怖いけれど美しく、おかしいけれど悲しい 莫言「白檀の刑」(上下)
2017年 08月 20日
さあっと、白い雨が吹き飛ばされて急に明るくなったように見える、まことに痛快。
歩数が足りないので40分ほど遠回りをする。
ひっきりなしにフラッシュをたくような雷、スマホを構えたが稲妻を撮るのは難しい。
雨も降っているから傘をクビで抑えて、、背中が濡れて冷たい。
さかんに救急車のサイレンが鳴って、目の前を通過していく。
ごろごろ、どっかん、音と光が花火よりずっと迫力あり。
昔、知人が白昼、駅頭で腕時計に落雷して亡くなった。
カミさんは雷が怖いという(バスでしろいしに)、それが普通の感覚かも知れないけれど、ぼくは爽快・痛快なのだ。
「しろいし」でシャツを脱いでタンクトップ一枚で燗酒を飲んだ。
日本酒はうまい。
中国はなにもかも遅れているが、刑罰のみはもっとも先進的である。中国人はこの方面に特別な才能を有する。最大の苦痛に耐えて、はじめて死を与える―これぞ中国の芸術であり、中国政治の精髄である。西太后に処刑人として最高だと言われた首席処刑人・趙甲は、987人の罪人を処刑、その方法も多彩を極める。
腰斬、斧で真っ二つ、アラ、残った上半身が踊りだした。
だが、これではあまりに死ぬのが早すぎる、もっと苦痛を、もっと長く。
凌遅、別名魚鱗切り、処刑柱に立たされた罪人から五百刀で均しい大きさ重さの五百の肉片を切り取り、その間生かし続ける。
美女を凌遅するのこそ、この世でいちばん凄惨な美の表現でな。あり様は、それを見物する人間のほうが、執刀するわしらよりも残酷なのじゃ。ドイツ人の暴虐により妻子・隣人を殺された猫腔(マオチャン・猫の衣装を着て猫の鳴き声を合いの手に歌う地方劇・作者の創造)の名人座頭・孫丙は義和団に参加して鉄道建設現場を襲撃する。
それを内心の相克と戦いながらも、逮捕した県知事・銭丁、その不倫相手の天然美女・眉娘は孫丙の娘であり処刑人・趙甲の息子・小甲の妻でもあり、小甲が落とした犬や豚の料理を売る。
ドイツ人のために趙甲は、孫丙を「白檀の刑」で処刑する。
白檀を尻から首の後ろまで串刺しにして十字架にかけて五日間生かし続ける。
小甲を後継ぎにすべく助手とする。
猥雑にして哀切、壮絶にして滑稽、フアンタジックにしてリアリステイック、ローカル色あふれる普遍、さすがにノーベル賞の物語だ。
吉田富夫 訳
中公文庫
『白檀の刑』とは、そういう話なのですか…
『地獄八景』も裸足で逃げ出す恐ろしさ…
鬼より閻魔より、生きてる人間の方が酷い事をする。
そして、その中に滑稽やファンタジーがあるのならば、
そりゃあ、村上春樹に勝ち目はなかったですね。
読もうかな、怖いな、どうしようか…
イタリアではものすごい苦しいこと、残酷なことを
ひえーこれじゃあ tortura cinese トルトウーラ チネーゼ ( 中国の拷問 )だよ。と言います
こう言う事の出来る人って、それが快感になってますますエスカレートしていくのでしょうね
中国の纏足も残酷そのもの
こちらの東洋美術館で目にしましたが、あんなに小さいとは思いませんでした。
あのちっちゃな、ちっちゃな靴を見てるだけで痛みが伝わってきます。
今、雷が鳴って雨が降ってきました。
お知り合いで亡くなった方がいらしたのですか。
雷は遠くだと怖くないですが近くで落ちると恐怖感がつのります。
外であまり遭ったことはないですが、鹿島槍から下がったところで雷に遭ったときはとても恐ろしかったです。
からおけに嵌りましたか。お酒にからおけ、楽しいことがいっぱいみたいです。
カラオケは誤嚥性肺炎を予防するために喉のトレーニングです。
COPDのなりかけで咳が気になるのです。
薬を飲んだりするより楽しい予防です(酒はいけないのでしょうが)。