倦怠爺さんは奥渋に 映画「私が殺したリー・モーガン」

ぶらり旅、雪の東北をうろつきたい、あてもなく列車に飛び乗って、と思うばかり。
行動が伴わない、曰く足が痛む、曰く防寒耐雪装備がない、曰くサンチが、、行かない理由が先に立つ。
つまるところは渋谷で映画、じつに安易・怠惰。
寄席にいくのも億劫。



３３歳で殺された天才トランペット吹き。
殺したのは、麻薬に溺れてホームレスに近い暮しから救いだした最愛の伴侶・ヘレン。
ヘレンは１４歳で二人の子供を生み祖母に託してＮＹに出てきた。
リーと同い年のその子がＮＹに母に初めて会いにきて母子意気投合、なんてったって楽しい人だった。

ウェイン・ショーター、ジミー・メリットなど友人たちの証言とヘレンの回想（ソニーのテープが廻る）、スティル写真と演奏風景の動画がいかにもモダンジャズなＮＹ、とくにユキフルＮＹ光景でつながれて、あたかもリーが動いているかのようだ。

「ジャズ」って言葉は好きじゃないんだ、そう言えと教えられた、まるで自分のことをニグロというようなものだ。
僕の音楽？敢えて言うなら「黒人の古典音楽」。

リー自身の内面をうかがわせる言葉は、これ以外にほとんどないけれど、全身で喜び・訴えかけているリー・モーガン。
Search for the New Land↓
けっきょくその地にたどり着くことは出来なかった。



とぼとぼと文化村の裏を歩いて通う奥渋、アップリンクは怠惰な爺の映写室になりそうだ。