退役軍人と陣取りごっこ
2018年 07月 15日
ミニトマト、洗いながらつまみ食いもし、柔らかいパセリを一枝むしって、アスパラも二本ばかりさっとゆでる。
それに塩をふったら朝のサラダの出来上がり、今朝はちょっと物足りない気がして、玉ネギを5分の一ほと、櫛に切る、面倒だからザクザクと太く切って、水に漬けることもしない。
それをそのままかじると、おお、からっ!
その辛さが僕の朝飯に、そして僕に喝をいれてくれた。
このあと会費5500円で昼間からワインを飲んでフランス料理を食ったくせに。
86歳の大先輩を囲む会、前日のNY研修の会が、楽しい思い出を共有する、今も僕以外は現役バリバリの会なら、こっちは苦しい戦いを共にした「戦友の会」、9人集まったなかで僕は年頃真ん中の、いわば退役軍人の集まりだ。
一時は長くないといわれた肝臓がんの破裂を奇蹟的に乗り越えた大先輩がこのほど11日間ヨーロッパの旅から元気に戻られた土産話が、噺の皮きりだ。
白内障手術の話になって「じゃあ、僕も早いうちにやっとこうか」で「早いうち?!」と云った本人もみんなも大笑い、「若いうち」とは言ってないぞ、とまた笑う。
一定の年代以前の人たちとの会話には、どことないユーモアやエスプリがあって、楽しい。
旧制高校の匂いかもしれない。
去年は一次会の後、大先輩を送りがてら駅構内のカフエでコーヒーを(僕ともう一人で)飲んでさらに懐かしい話をいろいろ伺ったのだが、ことしは三時間以上も話した後で、途中に用事もあったので、その旨お断りをして別れた。
後ろ姿を見ていると、やはり年齢の寂寥感が漂って、ああ、用事なんかほっといてカフェをねだればよかったとも思った。
祖母の歌
新しきこのめうがの子酢にひでて君と酒汲まばうまからましを祖母ととことん飲んでみたかったなあ。
せんじつパリの友人と呑む会で、若い人(といっても50くらいか)が、茗荷の生えているところを見たことがないといった。
NY研修の会で聞いてみたら、半分くらいが見たことがない。
僕は茗荷を採ることを考えると反射的に痒くなる。
梅雨出水警報迫るせはしなき
夕焼けや陣取りごっこの子はいづこ
白内障手術で入院してましたよ。
旧制高校の寮歌を歌ったバンカラ学生は絶滅確実種だといって笑ったが、白内障手術を受ける人は増加の一方かな。
陣取りごっこ、これも茗荷の匂いがしてくるなあ、おっと、いけねえ刺されたぞ。
新鮮なのを食べたい!! 一寸料理をして、、