白鳥の湖の三味に乗って 池袋演芸場

久しぶりの寄席だ（フラミンゴさんごめんなさい）。落語は毎晩テープで聞いているが、やはり寄席はなんともいえない。にゃん子・金魚の漫才は、この前、新宿末広亭で出演予定だったのが休演で見れなかったので、もう一年以上見ていない。美人役のにゃん子が大分オフトりだが、金魚が相変わらずがんばって舞台中大暴れ、そのマンネリが許せる。俺などはこの辺の笑いが分かる限度。ＴＶでやってる、いろいろはチイトモ面白くない。
円丈は、トリの白鳥のスケでお仲入前の出。随分年をとったが、話し始めると前より落ち着いて聞きやすくなった。と思っていると突然大声でメリハリをつける。アフガニスタン人の噺家がいるという設定の新作だが、まあ、フツウに笑える。もうチョットひねりがあるといいのになあ。

正朝という人、見た覚えがないのだが、円丈師弟が新作の中でワッシは古典しかやらないと言うだけあって、なかなかイイ間だ。「江戸っ子は皐月の鯉の吹流し、口先ばかりではらわたはなし」とか「オメえ、体中馬鹿ンなっちゃったな」などといいセリフ。うちに帰って「落語手帖」で調べたが演題が分からない。貧乏な長屋のスットコドッコイ二人組みが、アニイの新築祝いに、こともあろうに便所の壷を水壷だといって持っていく、お下品な話しだ。誰か知っていたら教えてたもれ（「肥瓶」または「家見舞い」、後で分かりました）

トリがお待たせ、白鳥、といっても俺ははじめて（と、思ったら前は「新潟」という名前で出ていたという。それなら一度見たのに。末広亭の新作大会で）結構人気らしくて満員なのはそのせいもある。三味線のチャイコフスキーで登場。タクラマカンの砂漠に突然行ってしまった、しまらない二人の荒唐無稽のギャグ満載落語。大熱演。くすぐりも「銀座歩いて突然後ろからツチブタに噛み付かれたようなもんだ」と新作らしく決めるが、やはりどこか落語らしく古い感覚が残っている。それがいいのかモット吹っ切れたほうがいいのか。

総体に大笑いで満足満足。