遊び

「鬼ごっこしよう！」ガキ大将が、とつぜんいうとみんな声を揃えて「いいよ！」、一呼吸遅れて可愛い声が「いいよ」。
誰かの弟オチビさんが真似しんぼ。
ミソッカスでも、何か元気に言いながら一生懸命みんなの後を追いかける。
テニスコートでは、お爺ちゃんたちが試合（かな）。
なんどやってもサーブが入らないお爺ちゃんも笑顔だ。
洗濯物を取り込んでベッドメークをしなきゃいけないし、サンチが油断なく見張っているし、せっかくいい天気だったけれど散歩に出るのは遅くなった。
いつものカフエで、出がけに郵便受けから取って行った夕刊を読んだ。
柳瀬秘書官の名刺写真が踊っている。
紫陽花がもうすぐだ。サンチはボールで一人サッカーやボールを置いた座蒲団の端を咥えて転がして遊ぶ。
わざと取りにくいところに転がして、それを取るのが面白いらしい。
この椅子の向こうのボールも最初はバーなどが怖くて取れなくて、僕たちに取ってくれと（知らん顔していると僕の体に鼻先でツンツンしたり、ボールと僕の顔を交互に見比べたり、あの手この手）せがんだが、「がんばれ！」と激励すると再度チャレンジ、何度かやって成功した。
しょっちゅうソフアの下に、わざとボールをいれて僕らに取らせるのも遊びのうちだ。
オチビさん、テニス爺さん、花の数々、エリートどもの猿芝居、そしてサンチ。
みんなで僕と遊んでくれる。