2017年 04月 23日
馬鹿は百人寄っても馬鹿なり/漱石のすべて 佐々木英昭「夏目漱石 人間は電車ぢゃありませんから」 |
安倍政権を、けっしていいとは思わないけれど、ほかがだめだから、渋々消去法で支持する人々よ。
一強が過ぎるととんでもないことになる、その時(共謀罪が成立した時)に後悔してももう遅い、ほかの選択肢が消えてなくなっているかもしれない。
駄目なところでも敢えて支持する、たとえば沖縄を守る政党を支持するようなことが今一番大事なことじゃないですか。
一強が過ぎるととんでもないことになる、その時(共謀罪が成立した時)に後悔してももう遅い、ほかの選択肢が消えてなくなっているかもしれない。
駄目なところでも敢えて支持する、たとえば沖縄を守る政党を支持するようなことが今一番大事なことじゃないですか。
支持率を下げるだけでも意味があるのです。

内田百閒が書いた漱石全集の推薦文のなかに

そのような夏目漱石について、
じつに面白く知的スリルに満ちている。

スペンサーの「文体論」のキーワードであるsuggestion(暗示)、それは俳句の核心でもある。
俳句、漢詩、シエイクスピア(英文学)のいずれをも極めた漱石の世界観人生観においても、心が事物にふれてsuggestionを受け推移・進化(evolution)していくことが「開化(civilization)」だと捉えた。
その方法論思考法を使って漱石の作品がどのように推移していくかを漱石の作品やノート、関係者の証言・作品・書簡など膨大な資料を読み込んで明らかにしていく。

漱石の裏表、外と内、前後左右が切り分けられて、説得力のある・ユーモアを交えた平明な文章で目の前に展示されていく。
こちらは時に漱石とともに悩み苦しみ喜ぶ。
草平や三重吉とともに一喜一憂する。
鏡子夫人とともに嘆きうろたえる。

副題の「人間は電車ぢゃありませんから」は、漱石に博士号を授与すると勝手に決めた文部省に対して、徹底的に拒否した時のインタビューで
そういえば、百閒も芸術院会員に推された時に「イヤダカライヤダ」と断ったなあ。
ぼくも生存者叙勲なんて断ろう、と思っているけれど誰もやろうと言ってこないのだ。
「坊ちゃん」のように、子供のころから嘘つきと云はれることを神経質に嫌った漱石。
百閒さん、どうもさいきんの政治家は「全く漱石先生の影響を受けてゐない」のか、それとも「文を解さない」のかもしれませんぜ。
ミネルヴァ書房

漱石全集は既に日本人の経典となってゐるのではないか。百閒が自分の文章を推敲する時の「標識」となっているのは漱石の文章である、そして「今日文を解する同胞の中に全く漱石先生の影響を受けてゐないと云ひ得る者が果たして幾人有るかと思ふ」とも書き、
夏目漱石は日本人の先生であり、その作品は日本人の教科書である。
我々が自然や人生や自分の事に就いて感じたり、考へたりする時、自分の内にゐる夏目漱石が共に迷ったり考へたり感じたりする。指導されるとか、指図を受けるとか、さう云ふ事ではない。夏目漱石と云ふ偉大な作家がその作品を読んだ者の中に溶け込むのである。夏目漱石は我々の今日に存在する。とも。

書き残されたあらゆる文章と着実な証拠のみにもとづいて、あなた(漱石)の思考と推移を生涯にわたって隅々まで照らし出す―その意味で内的なー伝記は、まだ一つとしてないと思う著者が
最初の内的な漱石伝と自負し、漱石に献呈するという本書。
じつに面白く知的スリルに満ちている。

俳句、漢詩、シエイクスピア(英文学)のいずれをも極めた漱石の世界観人生観においても、心が事物にふれてsuggestionを受け推移・進化(evolution)していくことが「開化(civilization)」だと捉えた。
その方法論思考法を使って漱石の作品がどのように推移していくかを漱石の作品やノート、関係者の証言・作品・書簡など膨大な資料を読み込んで明らかにしていく。

