目も口もだめなら音楽があるさ バンベルク交響楽団
2018年 06月 26日
目と口の調子が悪く、その上治療中禁酒を命じられては、この世は闇だ。
ひたすら洗濯掃除に買い物など、おさんどんにいそしんでも、心が練れていない哀しさ、虚しさが募る。
ああ、こうやつて、あと五年か三年か、つまるところはかくなりしか、これが我が人生だつたのか、なんちゃってね。
(不忍池)
本に集中できず、うまいものを食おうという気も起きず、落語もちょっと時間が長すぎるし、、なあ。
銭湯に行くのはそのあとの一杯がなければ単なる風呂難民の往時をしのぶよすがでしかない。
この暑いのに、誰がそんな酔狂を。
そんな僕に天からするすると一本の蜘蛛の糸、その先に結ばれていたのはミューズの女神からの招待状だった。
その名だけ夙に知っていた、バイエルンの真珠と讃えられるバンベルクからやって来た、バンベルク交響楽団の演奏会。
バイオリン20、コントラバスとチェロも8台づつ、総勢百人を越そうかという大編成。
やや老に比重がかかるか老若男女の笑顔が親しみやすい。
指揮を取るのはチエコ生れのヤクブ・フルシャ、小柄な身体を格闘技の模範演技のようにダイナミックに動かしてブラームスにドヴォルザークに迫る。
ピアニストは細い体を黒のパンツと白のジャケット、ピアノは打楽器なんだということを思い出させてくれるように、打ちまくり打ちまくる。
ピッチャーが全力投球をしたあと、足をピンと横に張るみたいに、激しい演奏のたびに身体を反るようにして、弾き終わった腕を後ろにあげる。
ブラームスはなににこれほどの激情を覚えたのか、圧倒された。
一時間ほどの熱演のあと鳴りやまぬ拍手にこたえたアンコール曲は、対照的に優しくメランコリックな叙情を湛えた演奏だった。
休憩のあとは、耳になじんでいるドヴォルザークの交響曲第八番。
真ん中にあったピアノがなくなると改めて弦楽器の多さに驚く。
これはドヴォルザークの「田園」か、と明るいノスタルジックな故郷の光景が目に浮かぶような曲だ。
つい、一緒にハミングしたくなるような楽しさに満たされた、アッという間の小一時間だった。
アンコールはブラームスのハンガリー舞曲、もっともっと聴き続けたかった。
クラシックの奥の深さを知らないから、ひたすら受け身で音を楽しむ。
落語がかったるいと思うのは、ついつい批評的に聴いてしまうのは疲れた隠居には重く感じられることもあるのかもしれない。
蜘蛛の糸は一人しか救わないけれど、音楽は集えるもの皆を救うなあ。
演奏会の始まる前に会場でサンドウイッチを食べたのが今日の晩飯、でる前にシャワーを浴びてきたから、今日はもう寝るだけ、と思いしが、やることっていろいろあるのだなあ。
ひたすら洗濯掃除に買い物など、おさんどんにいそしんでも、心が練れていない哀しさ、虚しさが募る。
ああ、こうやつて、あと五年か三年か、つまるところはかくなりしか、これが我が人生だつたのか、なんちゃってね。
本に集中できず、うまいものを食おうという気も起きず、落語もちょっと時間が長すぎるし、、なあ。
銭湯に行くのはそのあとの一杯がなければ単なる風呂難民の往時をしのぶよすがでしかない。
この暑いのに、誰がそんな酔狂を。
そんな僕に天からするすると一本の蜘蛛の糸、その先に結ばれていたのはミューズの女神からの招待状だった。
その名だけ夙に知っていた、バイエルンの真珠と讃えられるバンベルクからやって来た、バンベルク交響楽団の演奏会。
やや老に比重がかかるか老若男女の笑顔が親しみやすい。
指揮を取るのはチエコ生れのヤクブ・フルシャ、小柄な身体を格闘技の模範演技のようにダイナミックに動かしてブラームスにドヴォルザークに迫る。
ピッチャーが全力投球をしたあと、足をピンと横に張るみたいに、激しい演奏のたびに身体を反るようにして、弾き終わった腕を後ろにあげる。
ブラームスはなににこれほどの激情を覚えたのか、圧倒された。
休憩のあとは、耳になじんでいるドヴォルザークの交響曲第八番。
真ん中にあったピアノがなくなると改めて弦楽器の多さに驚く。
これはドヴォルザークの「田園」か、と明るいノスタルジックな故郷の光景が目に浮かぶような曲だ。
つい、一緒にハミングしたくなるような楽しさに満たされた、アッという間の小一時間だった。
アンコールはブラームスのハンガリー舞曲、もっともっと聴き続けたかった。
クラシックの奥の深さを知らないから、ひたすら受け身で音を楽しむ。
落語がかったるいと思うのは、ついつい批評的に聴いてしまうのは疲れた隠居には重く感じられることもあるのかもしれない。
演奏会の始まる前に会場でサンドウイッチを食べたのが今日の晩飯、でる前にシャワーを浴びてきたから、今日はもう寝るだけ、と思いしが、やることっていろいろあるのだなあ。
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cocomerita at 2018-06-26 15:55
