2017年 03月 06日
苦しまないと人生にすまない 金石範「火山島」 |
しっかいと、しっかいと、本人はしっかりと、と言っているつもりだろう。
安倍の答弁10秒にいちどくらい飛び出す「しっかいと」。
よほど内実はいい加減にやっていることを自覚しているのだろう。
子供のころから「しっかりしなさい」と言われ続けて育ったのかもしれない。
三期も続けるって!何とかしなきゃと思えども、、、
したり顔して「総理の業績をどうお考えですか」みたいなゴマすり質問する自民党議員には恥らいの心ってのがないようだ。

「火山島」Ⅱを読み終えた。
済州島の武装蜂起の準備が進み、いよいよ決行の日が知らされようとしている。
日帝時代に転向した李芳根(イバングン)は亡き母から相続した遺産で高等遊民のような生活をしている。
財閥と言ってもいいような父とは同じ屋敷内に住んでいるが、ほとんど別の部屋に閉じこもって会話らしい会話はない。
その李芳根を見込んで柳達鉉(ユタルヒョン)・中学教師・共産党幹部?は「特別な線」からの要請として武装蜂起の支持者になるようにと、しつこく(いやらしく)誘う。
一方、日本から帰った康蒙九(カンモング)もまた訪ねて来て、東京で李芳根と絶縁している兄・日本に帰化して畑中となっている、から5万円のカンパを受けたことを伝え、李芳根に特別(秘密)党員になるように勧める。
柳の申し出には厳しく拒否の返事をしたが、信頼をおける康には「考えておく」という李。

(昨日は、都立大学から緑ヶ丘経由自由が丘、新しいコースを歩いた。
東工大が大岡山から緑ヶ丘にかけて鎮座していることを知った)
李はなんとなく木鐸令監(モッタクヨンガム・木魚老人・乞食仙人)に会いたくなって、漢挐(ハルラ)山麓の山泉壇(サンチョンダン)に行く。
行きかう少年の挙動など、ピリピリした空気、ここが武装蜂起の拠点になっていることに気づく。
そして、レポにやってきた南承之に遭遇、連れ立って城内(ソンネ)に戻る。
李は南を好ましく思い、愛する妹・有媛(ユウオン)との双方に相手が会いたがっているという嘘をついて、二人の行く末を見守っている。
南は日本から帰るときに従兄や母の前で、方便として日本で結婚しなくても済州島で結婚する相手がいるとして有媛の名前をあげたのだが、その恋の成就に現実性がないと思いつつも、その名や声を思いだすと胸が高鳴るのだ。

(思いがけないところに銭湯をみつけた)
母と妹の懇請を振り切って革命のために済州島に戻ってきたという南に李がこういう。
李の周囲がぐらりと揺れるような不安感が芳根を襲う。
ソウルから帰った妹・有媛が日本にピアノを習いに行きたいと言い出す。
父は銀行の役員の息子(いやらしいバカなエリート、有媛に強硬な求婚をする)に有媛をやって、自分はソウルに銀行業を進出したい。
芳根が無頼な生活をしているのよりも思想的活動・共産党に入ることを恐れている。
妹が若い友だちを集めてパーテイ、日帝時代に禁じられていた鳳仙花の歌声が響く。
1919年の3・1独立運動のあとに出来た、鳳仙花を亡国の朝鮮に喩えた歌だ。
安倍の答弁10秒にいちどくらい飛び出す「しっかいと」。
よほど内実はいい加減にやっていることを自覚しているのだろう。
子供のころから「しっかりしなさい」と言われ続けて育ったのかもしれない。
三期も続けるって!何とかしなきゃと思えども、、、
したり顔して「総理の業績をどうお考えですか」みたいなゴマすり質問する自民党議員には恥らいの心ってのがないようだ。

済州島の武装蜂起の準備が進み、いよいよ決行の日が知らされようとしている。
日帝時代に転向した李芳根(イバングン)は亡き母から相続した遺産で高等遊民のような生活をしている。
財閥と言ってもいいような父とは同じ屋敷内に住んでいるが、ほとんど別の部屋に閉じこもって会話らしい会話はない。
その李芳根を見込んで柳達鉉(ユタルヒョン)・中学教師・共産党幹部?は「特別な線」からの要請として武装蜂起の支持者になるようにと、しつこく(いやらしく)誘う。
一方、日本から帰った康蒙九(カンモング)もまた訪ねて来て、東京で李芳根と絶縁している兄・日本に帰化して畑中となっている、から5万円のカンパを受けたことを伝え、李芳根に特別(秘密)党員になるように勧める。
柳の申し出には厳しく拒否の返事をしたが、信頼をおける康には「考えておく」という李。

東工大が大岡山から緑ヶ丘にかけて鎮座していることを知った)
李はなんとなく木鐸令監(モッタクヨンガム・木魚老人・乞食仙人)に会いたくなって、漢挐(ハルラ)山麓の山泉壇(サンチョンダン)に行く。
行きかう少年の挙動など、ピリピリした空気、ここが武装蜂起の拠点になっていることに気づく。
そして、レポにやってきた南承之に遭遇、連れ立って城内(ソンネ)に戻る。
李は南を好ましく思い、愛する妹・有媛(ユウオン)との双方に相手が会いたがっているという嘘をついて、二人の行く末を見守っている。
南は日本から帰るときに従兄や母の前で、方便として日本で結婚しなくても済州島で結婚する相手がいるとして有媛の名前をあげたのだが、その恋の成就に現実性がないと思いつつも、その名や声を思いだすと胸が高鳴るのだ。

母と妹の懇請を振り切って革命のために済州島に戻ってきたという南に李がこういう。
(社会主義者たちの意識は)革命、革命、彼らはだれかがいったように、”革命”というだけで何も考えなくていいんだよ。これが朝鮮人の日常の生活意識にまで浸透している儒教の教理の精神土壌と、李朝のイデオロギーを支配した朱子学の、他を異端として容れない絶対性の教理と結び付けばどうなる。トンムはさっきいってたね、家庭もなにも革命のためには一切否定せねばならんとな。それこそ、”革命”というだけで何も考えなくてもすむ連中に一切が否定されたら、どうなる?はっはっはあ、おれは断然”反革命”に廻るぞ。まるで、弁当箱に詰められた飯粒だな。単純でなければならんのだよ。大衆のように。観念のなかの赤布を蔽った祭壇に労働者農民を祀り上げるインテリ革命家のように。私はきみのことをいってるんじゃないんだ。承之トンム、きみはそうなるなよ。そうなったほうが楽だがね、苦しまんですむからな。きみはそうなるなよ。苦しまんですむと思想が無くなる。冷やかしじゃなくって、きみがいったのは名言だ。苦しまないと人生にすまないとね。きみは思想家だ、考える人間だ。苦しむ必要もないのに苦しむ。まったくバカげたことだが、これがまた人間なんだよ。トンムの気持ちは分らんでもないが、まあ、あんまり悲壮にならんことだな。はっはあ、そういうことだ、、。

ソウルから帰った妹・有媛が日本にピアノを習いに行きたいと言い出す。
父は銀行の役員の息子(いやらしいバカなエリート、有媛に強硬な求婚をする)に有媛をやって、自分はソウルに銀行業を進出したい。
芳根が無頼な生活をしているのよりも思想的活動・共産党に入ることを恐れている。
妹が若い友だちを集めてパーテイ、日帝時代に禁じられていた鳳仙花の歌声が響く。
1919年の3・1独立運動のあとに出来た、鳳仙花を亡国の朝鮮に喩えた歌だ。
垣根のかげの鳳仙花よ
汝が姿ぞ痛ましき
夏の長き日々の
美しき花咲きしころ
見目うるわしき乙女たち
汝をめでつ遊べり
いつしか夏は去りて
秋風吹ききたり
むごくも花を犯せしに
花は落ち老いはて
汝が姿あわれなり
by saheizi-inokori
| 2017-03-06 14:11
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Trackback
|
Comments(8)
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。
ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。

くふっ 総理の業績。締めは共謀罪で
そして、アベちゃんサラバのシナリオでしょうか。
ⅹデーを前に「森友」を書き立てる朝日等報道も
スピンの匂いがします。
ごめんなさい 最後の歌は詞を読むだけ。
聴く勇気がありません。
そして、アベちゃんサラバのシナリオでしょうか。
ⅹデーを前に「森友」を書き立てる朝日等報道も
スピンの匂いがします。
ごめんなさい 最後の歌は詞を読むだけ。
聴く勇気がありません。
> soraさん、野党の追及もマンネリ、こりゃあオール翼賛体制かも。
済州島に行った時に見た、アチコチにあり海に向かって
備え付けられタイルで隠されている大砲を思い出しました。
済州島は長い占領から韓国の文化じゃなかったのが驚きでした。
あ、でも革命だから、内へ向かってのものか、、、
関係ないコメントで、ごめんなさい
備え付けられタイルで隠されている大砲を思い出しました。
済州島は長い占領から韓国の文化じゃなかったのが驚きでした。
あ、でも革命だから、内へ向かってのものか、、、
関係ないコメントで、ごめんなさい
モクレンが開花直前。
春真っ盛りですね。
象の銭湯ですか。
近代的な建物だから、
これでもOKですね。
春真っ盛りですね。
象の銭湯ですか。
近代的な建物だから、
これでもOKですね。
> doremi730さん、日本軍は沖縄の次は済州島で戦おうと準備をしていたそうです。
本書の武装蜂起は大砲を海に向けて用意するほどのことはできなかったでしょう。
本書の武装蜂起は大砲を海に向けて用意するほどのことはできなかったでしょう。
> j-garden-hirasatoさん、まさに三寒四温、今日は寒い朝です。
「火山島」興味は湧きましたが、ここまで手を出せません。
まだ、戦争と平和も日本精神史も半ばです。
まだ、戦争と平和も日本精神史も半ばです。
> ikuohasegawaさん、ゆっくり行きましょう。
貴兄は大事な仕事をされているのですし。
貴兄は大事な仕事をされているのですし。