キャベツをぶら下げ「万引き家族」

すばらしい梅雨の合間の青空だけれど、なんだか気分体調ともにすっきりしない。
大洗濯とサンチの散歩の後、ストレッチはやらず。
ほんとうはこういう日こそストレッチをして心身の覚醒をうながすべきなのだが。
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前にも書いたような気がするが、公文書管理を適正化するために何が何でもやらなきゃいけないのは、役人どもが公文書を改竄したり、失くしたりする原因となる総理大臣や財務大臣や官房長官を取っ替えること。

憲法に定められている、議員による臨時国会を90日も開かずにいて、やっと開いたと思ったら即日解散しておいて、賭博の合法化のためには強引に会期延長をするという、横紙もタテガミもびりびりにしちゃう安倍たちを追放しなくてはどんな法律やルールを作っても意味はない。

落語のなかで賭場で与太郎なんかが大きな声を出そうもんなら「シッ‼俺たちゃお上に褒められるようなことォしてんじゃねえ」と兄貴にたしなめられる。
アベ政治では、通用しない叱責だ。
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きのうは、夕方の買い物に行くついでに映画「万引き家族」を見た。
キャベツやトマト、豆乳なんぞが入った紙袋をぶら下げて歩いていたら、「はじめ」でときどき会うKさんとすれ違い、「あら、お買い物?」、「いえ、これから万引き」とは言わなかった。

映画は思わせぶりなところなんてこれっぽっちもない、まさに今の日本(安倍たちが想像もできない)をストレートに描いた力作だった。
貧しさもさることながら、いたるところに仮面の・ニセの家族が生息・跋扈している現実。
むしろそういう家族にいられない人々が作った疑似家族・万引き家族のほうが濃密な家族の情愛・絆によって結ばれている。
犯罪を犯すことでしか生きていけない家族。

だが、いかにその家族が居心地がよくても、建前社会・ニッポンは彼らを許さない。
総理や権力者が法律を踏みにじっても等閑視するくせに、弱者が寄りそって生きていこうとすれば、まるで焼きもちを焼くかのように、「誘拐」だの「死体遺棄」だの形式・表面だけを敵視し、より悪しき現実に引き戻そうとする。

虐待の火傷のあとをいたわりあう、五つの女の子とお母さん役(安藤サクラ)、女の子の抜けた乳歯を屋根の上に投げ上げる、音だけしか「見えない」花火を狭い屋根の間から仰ぎ見る「家族」、胸の中をあたたかい涙が流れていった。

「お父さん」をさいごまでお父さんと呼ばなかった少年が自立していく。
そこに希望があった、がんばれ少年。

Commented by jyon-non at 2018-06-22 17:08
今日は。私も是非とも観たい映画でした。是枝監督の作品には 
真実があふれていますねそして人間味が。        

今の日本には、絶句してしまう事ばかり。        
何か、哀しい世の中です。
Commented by そらぽん at 2018-06-22 17:16 x
此方でも話題で公開が待ち遠しいです
「思わせぶり」がハヤリなのかしら?
当地で画面やセリフの意味を質問され困ることがありました
素晴らしい映画監督達には助成金を支給して欲しいです!  
。。。あげるはずないか
 
Commented by ikuohasegawa at 2018-06-22 17:25
安藤サクラが泣く演技が秀逸。
という批評を読みましたが、これを読んで見たくなりました。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-22 18:24
> jyon-nonさん、絶句してしまうようなニッポンのインチキ政治や家族より真実味のあるフェイク家族でした。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-22 18:26
> そらぽんさん、なるほどこれでは安倍も祝電をためらうでしようし、イヤイヤながらやろうとすれば是枝の方で断るでしよう。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-22 18:29
> ikuohasegawaさん、この女優を私は知らなかったのてすが、すばらしいと思いました。もつとも出演者のすべてがすばらしかつたのてす。
Commented by koro49 at 2018-06-22 20:10
この映画見たいと思っています。

↓眼科通いお疲れさまです。
良くなりますように♪
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-22 20:15
> koro49さん、めちゃくちゃに汚れ散らかった家が舞台なんです。
ただ、服やらなんやらごちゃごちゃとあるのが、ぼくの貧乏長屋とは違うなあと思いながら見てました。
眼科、きょうは調子よくないのです。きのういい感じで映画をみたせいでしょうかねえ。
お酒を禁じられているのが辛いです。
Commented by jarippe at 2018-06-22 21:56
昨日この映画観ました
あの女の子の顔 強くなった少年の横顔が
印象的な終わり方でした

それにしても支持率がどうしてまた上がってしまったのかしら
でたらめな人たちだと思うのですが
Commented by doremi730 at 2018-06-22 23:34
幼い我が子を虐待のニュースが頻繁な昨今、
この家族の方がどれだけ温かいか、、、
たとえ少しの間でも暮らせた女の子は
希望を持って生きていけるでしょうね~
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-23 08:26
> doremi730さん、そう祈りたいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-23 08:32
> jarippeさん、拉致問題じやないでしようか。生死もさだかではない拉致問題こそアベのカンフル剤かもしれません。
Commented by urontei at 2018-06-23 13:20
観てきました。
直接的な暴力シーンなどひとつもないのに、全編がなにか、理不尽な暴力に満たされている・・・ そんな印象を持ちました。
本当は、とても優しい映画なんだと思いますが。
〔わたしは、ダニエル・ブレイク〕 を思い出しました。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-23 14:45
> uronteiさん、おお!ダニエルブレイク!
弱く貧しい人は優しい?
Commented by kogotokoubei at 2018-06-25 18:43
昨日、観てきました。
ブログに、ややネタバレの内容を記しました。
六人目の家族の凛ちゃんの姿に、目黒の虐待事件が重なります。
疑似家族を中心に、まさに現在の日本における、日常的な異常性を描いていますね。
あの家族の関係をあえて詳しく説明しないのも、良かったと思います。
信代と凛が、アイロンの傷を見せ合う場面も印象的でした。
散り調べ室の安藤サクラの演技は、必見ですね。
普通の人と犯罪者は紙一重であること、その薄い皮膜が破れる真因は何か。
観てもいない人間が、犯罪を助長する、などと言っていますが、そういう発言こそ、犯罪的です。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-26 09:21
> kogotokoubeiさん、「日常的な異常」、まさに異常を日常と見馴れる、異常ニッポンですね。
アベの一統、それを支持するひとたちは、 そういう状況を無視し続けて恥じるところがない。世も末ですなあ。
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by saheizi-inokori | 2018-06-22 11:54 | 映画 | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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