アベアソ―を待つのは八大地獄か 能「求塚」&狂言「太刀奪」
2018年 03月 17日
いつもより、ちょっと足を伸ばした呑川緑道、やっぱりこっちの方が花が早い。
花が咲きだすのは嬉しい反面、ちょっとうろたえる、あ、もうきちゃった、、。
きのうタクシーの運転士に「あったかくなるのもいいけれど、ちょっと心細くなるね、いつまで見られるかとかね」と言ったら、激しく同感するので年をきいたら67、なあにまだまだ若いじゃないか。
昨日の能は「求塚」、まだ雪の残る早春の野、朝風に袂を翻して女たちが若菜を摘む。
ピクニックの楽しみではない、たつきのためだ。
そのうちの一人は、生田川に身をなげて死んだ女の幽霊だ。
二人の男に同時に同文のラブレターをもらって、親のアドバイスで、あのオシドリを射た人に、と言ったら、同時に同じ鳥を射殺してしまう。
仲睦まじいオシドリの仲を裂いたことを悔み、生きていくのが嫌になって身を投げたのだ。
(前シテの面・節木増)
国鉄改革の余剰人員対策に協力して財務省に転職、近畿財務局で必死になって仕事に取り組みようやく家族にも笑顔を見せられるようになったと思ったら、とんでもない「汚れた仕事」を押し付けられて、その責任を一身に背負わされそうになった男が自決した。
それを命じた男たち、その源を作った男と女は、決して身投げなどしない。
へらへらと「しっかいと」人のせいにしている。
二人の男は女の遺体を納めた塚の前で刺し違えて死ぬ。
「刺し違えて」の前「流るる水に夕汐の」で一拍おいて「さ」と強く地謡、シテは右手をさっと前に突き出す、はっとする。
(後シテ・霊女)
塚の中から声がする。
二人の男の幽霊が両側から手を引っ張るが動きが取れず、死んだオシドリが鉄鳥になって、剣のような嘴や足で頭をつついて髄を食う、といい頭を抱える。
火焔、鬼の鞭に追い立てられて火宅の柱にすがりつくと(シテは作り物の柱にすがる)それは火の塊になって私は真っ赤に焼けて黒い煙になってしまう。
やっと起き上がると、獄卒が鞭で追い立て、八大地獄(五体を裂かれて粉砕されるのを繰り返す、灼熱の鉄の縄で縛られ熱鉄の斧で切り裂かれる、鉄山に圧殺される、熱湯・猛火の鉄室で号泣・叫喚する、、さらにその十倍の苦しみを与える、、)に「足上頭下(真っ逆さま)」といいながら扇子をくるっと下に向けうづくまる。
「求塚」は、
10年前に友枝昭世のシテで、観てから今日が5回目。
シテもワキ(旅僧)も朗々とした謡やセリフが聴き取りやすく、舞や仕草もわかりやすい。
お囃子も美しく、やっとこの曲が分かったような気がした。
狂言「太刀奪」(たちばい)
間抜けな主従が男の太刀を取ろうとして逆に自分の太刀まで取られてしまう。
「泥縄」そのままのクスグリもある。
太郎冠者・善竹忠一郎のセリフ・演技が独特、飄々として面白い。
能のアイ善竹十郎の方も独特な語り方、こちらはちょっと?だった。
隣のサラちゃんに逢った今朝の散歩、サンチは歩き過ぎかな。
きのうタクシーの運転士に「あったかくなるのもいいけれど、ちょっと心細くなるね、いつまで見られるかとかね」と言ったら、激しく同感するので年をきいたら67、なあにまだまだ若いじゃないか。
ピクニックの楽しみではない、たつきのためだ。
二人の男に同時に同文のラブレターをもらって、親のアドバイスで、あのオシドリを射た人に、と言ったら、同時に同じ鳥を射殺してしまう。
仲睦まじいオシドリの仲を裂いたことを悔み、生きていくのが嫌になって身を投げたのだ。
国鉄改革の余剰人員対策に協力して財務省に転職、近畿財務局で必死になって仕事に取り組みようやく家族にも笑顔を見せられるようになったと思ったら、とんでもない「汚れた仕事」を押し付けられて、その責任を一身に背負わされそうになった男が自決した。
それを命じた男たち、その源を作った男と女は、決して身投げなどしない。
へらへらと「しっかいと」人のせいにしている。
二人の男は女の遺体を納めた塚の前で刺し違えて死ぬ。
「刺し違えて」の前「流るる水に夕汐の」で一拍おいて「さ」と強く地謡、シテは右手をさっと前に突き出す、はっとする。
塚の中から声がする。
おう曠野(荒野)人稀なり、わが古墳ならでまた何ものぞ死んだ女の霊が現れて、地獄の苦しみを語る。
二人の男の幽霊が両側から手を引っ張るが動きが取れず、死んだオシドリが鉄鳥になって、剣のような嘴や足で頭をつついて髄を食う、といい頭を抱える。
火焔、鬼の鞭に追い立てられて火宅の柱にすがりつくと(シテは作り物の柱にすがる)それは火の塊になって私は真っ赤に焼けて黒い煙になってしまう。
やっと起き上がると、獄卒が鞭で追い立て、八大地獄(五体を裂かれて粉砕されるのを繰り返す、灼熱の鉄の縄で縛られ熱鉄の斧で切り裂かれる、鉄山に圧殺される、熱湯・猛火の鉄室で号泣・叫喚する、、さらにその十倍の苦しみを与える、、)に「足上頭下(真っ逆さま)」といいながら扇子をくるっと下に向けうづくまる。