ははは、お酒なしのsaheiziさんの姿に
暑い夏 ジリジリのお日様の下 カラカラの大地で 夕方の水撒きまで、、と頑張ってる草花たちを重ね合わせました
Sehaiziさんのお酒はもはやお酒。じゃあなく、慈雨の、、と呼んでもおかしくない恵の水だもんね
私はお酒があまり強くないので、そうやって飲めるのは羨ましいです
こういう時、目が見えて、音が聴こえて 好きなことが喋れて、不便なく歩ける という、普段私たちが当たり前の事としてることが なんという幸福だったのかが、わかりますね
そういう意味で、
だから 無駄じゃあないでしょ、この期間 ふふふ
むしろsaheiziさんはいつも100%だから、こうして少ししょげて いじけてるsaheiziさんもかわいいなあと、、
きっと奥様もそう思ってるんじゃあないかと思います
女性は、完璧な男性よりも、ちゃーんと弱いところもある男性により惹かれるものです 笑
私は頭の調子が、、 (まあ、これは生まれつきですが、、)
良くないので 日々苦労します
目にも口にも 焦らず 急がず ゆっくり 時間をかけて いいよ と言ってあげれば、もっと頑張ってくれるでしょう
お大事にね
暑い夏 ジリジリのお日様の下 カラカラの大地で 夕方の水撒きまで、、と頑張ってる草花たちを重ね合わせました
Sehaiziさんのお酒はもはやお酒。じゃあなく、慈雨の、、と呼んでもおかしくない恵の水だもんね
私はお酒があまり強くないので、そうやって飲めるのは羨ましいです
こういう時、目が見えて、音が聴こえて 好きなことが喋れて、不便なく歩ける という、普段私たちが当たり前の事としてることが なんという幸福だったのかが、わかりますね
そういう意味で、
だから 無駄じゃあないでしょ、この期間 ふふふ
むしろsaheiziさんはいつも100%だから、こうして少ししょげて いじけてるsaheiziさんもかわいいなあと、、
きっと奥様もそう思ってるんじゃあないかと思います
女性は、完璧な男性よりも、ちゃーんと弱いところもある男性により惹かれるものです 笑
私は頭の調子が、、 (まあ、これは生まれつきですが、、)
良くないので 日々苦労します
目にも口にも 焦らず 急がず ゆっくり 時間をかけて いいよ と言ってあげれば、もっと頑張ってくれるでしょう
お大事にね
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saheizi-inokori at 2018-06-26 16:12
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k_hankichi at 2018-06-26 20:03
ドボルジャークの8番。ああ多分40年近く聴いていないけれど、学生時代に大層ハマりました。ショパンコンクールの覇者の成長も知りたかったなあ。
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saheizi-inokori at 2018-06-26 20:58
> k_hankichiさん、私もなまで聴くのは初めて、ラジオでBGMのように聞くことが多いようです。
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jarippe at 2018-06-26 21:52
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蛸
at 2018-06-26 22:59
x
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j-garden-hirasato at 2018-06-27 06:33
禁酒中ですか。
地獄の苦しみですね(笑)。
地獄の苦しみですね(笑)。
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saheizi-inokori at 2018-06-27 06:53
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saheizi-inokori at 2018-06-27 09:17
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saheizi-inokori at 2018-06-27 09:18
by saheizi-inokori
| 2018-06-26 07:42
| 能・芝居・音楽
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