシュートの皿に載っていた野菜とビリヤ二、ね、野菜が多いでしょ。
目の調子がまたもや悪くなって、ブログ・イン・ザ・ダーク状態。
佐助になりたいわけじゃないのに。
夜明けなのか夜中なのか、土のなかから出て来て道を横切ろうとして太陽光線にやられて干乾びてしまったミミズを想う。
珈琲を淹れるくらい、食器洗いのかたわらときどきお湯を注いでいればできるのに、こうしてわざわざ殺人光線にあたりに出てくるなんざ、ミミズ並みの思慮のなさ、梟通信~ホンの戯言じゃなくて、みみずの戯言とするか。
帰って、アマゾンで「みみずのたはごと」を注文した、何ごとも縁、ミミズの縁だ。
読み終わって「面白そうだから」予約したのだと、了解した。
その予感は正しかったということも。
若い真面目な、ちょっとハルキ風ないしは市役所吏員だというのが、カフカだったかカミュだったか、なんだかその種の雰囲気があって炎熱燃ゆる外をながめながら足をだらしなく伸ばして読むにふさわしい。
チョット変わり者の哲学者の父親が「意味のある漢字を使うことで親の願いを託すなんて野蛮なことだ、なるべく意味のない、簡潔な名前をつけようとしてKと名付けた(戸籍上は惠、一卵性双生児の妹は恵)」、かなり・相当・大いに変わり者のKと結婚、平穏かつ幸せな日々を送っているかに見えたが、、
Kが地下室に籠ってしまう。
夕食につくっていた天ぷらの油が跳ねて火傷をした顔を見せたくないのだという。
といつても、何時までたっても出てこないKは、アマテラスかオルフエウスが救いだしに行った黄泉の国の
エウリュディケなのか、彼女は地下室で何をしているのか、毎日、男が役所に行っている間に天ぷらを揚げて食卓の上においてある。
そのうち、男はKの顔を忘れる。
図書館に行って、人間の記憶についての理論を読んでみたりする。
過去に経験した出来事を脳内に貯蔵して、必要の都度それを取り出すという「コピー理論」は今では時代遅れの理論で、
人は何かを思い出すたびに物語を創作するように記憶を再構築するという「再構成理論」が主流となっている。
現在の自分が変われば。記憶は変わる。
つまり記憶は過去ではなく。現在に属するものなのだ。
Kと会って5年になるが、僕はKをどのように思い出せるのだろう。
僕が持っているK像とは、ほとんど僕が勝手に作り上げた虚像に過ぎないのではないか。
Kは,Kが作ったコンピューター・パズルゲーム「オルフエウス」のユーザーランキングトップテンに入ったら、地下室のカギを開けてやるという。
そのパズルゲームは300万人ものユーザーがいる、先天的なIQと運動神経だけで勝敗が決してしまうような難度の高いもので、男は歯がたたない。
地下室の暗闇のなかで、男はフルート,Kはギターで、バッハのシチリアーノを演奏し(ミスするたびに指が切り取られたりする、、あとで見ると元通りになっているけれど)、ようやく完全な演奏が終わると二人は暗闇の中で抱き合う。
Kは、ビアソラを要求し、「ナイトクラブ1960」、、エロテイックなK(ギターを弾いているのに)の無数の指先が僕の身体を愛撫するのを感じる。「タンゴの歴史」、、地下室の闇の中に無数の小さな動物が跳びはねて僕の方に押し寄せる、、あ、Kが蛇になって、、「ブエノスアイレスの四季」、、あとは読んでください。
春琴抄などもちらちら、第33回太宰治賞受賞作。
筑摩書房
僕の持っているビアソラのCDには入ってないかな(ところでビアソラどこに行った?)。
佐助になりたいわけじゃないのに。
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unburro at 2018-07-16 15:07
暑中お見舞い申し上げます。
saheiziさん!
どう考えても、動き過ぎ、頑張り過ぎ、読み過ぎ、です。
楽しい会食にお出掛けになるのは良いことですが、
外出の前後などは、も少しゆっくりされる方が良いのでは…
日祝無しの自営業、6人家族(内1人102歳)の主婦よりも、
saheiziさんの方が、活動されていますよ〜
と、老婆心ながら申し上げます。
お目々をお大事に、お身体ご自愛くださいませ。
saheiziさん!
どう考えても、動き過ぎ、頑張り過ぎ、読み過ぎ、です。
楽しい会食にお出掛けになるのは良いことですが、
外出の前後などは、も少しゆっくりされる方が良いのでは…
日祝無しの自営業、6人家族(内1人102歳)の主婦よりも、
saheiziさんの方が、活動されていますよ〜
と、老婆心ながら申し上げます。
お目々をお大事に、お身体ご自愛くださいませ。
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saheizi-inokori at 2018-07-16 16:21
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takoome at 2018-07-16 21:36
最近、隠居の御飯に嫉妬気味、
自分で作る御飯にウンザリなんだな!
自分で作る御飯にウンザリなんだな!
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saheizi-inokori at 2018-07-16 22:06
> takoomeさん、私も自分で買い物をして作って片付けてにウンザリしてます。
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ikuohasegawa at 2018-07-17 03:47
連日連夜、旨そうな料理で羨ましいです。
元気の元!元気の元!
元気の元!元気の元!
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j-garden-hirasato at 2018-07-17 07:02
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jyon-non at 2018-07-17 09:03
目は、全身の影響を受けるそうです。疲労、過労、睡眠不足は禁物。労わって下さいね。お大事に。
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saheizi-inokori at 2018-07-17 09:24
> ikuohasegawaさん、こうして写真を並べると王候貴族もかくや?
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saheizi-inokori at 2018-07-17 09:25
> j-garden-hirasatoさん、なるほど変な設定が受賞の理由、言えてるかな。
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saheizi-inokori at 2018-07-17 09:27
> jyon-nonさん、ありがとう。いろいろ思い当たります。ストレス解消のために飲み過ぎもあつたなあ。反省。
by saheizi-inokori
| 2018-07-16 12:56
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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