天才 柚月裕子「盤上の向日葵」
2018年 05月 21日
散歩から帰ると7回ピンチを無事切り抜けるところ、もう今日はお役御免かと思ったら、8回も続投。
一点追加されたのち降板したが、4勝目をあげた。
なんだか酷使されているような気がするのは、二刀流に対する同情からか。
埼玉県の山のなかで見つかった白骨死体は一組の将棋の駒袋とともに発見された。
日本にいくつとない名人の作った駒、買えば600万円はするだろうという。
大宮北署の偏屈だが腕の冴えはピカ一のベテラン刑事と新米刑事のコンビが現存が伝えられる駒の持ち主を訪ねて手がかりを求める。
並行して、諏訪に住む父子家庭で、ろくに食事も与えられず暴力虐待を受けている少年を陰ながら守る老夫妻の話。
将棋好きな老人が処分する将棋雑誌をひそかに取っていく奴がいる。
物陰に隠れてみていると、新聞配達少年、小学三年生だ。
家に呼んで将棋をうってみると天才である。
プロの道に進ませようとするが、賭けマージャンで生活破綻者の父親は承知しない。
少年は、やがて長野の進学高校から東大に入り、外資系企業を経た後、IT企業を起こし億万長者になるが、とつぜんそれをなげうって将棋界に参戦、みるみるうちにアマチュアのタイトルを総なめ、アマ名人としてプロ公式新人王戦に参加、新人王になる。
「炎の棋士」ともてはやされた男を将棋連盟は異例の待遇でプロ試験を受験させる。
プロとなった男が、もう一人の天才棋士と竜昇戦を三対三、いよいよ決戦がたけなわの会場に乗り込んだ若い刑事はプロを目指しながら奨励会の壁を乗り越えられなかった経歴の持ち主だ。
駒の動かし方しかしらないベテランの嫌味に耐えながら、駒を探して東奔西走だ。
二つの物語がどこでどのようにクロスするか。
「孤狼の血」ほどの緊迫感はないが(映画と比べてもしょうがないけれど)560頁を一気に読み終わった。
貧しい少年が新聞配達をして長野の高校に進学、アルバイトをしながら東京の大学を出るというところが少し僕に似ていたことも興味があった。
将棋の真剣勝負の山場が駒の動きで描写される。
将棋の心得のある人はもっと面白く読めるかもしれない。
メデイアをにぎわす天才スター棋士の秘密とは?
大谷君や藤井君たちにはこんな隠された秘密はないように思える。
↓お孫さんの運動会を見れるなんて羨ましいわ。一緒にお昼ご飯まで・・・・いいな、いいなぁ~~
saheiziさんの集中力にいつも感服しています。
そしてカンヌ映画祭パルムドール受賞!「万引き家族」の
是枝監督のインタビューの言葉に泣けました。。。
「日本政府は貧困層を助けず映画の中の家族がその代表的な例だ
多様性を受け入れず地域主義に傾倒。残ったのは国粋主義だけ。
日本が歴史を認めない根っこがここに。 同じ政権がずっと
執権することにより、私たちは多くの希望を失っている。。」