2017年 07月 21日
夏がくれば 夏ミカン |
稲田は政治家になるのは早かったな、もう少し勉強してからがよかった、それこそ早稲田だ、なんてくだらないことを考えながら夕方の散歩。

玉川土手で落日を見ようと思ったのに、等々力不動の看板と自然に呼ばれて(昔流行ったね、nature calls me)等々力不動に入り、等々力渓谷を歩こうかと思ったが、轟く瀧などなくて蚊に刺されそうになったので途中で脱出した。

毎日更新のネタが切れそうなので、思い出話やら食い物の話をしよう。
老人と海じゃなくて老人と倦みだね。
題して、「夏がくれば」。

これは、河内晩柑。
カミさんと義姉が好きでお陰で僕もおすそ分けにあずかっている。
さっぱりした、どちらかというと頼りないような風情、それがいいのかもしれない。
でもぼくは本当は夏ミカンが好きなのだ。
酸っぱくて顔をしかめるようなやつが。
厚い皮をむいてひと房ひと房食う。
食う、という実感がある硬い太い果実。
あちこちに汁が飛ぶ。
中味だけを取り出して皿に盛り重曹とか塩をふって食ったのは母がやってくれたのかもしれない。
砂糖をかけるという友達もいたなあ。

(等々力不動の瀧、ちよろちょろ、わかるかなあ)
夏ミカンの酸っぱいのなんてあちこちの庭に成っていてママレードにするような家以外は誰も採らないようだった。
だから貧乏学生でもたやすく買うことができた。
寮のボロボロ障子をあけ放って廊下越しに何もない庭を眺めながら次から次へと口に入れた、背を丸めて。
ひとりで食うときも友だちと一緒に食うときもあった。

寮室で昼寝をしてしまって目が覚めたら枕元に夏ミカンが三つ置いてあって、その下に封筒があった。
メモがあって
そして千円札が一枚(だったと思う)入っていた。
しょっちゅう、「ちょっと貸して」貰っていた友人が僕の懐を忖度してくれたのだった。

(オシロイバナで思い出すのは遺伝の授業だ。白衣を着たM先生お元気だといいのだが)
せんじつ、夏が来れば思いだす遥かな尾瀬の記事に書いた、尾瀬長蔵小屋でビールを呑みすぎてバス賃が足りなくなりトラックに拾ってもらったときの友人がその男だ。
この話は前にも書いたことを今思いだした。
老人は同じ話の繰り返しが多いのだ、参ったか。
電車だってまいんち飽きずにおなじとこ走ってる。



老人と海じゃなくて老人と倦みだね。
題して、「夏がくれば」。

カミさんと義姉が好きでお陰で僕もおすそ分けにあずかっている。
さっぱりした、どちらかというと頼りないような風情、それがいいのかもしれない。
でもぼくは本当は夏ミカンが好きなのだ。
酸っぱくて顔をしかめるようなやつが。
厚い皮をむいてひと房ひと房食う。
食う、という実感がある硬い太い果実。
あちこちに汁が飛ぶ。
中味だけを取り出して皿に盛り重曹とか塩をふって食ったのは母がやってくれたのかもしれない。
砂糖をかけるという友達もいたなあ。

夏ミカンの酸っぱいのなんてあちこちの庭に成っていてママレードにするような家以外は誰も採らないようだった。
だから貧乏学生でもたやすく買うことができた。
寮のボロボロ障子をあけ放って廊下越しに何もない庭を眺めながら次から次へと口に入れた、背を丸めて。
ひとりで食うときも友だちと一緒に食うときもあった。

メモがあって
一緒に食おうと思って買って来たけれど、あんまり気持ちよさそうに寝ているから起こさなかった。
そして千円札が一枚(だったと思う)入っていた。
しょっちゅう、「ちょっと貸して」貰っていた友人が僕の懐を忖度してくれたのだった。

せんじつ、夏が来れば思いだす遥かな尾瀬の記事に書いた、尾瀬長蔵小屋でビールを呑みすぎてバス賃が足りなくなりトラックに拾ってもらったときの友人がその男だ。
この話は前にも書いたことを今思いだした。
老人は同じ話の繰り返しが多いのだ、参ったか。
電車だってまいんち飽きずにおなじとこ走ってる。

by saheizi-inokori
| 2017-07-21 11:20
| よしなしごと
|
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Comments(12)
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夏ミカン 詠んでいるうちに口の仲が唾液でいっぱいになっちゃいました
口の中が酸っぱくなり、すぼめながら拝見!
私も昔の酸っぱい夏みかん食べたい!!
最近のサマーオレンジ、甘いですよね(^^;
私も昔の酸っぱい夏みかん食べたい!!
最近のサマーオレンジ、甘いですよね(^^;
> jarippeさん、青梅やスグリなども懐かしい酸っぱさですね。
> doremi730さん、トマトもイチゴもなにもかも甘くなりましたね。
人間たちも?
人間たちも?
若い私(!^^)も、夏みかんのあの食べごたえと酸っぱさは知っております。
昔はなんでも、しっかりしてしていた気がいたします。
昔はなんでも、しっかりしてしていた気がいたします。
> haru_raraさん、トマトやキューリの青臭さ、紅玉の酸っぱさ、モノにはそれぞれの味わいがありましたね。
人間にも。
人間にも。

夏ミカンが三つ置いてあって、その下に封筒が」
あたたかい風景ですね。 ここを読んで
突然下宿を訪ねた1年生の私達に、何もないけどと言い
炊き立てご飯に鯛味噌を載せて食べさせてくれた
先輩を思い出しました。
あたたかい風景ですね。 ここを読んで
突然下宿を訪ねた1年生の私達に、何もないけどと言い
炊き立てご飯に鯛味噌を載せて食べさせてくれた
先輩を思い出しました。
豪快なお友達が多いようですね。
saheizi-inokoriさんも、
そうなんでしょう(笑)。
saheizi-inokoriさんも、
そうなんでしょう(笑)。
> そらぽんさん、炊き立てのご飯に鯛味噌、最高のご馳走ですね。
しばらく食べてない炊き立てご飯、ああ、食べたい。
しばらく食べてない炊き立てご飯、ああ、食べたい。
> j-garden-hirasatoさん、今は岩手で独特の造園業をしています。
豪快というよりも朴訥な人、ちょっと宮沢賢治を偲ばせます。
豪快というよりも朴訥な人、ちょっと宮沢賢治を偲ばせます。

稲田の早稲田には大笑いです。
尾瀬で一緒だったご友人って本当にいい人なのですね。
遺伝の授業はオシロイバナだったのですか。
えんどう豆がどうとかで教えられただけです。
よく酸っぱい果物が食べられますね。苦手ですが、友人に1個ペロリさんがいます。
尾瀬で一緒だったご友人って本当にいい人なのですね。
遺伝の授業はオシロイバナだったのですか。
えんどう豆がどうとかで教えられただけです。
よく酸っぱい果物が食べられますね。苦手ですが、友人に1個ペロリさんがいます。
> tonaさん、そうです、ほんとうにめったやたらにはいない男です。
遺伝の話はショウジョウバエもありましたね。
昔ながらの夏ミカンを探しています。
遺伝の話はショウジョウバエもありましたね。
昔ながらの夏ミカンを探しています。