反知性主義者は道化である

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13日朝日の夕刊。
80年前におきた南京事件を語り継ぐ、当事者の子供世代が各地の集会で記憶の承継を呼びかけた。
母親が乱暴目的の旧日本兵に襲われた陸玲さんが母から聞いた悲惨を伝え、元日本兵を父にもつ鯖江市議の山本敏雄さんは、父が残した手記を紹介した。
戦後、孫をおぶった父が「こんな可愛い子を殺した」と山本さんに漏らした。
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虐殺された被害者数をめぐって30万人以上とする中国と「十数万~20万人」とする笠原十九司・都留文科大名誉教授、日本の外務省は
非戦闘員の殺害や掠奪行為は否定できない。
被害者数は諸説あり、政府として認定は困難
としている。

産経新聞のように南京事件そのものの事実を否定するメデイアもある。
2012年には、 名古屋市の河村たかし市長が、中国・南京市から訪れた市共産党幹部らに対し、「南京事件はなかったのではないか」と述べた。後の記者会見でも「いわゆる南京虐殺はなかった」として、「真実を正すのは、社会的使命だ」とも語った。

被害者数をめぐる対立や論争が、事件そのものの否定にまでエスカレートしていく。
嘘だろう、日本人が、あのお祖父さんがそんなことをするはずがない、なかったと言ってくれ、そんな気持ちを後押しする事件否定論。

試みに南京事件をググってみると、肯定論否定論が交錯し、あたかも両論は対等の位置にあるかの如くだ。
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ナチスによるホロコーストを否定する”歴史学者”は、重箱の隅をつつくような議論を仕掛け、反証が上がると平気で「記憶違い」「ちょっとしたミス」として逃げる。
”歴史学者”としての名前が社会的に評価されているから、ホロコースト否定論にもそれなりの根拠があるように受け入れられてしまう。

垂れ流したかのような無責任にして悪辣な虚言をひとつひとつ検証して、悪意を悪意と認定させることの困難。
ふつうの市民だったら、いや言論の自由を旗印にする出版社であっても、こんな訴訟からは逃げ出したい。
訴訟を提起されると脅されれば出版をあきらめる。
市民は発言を控える。
それが「やつら」の狙いだ。
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(大手町で)

むかし、宴席で何とかセメントの会長と同席した。
でっかいリンカーンで毎晩一流料亭を駆け巡る男は、国鉄の民営分割のときに経団連だったかの「輸送問題委員長」になれと財界四天王の一人、桜田武に言われて、「何も分からないから無理だ」と断ったところ、「わからなくても構わない、国鉄の悪口だけ言ってればいい」と言われ「声のでかいのは自分のとりえだ」と思いひき受けた、とふんぞり返った。

世論なんてものはちょろいもんだ、と言ったな。
歴史修正主義者たちは世論操作をしようとしている、それをちょろいもんにしてはなるまい。
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「否定と肯定」のデボラが歴史修正主義・反ユダヤ主義・人種差別主義のアーヴィングの攻撃を跳ね返すことができたのは、優れた弁護士たちのグループや巨額な費用を支援する人たちに恵まれたこともあるが、裁判が陪審に寄らずすぐれた裁判官の判断でなされたことが大きいと思う。
何千枚もの文書を注意深く読んで、原告・アーヴィングの言動の意味や犯したミスを理解するのは市民には大変なことではないか。
つまり否定論者たちの狙いは奏功するのだ。

ホロコースト生存者や遺族たちの正義・事実を明らかにしたいという強い思いが、デボラの闘志を支えたことも過小評価してはならない。
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本書の結語、
他の者を扇動して、直接的もしくは間接的にこうした行動(テロやなどの暴力行為)をとらせる人々に対し、私たちは容赦なき戦いを繰り広げなくてはならない。しかし、戦いのなかで敵に根源的な重要性を与えてはならない。もちろん、私たちの人生は彼らから攻撃されるためにあるのではないし、彼らとの戦いを自分たちの存在理由にしてはならない。そして、戦うときは彼らに道化の衣装を着せるか、もしくは、彼ら自身の手で着るように仕向けなくてはならない。敵を倒したとしても、究極の勝利が訪れるのは、彼らがいかに理性に欠けているかだけではなく、いかに情けないかを実証したときである。
そうなのだ、「対等」ではない、反知性主義者たちは。

Commented by stanislowski at 2017-12-15 14:25
私が考えていたような事を言葉にしてくださった。
事例を用いて。
こういう考察力・知性が自分には足りないのです。
そうしないと大衆には理解してもらえない。
Commented by そらぽん at 2017-12-15 14:38 x
うう 市民は発言を控える。。。

「「当たり前」を問う勇気」がテーマのトークイベント
『これからの日本、これからの教育』と『新聞記者』の刊行を
記念し著者の前川喜平氏、寺脇研氏、望月衣塑子氏によるものが
あっという間に満席とか。それはそうでしょうね 今が境界?
Commented by ほめ・く at 2017-12-15 17:06 x
連中は狂ってますね。
南京虐殺も関東大震災での朝鮮人虐殺も無かったといい、沖縄で米軍機から部品が落下したら自作自演だと嘲笑する。
まともに相手に出来るような手合いではないと、諦めてしまう気持ちが先に立ちます。
前日の記事のニューヨーク行きの件、実現できるといいですね。私までワクワクしてきます。
Commented by sweetmitsuki at 2017-12-15 19:24
ナチスのホロコーストと南京事件を同列にされては困ります。
ユダヤ教VSキリスト教&第三帝国を、儒教と神道の争いと同列ににされては困るのです。
Commented by テイク25 at 2017-12-15 21:48 x
あった事を無かったと言い張るどの国の歴史修正主義者にも飽きることなくその間違いを指摘し続けなくてはならない、黙ってしまってはいけないと、この映画を観て思いました。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-15 22:46
> stanislowskiさん、言いたいことがわかってもらえたか、ちょっと心配してました。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-15 22:48
> そらぽんさん、棲み分けた世界だけで発言していては反知性主義の連中のほうが勝ちます。
彼らはなんせ恥知らずだから。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-15 22:50
> ほめ・くさん,MXの沖縄報道が放送倫理からダメがだされましたが、ちょっと遅い。
彼らは恥知らずだから負けても痛痒を感じませんね、やったもの勝ちで攻めてきます。
諦めさせようとしてますね。
NY、さあ、たいへんだー^^。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-15 22:54
> sweetmitsukiさん、事実を曲げてフアシストのやったことをヨシとする、そこに人種差別があったこと、共通してませんか。
どっちも戦争を従っている連中です。
南京事件が宗教の争い?
神道がそんなに獣欲に穢されているものですか。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-15 22:56
> テイク25さん、うんざりさせるのが彼奴等の狙いです。
道化たちをのさばらすわけにはいかないですね。
Commented by j-garden-hirasato at 2017-12-16 06:22
いくら議論を重ねても、
事実は変わりません。
でも、
その事実が
はっきりしていないことが問題ですね。
どこかで情報操作がされています。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-16 09:45
> j-garden-hirasatoさん、そうです、目的が先にあってそれに合う事実だけを無理やり(でっち上げてでも)喧伝する。
その目的は「戦争の出来る・戦争をする」日本を作るため(またはそこにつながっていく)。
沖縄の幼稚園に落下したヘリコプターの部品ですら、自作自演だというような連中です。
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by saheizi-inokori | 2017-12-15 12:18 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori