俗っぽさが楽しい 花岡詠二プレゼンツ、スヰング・タイム

子供たちから父の日プレゼントをもらって、自分からのプレゼントも、というわけではないけれど、だいぶ前に買ってあった「花岡詠二プレゼンツ、スヰング・タイム」、住吉のテイアラこうとう大ホールへ。
「栄光のスヰング王 ベニー・グッドマンに捧げる」とあって、第32回を数えるコンサートだ。
半蔵門線の住吉駅を降りたホーム、上るべき階段から始まって、ていねいに案内表示が整っている。
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駅の階段から後になり先になっていた若い女の子たち数人も開演間際のホールに吸い込まれていく。
満員の会場をしめるのはほとんど老人、へえ、若い子たちにもスヰング(花岡表示にならってみた)が受け入れられるのかと、思っていたら、あとで女性グループがゲストで演奏したときに花束を贈呈していた。

「ハニーサックルローズ」で始まり、ベニー・グッドマンがライオネルハンプトンやジーンクルーパーたちとカーネギーホールで「その手はないよ」なんて、それまで馬鹿にされていたクラリネットを中心にしたスヰング、ジャズというと低く見られていたので何とか別の呼び方をして、世の中に踊りだして行った頃の「サヴォイでストンプ」などを花岡の軽妙なダジャレ交じりのトークでつないでいく。
僕より年上に見える隣りの老夫婦(だろうなあ)が「へえ~そうだったんだあ」などと相槌を打ったりする。
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自分がお爺さんになっていることを忘れて、「お爺さん」のイメージは子供の頃に植え付けられたものと変わらないから、ベニー・グッドマンのトリヴィアに興味をもつジジババが「ハイカラ」に感じられる。
もっともハイカラ爺さん、とちゅうで席をたってトイレに行ったようだが。

ベニー・グッドマンの「ワン、ツー、ワンツー」、リズムを取っている録音を、その都度聞きながら演奏するベニ―・グッドマンの曲はほとんど知っている懐かしい曲ばかりだ。
なんといっても映画の「ベニ―グッドマン物語」が「グレン・ミラー物語」や「五つの銅貨」とともに、貧しい文化生活を過ごしていた中学生に、それまで聴いたことのない音楽の楽しさ、そういうものを創り出すアメリカ社会のサクセスストーリーに熱狂させた。
といっても何回も映画を見たわけじゃなくて、ラジオで彼らの曲がかかると耳を澄ませたというに過ぎないのではあるけれど。
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(4時開演、7時終演、外はまだ明るかった)

ウエスタンのヘンリー矢板などゲストも大勢出場して、スヰングの幅の広さも聴かせ・見せてくれた。
「サンタルチア」「明日浜辺を」、北欧の民謡がアメリカに渡って聖歌になった「ともに歩む」だったか、ピーナッツ・ハッコー&鈴木章治とリズムエース以外の演奏にはダメ出し(和モノ的サウンドがないと)をする「鈴懸の径」、曲名はメモしなかったが、女性トランぺッターの二井田ひとみの迫力などなど、ベニーグッドマン以外の曲も楽しかった。
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(「フイールドオブドリームス」を思い出した)

花岡が以前のコンサートでもやったことだが、聴衆のなかに著名人が来ていると言って、その名をあげると本人が立って会場に会釈する。
こういう俗っぽさがスヰングの楽しさなのかもしれない。
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「はじめ」は日曜日は休みなので、ラーメンでも食って帰ろうかと迷ったあげくに「つなし」をのぞいたら空いていたので、ビール一本だけ飲んだ。
野菜サラダは「ドレッシングをかけずに塩を下さい」と言って、トマトは塩、玉ねぎはカウンターにおいてある醤油を軽く振って食べた。
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「豚串」と茹でたてアツアツの枝豆、ちょっと生きが良くなかった「アジのタタキ」で、ひとり父の日晩餐はおしまい。

Commented by ikuohasegawa at 2018-06-18 16:29
ボッシュの新刊・燃える部屋(上下)出ました。
Commented by ikuohasegawa at 2018-06-18 16:34
フイールドオブドリームス
思い出しました。いい映画でしたね。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-18 17:05
> ikuohasegawaさん、おお!のみたい、じやなくて読みたい。でも未読図書館本がたっぷり。目やなんなかやで読書時間が取りにくくなりました。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-18 17:06
> ikuohasegawaさん、小説もよかったです。ストーリーは忘れましたけど。
Commented by at 2018-06-19 06:40 x
ゲストの薗田勉慶(弁慶じゃなく)はもしやと思い調べたら、憲一の子息でしたか。
紅善男とは守備範囲が広いですね。今でこそジャズはサックスが隆盛ですが、スイング時代はクラリネットの名手が活躍したんですよね。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-19 08:42
> 福さん、背の高い独特の雰囲気を感じさせるベンケイでした。
花岡がクラリネットを始める頃、変人扱いで、今クラリネットの有望な新人が出て来て嬉しいと二度も語っていました。
Commented by tona at 2018-06-19 21:40 x
その後目の調子はいかがですか。
何だか気になってしまいます。
奥さまも一頃の私みたいで心配です。
食欲ないなんてほんとに悲しいですもの。
ベニー・グッドマン好きです。懐かしいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2018-06-19 22:06
> tonaさん、いろいろご心配いただきありがとう。
私の目は相変わらず不安定、本を読みにくくて悲しいてす。

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by saheizi-inokori | 2018-06-18 13:14 | 能・芝居・音楽 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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