倉本聰・富良野塾の青春 芥川賞受賞・山下澄人「しんせかい」@文藝春秋3月号

恒例により芥川賞受賞作品、山下澄人「しんせかい」を文藝春秋3月号で読んだ。
19歳の澄人君が北海道にある俳優養成塾で一年間の合宿生活をする。
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受賞者インタビュー「倉本さんに舞台を降板させられた ブルースリーと高倉健にあこがれて」を読むと舞台装置はほとんど実際の富良野塾だ。
僕は二期生で、まだ寝泊まりする施設も十分にはなく、自分たちで住む家を建てるところから始める状況。とにかく毎日ハードでした。朝五時に起きて畑を耕して、丸太小屋を作る。授業は晩御飯を食べた後の七時ぐらいから。気絶してしまいそうでした。食事も夏に農家のお手伝いをして頂いた給料をプールしたお金が食費になるので、一日三食で三百円程度のものしか作れない。作業中に一度倒れて、病院で「栄養失調」と診断されたこともありました。
本棚には倉本さんのシナリオ全集とシエイクスピアしかなかったので、本もそれしか読んでません。
と語っていて、それらのことが小説に書き込まれている。

そういう意味で創立まもない富良野塾を覗いているような面白さはある。
あくの強い若者が共同生活をしていれば当然避けられない衝突や軋轢があったと思うが、取り上げられているのはお互いの呼び方を決める際の意見の食い違いだとか部屋割りなど些細な出来事のみで、青年たちの悩みとか苦しみについてその中身を掘り下げるという風ではない。
主人公・澄人の内面も直接語られることは少なく読み手が忖度するしかない。
独特の文体だが読みやすく午後の紅茶を飲みつつさっと読んだ。
ちょっと不思議な小説だ。
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(新潟で食った生ガキ、うまかったなあ)

他にきのう読んだ記事、
ひとつは「特集 豹変するアメリカ」

1.「緊急シミュレーション 米中が激突する日 引き鉄は台湾か尖閣か。そのとき日本はー」岡本行夫・渡部悦和・伊藤俊幸・富坂聡

彼らによれば米中激突は相当な蓋然性があるようで、今回のトランプが日米親密をアピールし仙閣をも安保対象と明言したのは極めて有効ということになりそうだ。
北朝鮮のミサイル発射に対する両首脳の記者会見でトランプが「日本と共にある」とは言ったが北朝鮮自体を名指しで非難することをしなかったような印象を受けた。
これは選挙中に言っていたハンバーガーを食いながらの対話ということと関係があるのか。

2・「トランプはサイコパスである」中野信子

脳科学者・中野は「サイコパス・トランプは同じくサイコパスであった信長の轍、義理人情を低く見て餌で人心をつかめると過信し、思わぬ裏切りにあう」「飽きたり自身にメリットがないと判断すれば躊躇なく辞任する」の二つの可能性がある、という。

3・「史上最低の大統領就任式に潜入せり」町山智浩

「ポスト真実」「オルタナテイヴ・ファクト」、強烈な反対派、、これを読むと改めてトランプが予想を裏切ってにこやかに安倍を厚遇していることがどうなっていくのか、ますます怖くなった。
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もう一つ 「この人の月間日記 春風亭昇太 僕にはお正月休みがない」
笑点の司会に抜擢され人気急上昇の噺家が紅白歌合戦の審査員を務めたりいくつもの正月寄席をかけもちし、歌丸のトリを代演し、、毎日を呑んで終える。
楽し気に書いているがしんどかろうなあ。
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Commented by haru_rara at 2017-02-13 11:28
『文藝春秋』、母が病院の売店で買って病室の父に「はい」と渡しましたが、父は活字を読む気力なく。
「安楽死」の文字が表紙にあったので、父が読まなくてよかったかしらと思ったり。
そうか、トランプはサイコパス、納得。恐ろしい。
Commented by tona at 2017-02-13 12:50 x
昇太さん、他にコマーシャルに出始めたし、歴史秘話ヒストリアにも出演、大河ドラマの今川義元役など一気に忙しそうに思えます。本業でも大変なのですね。
Commented by jarippe at 2017-02-13 15:29
今回のアメリカ訪問 何が陰にあるのか皆目わからない
親密がいいことなのかどうか不気味
今までどうりそれ以上何も言えない日本にならなければいいのですが
Commented by テイク25 at 2017-02-13 16:48 x
中野信子さんの新書「サイコパス」の内容紹介を見ていたら、トランプさんだけじゃなくてアベさんのことでもあるのだと思いました。
平気でウソはつくし、謝らないし、あたかも自分が被害者の様に振る舞うことがあるし、人の痛みをわかるようには思えないし・・・。
Commented by doremi730 at 2017-02-13 21:36
倉本聰さんの作品作りの番組を先日
テレビでみて、ますます好きになりました。
あの北海道に移り住んで、農業したり
家を建てたりした頃がでてくるんですね!
読んでみたくなりました。
ありがとうございます。

