さいしょは一流を 狂言「盆山」&能「船弁慶」
2018年 05月 31日
帰宅して頭を洗った、二度洗い(ほとんど坊主頭なのに)すると別人になったように爽快だ。
夜は能をみに国立能楽堂へ。
干天の慈雨が紫陽花を生き返らせている。
中に入るとますます外国人がたくさん、にぎやかだ。
「外国人のための能楽鑑賞教室 DiscoverNOH&KYOGEN」だった。
半分まではいないか、でも背が高く目立つから日本人が小さくなっているようだ。
白いシャツを着た男子中学生(日本人)の団体もいる。
舞台の前で集合写真を撮る人、座席で自撮りをする人、みんな楽しそうだ。
短い時間で要領よく、能狂言のイロハを話してくれた(座席の前のディスプレイに日中英韓の字幕)。
摺り足、型、謡(弱吟、強吟)、囃子の掛声などは実演してみせる。
会場は静まり返って見入って(聞き入って)いる。
僕はこういう知識は本で読んだが、実演は分かりやすいなあ。
狂言「盆山」
盆栽を盗みに入った男が主人にみつかり、「犬か?」「猿か?」「鯛か?」とその鳴き声を強いられる。
飛び上がって「タイっ‼」と鳴いてみせる。
僕の狂言始めは中学の体育館でみた「附子」だったな、たしか国語の教科書にも載っていた。
頼朝に疎まれ西国に落ちる義経と弁慶、大物浦までついてきた静御前を都に戻すことにする。
どこまでも一緒に行くつもりだったと泣き伏す静、別れの宴で中の舞を舞う。
名残のつきぬ義経を励まして船を出すと突然海が荒れ、滅びた平家の公達の亡霊が浮かび現れ、なかにも平知盛の怨霊は長刀をもって義経に襲いかかる。
そのとき義経少しも騒がず、刀を抜いて戦うが、弁慶は刀で戦う相手ではないとして、数珠をもんで折伏する。
弁慶が数珠をもんで対抗するシーンで後ろの席の外国人がおかしなものを見た様に笑った。
たしかに滑稽に見えるだろう。
上演時間も昨日の70分に対して100分、それを長いと感じさせない素晴らしい能だった。
能を始めて観たのが友枝昭世、それからも人間国宝たちを中心に最高のメンバーの能につれていってもらったのだ。
今、思い出しても昨日の「船弁慶」とはまるで違う格調と迫力を感じた。
宝生閑さんの折伏なら、あの外国人も笑いはしなかったと思う。
でも、せっかく外国人が初めて能を観るのなら、現在の最高の人たちをみせてあげたかった。
僕の年になると肥ることはむしろいいことだから、肉を大いに食うべしという記事を何処かで読んだものだから鶏肉や豚肉(生姜焼き)などをパクパク食って帰った。
本当に、落語もですが、名人のモノを見ること大事ですね。特にお互い若くないから見る時間が限られていますから。
粟谷菊生先生のように100番見る時間あればね~。それだけに、外国人、子供には名人のモノを見てほしいです。
以前、お話したかもですが、みなとみらいのあの変な船のホールで、友枝さんが羽衣を演じました。た。おしゃべりばかりして、能面を見ても笑っていた学童クラブと思われる子供たちが、友枝さんが舞い始めたとたんに、シーンでした。
そういうものだなと実感しました。
目。よかったですねー。あともう1回。がんばって!
私は、「手術必要なし!」って。言われました。めずらしくがらすきでした。