ウーン そう来たか!玄妙なユーモア ジャック・リッチー「クライム・マシン」(晶文社)
2006年 01月 24日
ぶっきらぼうといってもいいくらい。簡潔なのに説得力のある文章。いつ騙されるかいつ騙されるか、気をつけているつもりでもひっくり返されてしまう。短編の名手として名うての作家の1960年代から70年代にかけての傑作ばかり17編。奇抜な設定が多い。表題作はタイムマシンを発明した男が殺し屋の前に登場。「タイムマシンに乗って行ってあなたの犯行現場を目撃したという」。確かにそうでもしなければわからない細部を知っている。口封じにお金を払うのだが・・。
趣向はいろいろでドラキュラやホームズのパロデイみたいなシリーズも登場する。

人を見る目が苦いね。でも、重いのではない。軽妙、シニカル。ドライなユーモア。
ヒッチコックのお気に入りで彼の編んだアンソロジーには多くとられて、日本版ヒッチコックミステリマガジンやエラリクイーンズ・ミステリマガジンにも良く出たそうだがそれらの読者だった俺なのに覚えが無い。
あとがきにあるのだが、最晩年のインタビューで彼は「自分がこれまでに書いた最も短い物語」を披露している。それはわずか二つのセンテンスからなるものだった。
趣向はいろいろでドラキュラやホームズのパロデイみたいなシリーズも登場する。

人を見る目が苦いね。でも、重いのではない。軽妙、シニカル。ドライなユーモア。
ヒッチコックのお気に入りで彼の編んだアンソロジーには多くとられて、日本版ヒッチコックミステリマガジンやエラリクイーンズ・ミステリマガジンにも良く出たそうだがそれらの読者だった俺なのに覚えが無い。
あとがきにあるのだが、最晩年のインタビューで彼は「自分がこれまでに書いた最も短い物語」を披露している。それはわずか二つのセンテンスからなるものだった。
すべてが終わったとき、地球上には二人の人間が残った。20年後、年上の男が死んだ。「まだもう少し削れると思うんだよ」と付け加えたんだって。


タイトル : ◎「クライム・マシン」 ジャック・リッチー 晶文社 25..
このミス2006の海外編1位ということで手に取った本書である。実は読む前に心配していたことがあって、晶文社の短編集というと“異色”短編集という形容がつくものが多く、▲『ヨットクラブ』デイヴィッド・イーリイや○『歌うダイアモンド』ヘレン・マクロイのような、本当に異色で、読者を選ぶような短編集であれば、特に読まなくてもいいんだけど・・・なんて思っていたのも杞憂であった。粒よりのユーモア短編集。ひとつひとつに味わいがあり、それでいて単純な面白さがある。同じ晶文社の◎◎『探偵術教えます』パーシヴァル・ワイル...... more
このミス2006の海外編1位ということで手に取った本書である。実は読む前に心配していたことがあって、晶文社の短編集というと“異色”短編集という形容がつくものが多く、▲『ヨットクラブ』デイヴィッド・イーリイや○『歌うダイアモンド』ヘレン・マクロイのような、本当に異色で、読者を選ぶような短編集であれば、特に読まなくてもいいんだけど・・・なんて思っていたのも杞憂であった。粒よりのユーモア短編集。ひとつひとつに味わいがあり、それでいて単純な面白さがある。同じ晶文社の◎◎『探偵術教えます』パーシヴァル・ワイル...... more

タイトル : 「クライム・マシン」ジャック・リッチー/著
「クライム・マシン」ジャック・リッチー/著読みました。 2006年版「このミステリがすごい!」の海外部門1位。 17編の短編を集めた短編集ですが、表題の「クライム・マシン」が巻頭にありますので、まずは「クライム・マシン」を読み随分古典的なトリックというか、作品だなあと思いました。 それもその筈で、この作家は50年代から80年代にかけて活躍した作家でした。 日本では星新一さんが代表的な作家ということになりますが、短編集と書きましたがショートショートっぽい印象の作品も多く、アメリカでの代...... more
「クライム・マシン」ジャック・リッチー/著読みました。 2006年版「このミステリがすごい!」の海外部門1位。 17編の短編を集めた短編集ですが、表題の「クライム・マシン」が巻頭にありますので、まずは「クライム・マシン」を読み随分古典的なトリックというか、作品だなあと思いました。 それもその筈で、この作家は50年代から80年代にかけて活躍した作家でした。 日本では星新一さんが代表的な作家ということになりますが、短編集と書きましたがショートショートっぽい印象の作品も多く、アメリカでの代...... more

タイトル : クライム・マシン
ジャック リッチー, Jack Ritchie, 好野 理恵 クライム・マシン 「クライム・マシン」 ジャック・リッチー・著 晶文社・出版 『どれも好作品ばかりの短編集』 「このミス」の昨年の海外部門の一位です。 晶文社のこのミステリのシリーズは、地味ながら... more
ジャック リッチー, Jack Ritchie, 好野 理恵 クライム・マシン 「クライム・マシン」 ジャック・リッチー・著 晶文社・出版 『どれも好作品ばかりの短編集』 「このミス」の昨年の海外部門の一位です。 晶文社のこのミステリのシリーズは、地味ながら... more

タイトル : クライム・マシン ジャック・リッチー
「2006年度版このミステリーがすごい!」の海外編第1位。作者は1950年代から80年代にかけて「ヒッチコック・マガジン」「マンハント」「EQMM(エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン)」なぎ..... more
「2006年度版このミステリーがすごい!」の海外編第1位。作者は1950年代から80年代にかけて「ヒッチコック・マガジン」「マンハント」「EQMM(エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン)」なぎ..... more
ややご無沙汰してました。図書室たき火のkunugieです。
この本、おもしろそうですね。来月ちょっと旅行に出かけるので、そのときに持っていくのによさそうです。
この本、おもしろそうですね。来月ちょっと旅行に出かけるので、そのときに持っていくのによさそうです。
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takibi-libraryさん、今晩は。遠出ですか?面白いですよ。
indi-book さん、こんばんは。こういう小説は日本には少ないですね。最近は読者の好みも多様化しているから読む人もいると思います。
by saheizi-inokori
| 2006-01-24 21:05
| 今週の1冊、又は2・3冊
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