10年前に友枝昭世のシテで、観てから今日が5回目。
シテもワキ(旅僧)も朗々とした謡やセリフが聴き取りやすく、舞や仕草もわかりやすい。
お囃子も美しく、やっとこの曲が分かったような気がした。
狂言「太刀奪」(たちばい)
間抜けな主従が男の太刀を取ろうとして逆に自分の太刀まで取られてしまう。
「泥縄」そのままのクスグリもある。
太郎冠者・善竹忠一郎のセリフ・演技が独特、飄々として面白い。
能のアイ善竹十郎の方も独特な語り方、こちらはちょっと?だった。
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そらぽん
at 2018-03-18 02:39
x
記事を読み、自死された方の人生を想って胸が痛いです
上流階級のアホ夫婦や松濤の邸育ちのバカ麻生は、
下の者の人生なんて 考えもしないでしょうね
佐川は中学3年で父親を亡くし兄達の援助で学校をでたとか
人生を踏み抜く瀬戸際ですね みんな アベノセイダー!
愈々、野党分裂の切り札をだしてきたようですね
悪い奴らめ 揃って八大地獄へ堕ちろ!
上流階級のアホ夫婦や松濤の邸育ちのバカ麻生は、
下の者の人生なんて 考えもしないでしょうね
佐川は中学3年で父親を亡くし兄達の援助で学校をでたとか
人生を踏み抜く瀬戸際ですね みんな アベノセイダー!
愈々、野党分裂の切り札をだしてきたようですね
悪い奴らめ 揃って八大地獄へ堕ちろ!
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urontei at 2018-03-18 06:27
作家の佐藤勝さんが、某ラジオ番組で自らの経験も踏まえてコメントをしていました。
「上の覚えをめでたくしようと思って、単に悪事に手を染めただけでなく、一線を踏み越えて、言われた以上の悪事をしてしまったことに対する自責の念に駆られ、財務省の中には、今この瞬間にも『死にたい』と思っている人が、まだいるだろう」と。
そして、亡くなった方には大変申し訳ないがと前置きをした上で、 「官僚の自殺は、責任放棄だ」 と、敢えて厳しい言葉をぶつけていました。
「死んだら全ての責任をおっかぶされる。死んだら悪い奴を喜ばせることになる。自殺をすることによって責任を果たすのではなく、真実を語ることによって責任を果たして欲しい」 とも。
青雲の志を抱いて官僚という道を選んだ人たちの行く末が “八大地獄” っていうんじゃ、この国はいつになっても報われませんものね。
「上の覚えをめでたくしようと思って、単に悪事に手を染めただけでなく、一線を踏み越えて、言われた以上の悪事をしてしまったことに対する自責の念に駆られ、財務省の中には、今この瞬間にも『死にたい』と思っている人が、まだいるだろう」と。
そして、亡くなった方には大変申し訳ないがと前置きをした上で、 「官僚の自殺は、責任放棄だ」 と、敢えて厳しい言葉をぶつけていました。
「死んだら全ての責任をおっかぶされる。死んだら悪い奴を喜ばせることになる。自殺をすることによって責任を果たすのではなく、真実を語ることによって責任を果たして欲しい」 とも。
青雲の志を抱いて官僚という道を選んだ人たちの行く末が “八大地獄” っていうんじゃ、この国はいつになっても報われませんものね。
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j-garden-hirasato at 2018-03-18 07:42
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saheizi-inokori at 2018-03-18 22:40
> そらぽんさん、前川が「佐川は本当のことを言った方が自分のためにもいい、あと2.30年の人生のために」と言ってましたが、同感です。
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saheizi-inokori at 2018-03-18 22:43
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saheizi-inokori at 2018-03-18 22:45
> j-garden-hirasatoさん、そうしなくては故人も遺族もたまらないですね。
by saheizi-inokori
| 2018-03-17 13:39
| 能・芝居・音楽
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Comments(6)