こちらは時に漱石とともに悩み苦しみ喜ぶ。
草平や三重吉とともに一喜一憂する。
鏡子夫人とともに嘆きうろたえる。

馬鹿は百人寄っても馬鹿なり、(中略)味方の多きは、時として馬鹿なるを証明しつつあることあり松山中学交友会雑誌に寄稿した「愚見数則」のなかの一節、多数派一強の内実暴露だ。
副題の「人間は電車ぢゃありませんから」は、漱石に博士号を授与すると勝手に決めた文部省に対して、徹底的に拒否した時のインタビューで
一体前例々々と云って人の自由意思を蹂躙するのは甚だ感服出来ないことぢゃありませんか。夫(それ)は成程電車は何れも極って前の電車の後を逐つ駆けるでせう、が人間は電車ぢゃありませんからねえと答えたことから引いている。
そういえば、百閒も芸術院会員に推された時に「イヤダカライヤダ」と断ったなあ。
ぼくも生存者叙勲なんて断ろう、と思っているけれど誰もやろうと言ってこないのだ。
「坊ちゃん」のように、子供のころから嘘つきと云はれることを神経質に嫌った漱石。
百閒さん、どうもさいきんの政治家は「全く漱石先生の影響を受けてゐない」のか、それとも「文を解さない」のかもしれませんぜ。
ミネルヴァ書房
by saheizi-inokori
| 2017-04-23 12:53
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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Comments(12)
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あー いいな。
「イヤダカラ いやだ」
「人間は電車じゃ ありませんから」
よい本を教えて頂きありがとうございます
仰る通り、一強が過ぎると。。。後悔しても遅いですね。
下は年に2回は見る動画。
民のばかったれが。
Youtube「夫を支えます・・・中川昭一妻の覚悟 1/3」
「イヤダカラ いやだ」
「人間は電車じゃ ありませんから」
よい本を教えて頂きありがとうございます
仰る通り、一強が過ぎると。。。後悔しても遅いですね。
下は年に2回は見る動画。
民のばかったれが。
Youtube「夫を支えます・・・中川昭一妻の覚悟 1/3」
ciao saheiziさん
> 馬鹿は百人寄っても馬鹿なり、(中略)味方の多きは、時として馬鹿なるを証明しつつあることあり
まるで我が国の内閣そのもの
嫌だから嫌だ。って ありますよね
嫌の理由は嫌だから。
説明するまでもない。
> 馬鹿は百人寄っても馬鹿なり、(中略)味方の多きは、時として馬鹿なるを証明しつつあることあり
まるで我が国の内閣そのもの
嫌だから嫌だ。って ありますよね
嫌の理由は嫌だから。
説明するまでもない。
> soraさん、ばかったれ、甘ったれ、そんなやつばっかり。
> cocomeritaさん、東京五輪招致の署名を町内会が集めたときに、「イヤダカライヤダ」と言っても「なぜ?」と食い下がる役員がいたことを友人から聞きました。
漱石や百閒のころよりも変な社会になっているようです。
馬鹿ばっかり!
漱石や百閒のころよりも変な社会になっているようです。
馬鹿ばっかり!
馬鹿よりもアホ―の方が、まだましか。
ああ、列車に乗って、どこかに行きたいなあ。
ああ、列車に乗って、どこかに行きたいなあ。
> uronteiさん、どっちも政治家になってほしくないです。
アホで馬鹿で悪ばっかりだ。
アホで馬鹿で悪ばっかりだ。
夏目漱石の小説、
読んでみようかなあ、
という気になりました。
実際に読むかどうかは置いといて(笑)。
読んでみようかなあ、
という気になりました。
実際に読むかどうかは置いといて(笑)。
> j-garden-hirasatoさん、私は全集をもっているのです。
やっと読むときが来たような気がします。
やっと読むときが来たような気がします。

またまた面白い本を発見、ご紹介、素晴らしいです。
驕り高ぶる政治家たち、見るに堪えない某大臣、ここまで地に堕ちたかと、私でさえ嘆くこの頃です。
そんなとき花を見て心を紛らわすってことありません?怒ってばかりいると皺が増えそうで困ったものです。
驕り高ぶる政治家たち、見るに堪えない某大臣、ここまで地に堕ちたかと、私でさえ嘆くこの頃です。
そんなとき花を見て心を紛らわすってことありません?怒ってばかりいると皺が増えそうで困ったものです。
tona さん、しわ32、増えてますねぇ^^。
ほんとに花が味方です。
ほんとに花が味方です。
惹かれました。
> ikuohasegawaさん、面白かったですよ。