ミスを幸い浅草ぶらぶら

浅草見番で一朝の独演会、早起きしてすべてやり終えて駆けつけたのに誰もいない。
なんたるちーや！明日と間違えた。
きれいな芸者が「こんにちは」と言ってくれたのに返事もろくすっぽしなかった、ああせめて写真ぐらい撮るんだった。
さて11時、この後どうしようか。とりあえず「弁天」で蛤蕎麦をたぐり蕎麦湯をたっぷり飲んでおりから開催中の「お富士さんの植木市」を見て歩く。
じりじり熱い日がさすが風は気持ちがいい。
富士浅間神社に参詣、角の魚屋で「ああ、この鮎を食いたい」。
今、写真を見ながら「隅田川を見ながら食うんだった」。
ジグザグジグザグ、小路を歩く。
こういうのが好きなのだ。浅草寺の方に抜け、できるだけいつも歩かない道を選ぶ。
瓦を割っていかないか？
ジャズはどう？
「花やしき」、入ったことがなかった。
身障者は入場無料！入る。
メリーゴーランド、お化け屋敷ＢＢＱ庭園なんともかんとも狭いところにどれだけの施設があることか。
爺さんは見るだけで外に出る。
初音小路、まだ立派に残っていた。
生ビール飲んでいったら、というオジサン（あそこで座っている）が、もうすぐ再開発でつぶれるという。
どの店も昼からおおくの人たちがクイッとやって人生を謳歌している。
こんな服を着て歩いたらどんな気分になるだろう。
「すぎ」は半村良の「浅草案内」に出てくる店、ああ云う本を読んでは店を探し歩いた、あの時間は意味があったのか。
ウナギはヨウショクだろ、なんてポスターに茶々入れたり、わが友・梟との邂逅があったり、暑いし、疲れたので「ハトヤ」でコーヒーを飲む。
昭和二年開業だという。
天皇夫妻のカレンダーなどが貼ってある。
置いてある産経新聞には、前川さんがメデイア批判をしたことが大きく書いてある。
朝日や東京はこの点を小さくしか触れていなかった。
「まるごとにっぽん」という施設が六区に出来ている。
涼みがてら入ってみたら、これが面白い。
全国各地の名産特産などをオシャレに売っている。
昔僕も作りたかったけれど実行力不足で幻になった業態だ。
食い物、工芸、体験、飲食と４階あるのをうろついた。
オバサン化して、買ったもの。
国産無添加、ミカン・梨・キウイ・ハトムギ・玄米などのグラノーラ。
豆腐を掬う小さな金網（大きいのしかなかったのだ）、無添加減塩の梅干し、読書用のマクラ、漁網で作った身体洗い。
あちこちで試食もできるし、休む場所も多く、トイレがきれいだし、何時間でもいられそうだ。
そこを出ると人力車のお兄さんたちが歌やダンスのパフォ―マンス。
久しぶりに「蛇骨湯」に入る。
露天風呂もあるし温泉だからゆっくりすればいいのだが、イラチなのだなあ。
外国人たちがおずおずとスッポンポンで入るのがおかしい。
浅草で呑まずに桜新町までかえって「はじめ」、ことし初めての小芋などを食って、落語の切符を誰かにと言っておいて帰る。
浅草って面白いな、１６７００歩。