雨の人形町は落語で 雲一里@日本橋劇場
2018年 03月 09日
国立劇場に行くのと半蔵門線直通で10分も違わないのに、なんとなく遠い感じがする。
そうして行動半径が縮まっていくのだ。
銭湯に入るのには寒い雨降りだし、時間も足りないので日本橋劇場のまわりをぶらついた。
この店、おかみさんがめちゃくちゃ愛想がよくて、また来たい、こんどはチャーハンにしよう。
前座は、はまぐり「つる」、隠居をみんなの嫌われ者にする演出だが、好々爺としかみえない。
若く見えるのはしょうがないが、なぜ嫌われ者にしなくちゃいけないのか。
小里ん「明烏」
若いころ、雲助、一朝ほか総勢9人で花形勉強会をいうのをやっていましたが、みんな揃って「飲む、打つ、買う」とよく遊んだ。
なかで、その三拍子全部をやったのが志ん朝さんとあたし。
よくも「女好き」が集まったものでした。
とネタに入る。
天狗の鼻にカラスがとまっている絵の地口行灯に「鼻高きがうえにとんび鴉」と書いてあるのを「おとっつあん、あれは、山高きがゆえに尊からずの間違いでしょう」という堅物時次郎。
勉強ばかりしていると「商いの切っ先が鈍る」からと、町内の遊び者に頼んで吉原につれて(お稲荷様の参籠と騙して)行ってもらうとて、ご利益があるように服装(なり)をよくしていけとか、中継ぎでの作法などいろいろアドバイスをするオヤジ。
見守る母親が笑って手伝う演出にしたのが、珍しくまた楽し。
失われしよき時代なんて言ったら、国際女性デーの戦犯だろうが、面白うございました。
近頃はいろんな稽古事があってカルチャーセンターが大流行りだが、なぜか落語をお金を払って習おうという人はいない、
二階から糸を垂らして下で引きを教える「釣り指南所」や「喧嘩指南所」を実演してみせて「あくび指南所」へ。
ふつうにやってるあくびは「駄あくび」、そんな無駄なことをしてないで「本あくび」を習う。
奥芸は「茶の湯のあくび」、これはあくびをしているようでしていないようで見る人が観ればわかる、長いあくび、今日は特別にとお道具の見立てのことろだけやってみせる、仕草がよくてあくびが雅。
お湯やのあくびの「あくび季」は春昼下がり、「あくび景」は、ゆったり、コーンと桶の音を腹に入れて、「あくび立て(順序)」は、唸り、都都逸、念仏、都都逸はヘタウマがいい、と、なるほど奥が深い。
「寄席あくび」ってのはいちどやった人がいて大喧嘩になりそれ以来禁じられています。
熊さんが習ったのは「四季のあくび」のうちから夏の船中のあくび、そこからよく聴く指南風景になる。
熊さんが「カボチャに手裏剣が刺さったよう」とか「林家彦六風」などとけなされるところは想像しておくんなまし。
楽しくてあくびをする間もなかった。
一朝「おせつ徳三郎・通し」
ふつうにやれば一時間はかかるけれど、適当に端折って、と断って通し。
それでも50分近くを歯切れよく、芝居を見るがごとくに。
おせつと徳三郎の「好い仲」になった場面を目撃した定吉が「忘れた」というのをお灸をすえると脅し、思いだせば下がり(休暇)とお小遣いを増やすという旦那、財務省のボンボンたちにも通じるかな。
後半の刀屋の親父、なかなかの人物だと思ったが、本人も云う通りおしゃべりが過ぎて徳三郎をドカンボコン(身投げ)に誘導してしまったのは、おやっさん、ちと問題でしたな。
三人の名前をとって「雲一里」、ちかごろなかなかの会だった。
人形町は一度歩いたことがあります。
加賀恭一郎シリーズ「新参者」などで水天宮や通りをよく見ましたが、自分が歩いたあたりの検討がつきませんでした。
日本橋劇場は知らなかったです。中が立派ですね。
せんじつ寄席でプログラムを見てたご婦人が「一朝って、誰?」、隣の少し詳しいらしいご婦人が「一之輔の師匠よ」と、これで通じたようでした。
さん喬が幸太郎の師匠と言われたといって腐ってましたが、世の中アベコベが通っています。
確定申告の最中に、佐川さん辞任宣言ですし
アソウは、むにゃむにゃ辞任するんでしょうか
アベ政権崩壊を願っていますが。。
自殺者のご遺族は、公務労災申請できないでしょうかね
それが結構うまいから、豆腐屋さんが苦戦するわけですね。
それもこれもアベノセイダーズ!
さすがの佐川も身内から死者が出たら耐えられなかった。
政治家はそうじゃないんですね。
麻生が「有無」を「ユーム」と読んですぐに「ありなし」と言い替えましたね。
国語力はちっともアップしてなかったです。
こないだ「お富さん」のうたを調べていて、明烏も知ったばかりでした。昔お世話になった会社の会長は落語通で、機知・頓知に長けておられて、話を聞くのがとても楽しかった。
自分が東京新聞、または朝日の記者で、本日の麻生の会見の場にいたらどのように誘導してやろうかと考えました。そういう頭脳明晰さ・やり込める言葉の力があったらなぁ。落語を学ぶ醍醐味。
最近の国会答弁を聞いていると、安倍・麻生の日本語が分からない。理解できない。焦点をぼかして答えているからなお一層。それに切り込めない自分。日本語能力も落ちてきました。
八宝菜、中華丼、五目蕎麦に入ってないとがっかりする。
雲一里のメンバーも落語界でそんな存在ですね。
先代小さんとか、その後継者と言われる小里んの「明烏」は、演者の渋さが先に立って想像もつきません。
あ~!聴きたい!!と思うんですよね~、、、
記者会見に臨むまえにいろんなシュミレーションをしておくことも必要、役人たちは想定問答を用意して国会や記者会見に臨むけれど記者諸侯はどうなんだろう。
ありがとうございます。