倉本さんが現在取り組んでいる、
全員がランニングし続けながら、
台詞を吐き続けながら、場面を展開していく舞台、
とっても興味があります。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-13 22:16
> haru_raraさん、ああ、、この文春は厚いから寝て読むにはちょっときついかな。
なんとかお元気になってもう少し薄い本をお読みになれることをお祈りします。

Commented by saheizi-inokori at 2017-02-13 22:17
> tonaさん、この人は笑点に出ているなかではちゃんとした落語もやれる才能もある人だと思います。
結構苦労人なのかもしれないなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-13 22:19
> jarippeさん、常識的に考えれば裏で相当な土産をさしだしていると思いますよね。
ますます「ノーと言えない日本」道をまっしぐらかな。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-13 22:20
> テイク25さん、だから仲良くなった?^^。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-13 22:23
> doremi730さん、厳寒の開拓地で馬を飼い馴らし、ジャガイモを植え、家を作って住み、それから授業、すごい日々だったろうと思います。
現在取り組んでいる舞台、知らないです。なんという劇ですか。
Commented by j-garden-hirasato at 2017-02-14 06:58
早咲きとはいえ、
もう桜が見られますか。
長野の朝晩はまだ寒いですが、
日が長くなり、
朝も明るくなるのが少しずつ早くなってきたので、
春が近付いてきているのが分かります。
Commented by at 2017-02-14 07:26 x
流れにそえず、昇太のことを・・すみません。
たしかにしんどそうですね、定期的にリフレッシュしなきゃ、のレヴェルですが、多才ゆえに事情が許さないのでしょうね。
因みに弟子の昇也は若手大喜利で活躍、師匠に似たクールな個性で、有望株だと思います。

Commented by saheizi-inokori at 2017-02-14 09:52
> j-garden-hirasatoさん、これは梅じゃないかな。
きのう病院に行く途中京橋で撮りました。
もうすぐ春ですよ^^。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-14 09:54
> 福さん、今が盛り、休むわけにはいかないのがこの世界でしょう。
小満んのような噺家がゆかしく思われる所以です。
Commented by doremi730 at 2017-02-14 14:43
倉本さんの舞台「走る」
82歳だからかなりキツイ。
生涯最後と言ってました。

チケットはコチラです、まだありそう、。。。
行きたいな~!
https://ticketcamp.net/kuramoto-so-tickets/?count=all&extra_payment=all&filter=active§ion_id=all&sort=price&ref=tc.listing-yahoo-pc-755815-36889&utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=event_artist#ticket-list-content
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-14 23:34
> doremi730さん、ありがとう。
行こうと思います。
Commented by 創塁パパ at 2017-02-15 11:36 x
昇太は、落語はうまい方だと、思いますが、テレビが、彼をダメにしはしないか。心配です。小園遊の例もありますし。
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-15 21:19
> 創塁パパさん、私も笑点はみません。
でもあれに出るのを断るのは大変な勇気がいるでしょうね。
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by saheizi-inokori | 2017-02-13 10:04 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(18)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori