精神貴族の江戸っ子でえ 小満ん独演会@末廣亭余一会 |
今朝もNYテロのニュース。
野党の質問時間を減らすという「謙虚な」自民党。
血なまぐさい連続殺人事件。
落語でも聴かなくっちゃ。

すると西向かない侍月は一日余る。
その日は特別企画、というわけで今月は「小満ん独演会」、いかざあなるめえ。
昼飯は栄寿司で970円のランチを張り込む。
この店だ、弟が二階の座敷で結婚披露、親戚だけが10人ほど集まって不覚にも僕は泣いてしまった。

おう、「道潅」!久しぶりだね、元気だったかい。

朝顔に釣瓶取られてもらい水、ご隠居さんのお気に入りの朝顔ならぬ人間のお前さんだもの、きっとお金を貸してくれるよ、加賀の千代ならぬ「カカの知恵」を授けられて甚兵衛さん、ご隠居さんに金を借りに行って、吹っ掛けた20円を値切られるどころかもっと貸してやろうと言われ、正直に「実は8円ちょっとでいい」と本音を明かしてしまう。
ほれみろ、強盗貴族どもとは人間の出来が違わあ。

一九「だくだく」
なあんにもない長屋の一部屋に絵でタンスや猫や札束がこぼれそうになっている金庫や掛け軸などを描いてもらっていい気分になってるすっかんぴん。
そこに忍び込んだ近眼乱視の泥棒、絵に騙されたことに気がついて、このまま帰っちゃ癪に障ると、盗んだつもり、風呂敷がいっぱいになって持ち上がらないつもり、それをみた男が長押の槍をグイっと突き刺したつもり、だくだくと血が出たつもり。
ほらほら、ここにも強盗貴族が想像もできない楽園の泥棒、精神の貴族たちがいた。

小猫・物まね
ヒツジは投げやりな鳴き方、ヤギはちゃんとメ~メ~。
テナガザルの鳴き声は「両足のふくらはぎが同時に攣ってしまったオジサンの声」。
アルパカの鳴き方は「ひとの話を聞いているようで聞いていない人の返事」。
しゃべりもうまい物まねだ。

首ったけの男が眼病だと言う(ウソ!ほかの女に貢ぐのだ)ので、間抜けな間夫気取りの客を騙して20両の金を作る新宿の女郎・おすぎ。
ずるいようでもその心根が可哀そうだ。
男は騙されても、ざまを見ろだが、おすぎは気の毒だ。
「舌の長いこと」、ぺらぺらとしゃべる。
壊れたがま口みたいに口をガバッと開けて。
馬が長い行灯咥えたような長い顔、面のあとさき見てると真ん中忘れちまう。
落語国語教室は勉強になるなあ。

亭主の見た夢が気になって仕方がない女、これは亭主が好きで好きでたまらないのだろう。
隣りの男や大家、ご奉行、天狗たちが夢の内容を聞きたがるのは好奇心。
子供たちと一緒に暮らしていた頃、見た夢のことをしゃべるとうるさがられた僕。
僕も人の夢には興味がないなあ、それでいて夢のような小説とか能は好きだ。

短気なワンマン社長に叱られたあと、社長と同名の小使いさんに頼んで(お礼をして)八つ当たりをさせてもらう。
小使いさんは社長の声色でひたすら謝る。
それを聞いた奥さんがぜひ家に招いてご馳走しましょう。
その日、小使いさんの都合が悪くなり、電車の中で本物の社長にあって、家に誘う。
小使いだとばかり思った奥さんが愉快なシツレイの数々。
「レトロ、三丁目の夕日の頃」と前置きした小満ん、たしかに昔の四コマ漫画みたいな味わい。

「縁かいな」の節で「秋の夕陽に照るヤマモミジ」をうたってみせたり、ドラマチックな三味線を聴かせたり、今日はふだんの寄席よりはちいとばかし力が入ってレベルもあげていたようだ。
きのうも北風きょう南風あすは浮き名の辰己風

せんじつ人形町で聴いた噺、きょうはあちこち刈り込んでテンポよく聴かせた。
はねると外でいつものように挨拶に立つ師匠、「社長さん」の題名を教えてもらった。

芋煮に、ずいぶん肥ってきた秋刀魚、珍しく男性客に挟まれていろいろ話す。
「100歳時代になる」かどうか、医療・薬の進歩を言う人に「これからの医療保険の方向などを考えると、医学の進歩に均霑できる人は限られるのじゃないか」なんて言っちまったぜ。
今日は芋名月、十三夜に曇りなし、って、これは見なきゃね(タダだし)。
三宅周太郎級。調べちゃいました。
伝統と格式の高い会の雰囲気を味わってきました。

前に見た「蝟集」も調べました~
下のサンチちゃんの可愛さったら! お手てを膝に置かれたら
もうひやーですね 林檎の香りに魅かれるの。。かな
今もっとも欠けているのではないでしょうか。
たしかにあそこは落語には向いてないように思います。
柔らかくて軽い手の感触がなんとも言えないのです^^。
美味しいもので一杯やって、
気分転換になりますね。