母は強し、強すぎる 映画「スリービルボード」
2018年 02月 12日
「おや、坊やが藪入りですか」と心のなかでつぶやく。
分かる人には分かる、落語「藪入り」で息子の帰りを待ちかねて早朝から家の前を掃除する熊さんのことだ。
昨日、見た映画はミズーリの母親が娘をレイプ殺人されて、犯人が挙がらないのに業をにやして野立て看板三枚に、警察署長への督促などを広告する。
猛烈ではあるが、母の気持ちは分るなあ。
怠慢警察署長、裏に何か事情があるのか。
暴力警官(少しノータリン、マザコン)なんかぶっ飛ばせ。
そんな気持ちで見ていると、びっくりしゃっくり、兄はからんやおとうとべケンや、警察署長いい奴、怒れるママはかなりやり過ぎ。
「愛」に泣く暴力警察官。
人は幾重もの層から出来上がっている。
笑顔を忘れた、煙草をくわえたらマカロニのクリントイーストウッドのようなママ、怖いけれどかっこよかった(とくに後ろ姿が)。
トランプを大統領にしたアメリカ社会がここにある。
大変よく出来たコメデイでもある。
気が付けば、本邦ではこの泰西から来た風習は冬と春の境い目を示しているんですね。それを言祝ぐものがチョコなんでしょう。
お写真の樹々を見てそんなことを感じました。
冒頭の三基のビルボードのシーンから引き込まれて最後まで堪能しました。わかりにくユーモアが最高です。
うちだけかなあ。